桜島号

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桜島号(西日本鉄道)
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桜島号(いわさきバスネットワーク)
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桜島号夜行便(西日本鉄道運行時代)

桜島号(さくらじまごう)は、福岡県福岡市鹿児島県鹿児島市を結ぶ高速バス路線である。昼行便(1日23往復)と夜行便(1日1往復)がある。

席は全便座席指定制で、乗車には予約が必要である。

運行会社

昼行便10往復を西鉄2社が担当、昼行便12往復をJR・南国・いわさき・鹿観の4社が3往復ずつ担当(4社の担当する便は月ごとにローテーションされる)、昼行便1往復と夜行便を西鉄本体とJRを除く4社が日替わりで担当する。なお、西鉄側の運行に関しては、元々は西日本鉄道が全て本体直営で運営していたが、2001年頃より運行業務を西鉄高速バスに管理委託されるようになり、2009年頃からは夜行便のみ西鉄高速バス直営として移管し、2013年4月からは昼行便の移管(ただし1往復のみ本体便を残している)に伴い西鉄便のほとんどが西鉄高速バス直営となり、1往復は引き続き西鉄高速バスの管理委託だったため全便を西鉄高速バスが担当している形となっていたが、2014年6月10日より1往復の管理委託便を博多自動車営業所へ移管に伴い14年ぶりに本体直営に戻っている。

沿革

  • 1990年3月22日 西日本鉄道南国交通林田産業交通鹿児島交通(当時)の4社共同運行により運行開始。
    • 当時の運行本数 昼行:6往復 夜行:1往復
  • 1990年12月20日 JR九州バスが参入し(1往復増発)、5社共同運行になる。
  • 1991年3月20日 昼行便を15往復(6時から20時まで1時間毎)に大増発
  • 1999年3月28日現在の停車地
    • 昼行便 - 博多駅交通センター、西鉄天神バスセンター、久留米インターチェンジ(一部の便のみ停車)、鹿児島空港南、西鹿児島駅前、天文館、いづろ
    • 夜行便 - 博多駅交通センター、西鉄天神バスセンター、西鉄久留米、西鹿児島駅前、天文館、いづろ
  • 2002年12月1日 福岡~鹿児島間の往復乗車券を9,000円→8,000円、4枚つづり回数券を18,000円→15,000円に値下げ。
  • 2004年2月13日 停車地追加。
    • 久留米ICに停車する便が新たに帖佐に停車するようになる。
    • 夜行便も鹿児島空港南に停車するようになる。
  • 2004年4月1日 鹿児島交通運用分が南九州バスネットワークに移管される。
  • 2006年9月1日 南九州バスネットワーク解散に伴い、運用分が林田バスに移管し、4社共同運行になる。
  • 2007年3月21日 停車地追加。
    • 昼行便すべてが久留米IC、帖佐に停車するようになる。
    • 全便とも停車地に高速基山、下伊敷を追加。
    • 下伊敷停車追加により経路一部変更(鹿児島ICが鹿児島北ICへ)
  • 2007年4月頃 新たに鹿児島交通観光バスが参入。再び5社共同運行となる(車両は旧南九州バスネットワーク所属車を林田バスより譲渡される)。
  • 2008年2月1日 林田バス清算により、同社運行便がいわさきバスネットワークに変更。
  • 2008年10月20日 夜行便の停車バス停を久留米バスセンターから昼行便同様久留米インターチェンジへ変更。
  • 2009年2月1日 いづろ高速バスセンター廃止に伴い、鹿児島市内の始終着バス停を鹿児島本港(高速船ターミナル)へ変更。[1]
  • 2009年6月1日 バスセンターが併設されていた南国日生ビルの建て替えに伴い、鹿児島中央駅前の乗降車バス停を変更[2]
  • 2009年10月頃 夜行便の西日本鉄道運用分が西鉄高速バスに移管される(昼行便は従来通り西日本鉄道が運行)。
  • 2010年7月1日 夜行便の停車バス停にキャナルシティ博多を追加。
  • 2010年7月21日 昼行便23往復中18往復について、一部の席を通常運賃の半額の運賃とする「席割」を実施(2012年3月31日まで)。
  • 2011年3月12日 九州新幹線の全線開通に伴い、「九州新幹線全線開通割引きっぷ」を4月27日まで発売(6月1日より「九州新幹線de高速バス割引きっぷ」と名称を変更し通年発売)。
  • 2012年2月29日 これまで期間限定で実施してきた「席割」を通年発売に変更、同年4月1日以降は夜行便・臨時便を除く全便が対象になる(設定席数は時間帯や運行時期により変動)。[3]
  • 2012年4月23日 - 南国交通鹿児島中央駅前バスセンターの開業に伴い、鹿児島中央駅前乗降場所を変更[4][5]。また、この日から新たに八女インターチェンジに停車開始。
  • 2013年4月1日 - 昼行便の西日本鉄道担当便を1往復を除き西鉄高速バスに移管。
  • 2013年7月1日 - 同日出発便より、Webでの予約先が「@バスで(ハイウェイバスドットコム)」に変更される。また、これまで実施してきた「席割」が廃止され、代わりにWeb予約でカード事前決済時のみ安くなるWEB早割5を導入する(繁忙期は対象外)[6]
  • 2014年6月10日 1往復の西鉄本体担当便を西鉄高速バス管理委託(福岡高速営業所)から博多自動車営業所へ移管され、西鉄本体直営路線に変更。

運行経路・停車停留所

太字は停車停留所。福岡市内-八女IC間のみ、鹿児島空港南-鹿児島市内間のみの利用は不可。【】は夜行便のみ停車。

博多バスターミナル- 【キャナルシティ博多】 - 西鉄天神バスセンター - 天神北ランプ - (福岡都市高速1号線2号線) - 太宰府IC - (九州自動車道) - 筑紫野〈二日市温泉入口〉 - 高速基山 - 久留米IC - 八女IC - 鹿児島空港南 - 帖佐 - 鹿児島北IC - 下伊敷 - 鹿児島中央駅前 - 天文館 - 鹿児島本港〈高速船ターミナル〉
  • 昼行便は宮原SAで乗客開放の休憩有り(夜行便では車両点検・乗務員仮眠のための休憩はあるが乗客は車外へは出られない)。
  • 夜行便は西鉄天神バスセンター始発・終着(博多バスターミナルとの停車順が逆になる)。

所要時間

  • 西鉄天神バスセンター~鹿児島中央駅前間
    • 昼行便 - 最速3時間47分
    • 夜行便 - 6時間36分

車内設備

  • スーパーハイデッカーまたはハイデッカー、3列シート
    • 昼行便は原則2+1の配列、夜行便は独立3列
    • 南国交通は昼行便も全車独立3列シート(夜行仕様車を共用)
    • 西鉄・いわさきバスネットワーク・鹿児島交通観光バスは運用の都合上昼行便に夜行仕様車が充当される場合がある。
    • 2号車以降の続行便においては4列シート車が充当される場合がある。
  • 化粧室
  • テレビ・ビデオ・ラジオ
  • おしぼり
  • 毛布
  • コンセント(西鉄便の一部車両のみ)
    • 運行開始当初は車内に公衆電話も設置されていたが、携帯電話の普及に伴い各社とも2000年頃を目処に廃止された。このほか、飲み物(お茶・コーヒー)のサービスもあったが、コスト削減により現在は廃止されている。マルチステレオ(音楽サービス)も現在廃止している会社も多い。

エピソード

テンプレート:独自研究

  • 当路線はJRの特急「つばめ」(当時は在来線特急)と競合しており、当初から運行便数と低廉な料金で鉄道に対抗していた。鉄道側も運行便数の充実などで「桜島号」に対抗していたが、この結果、福岡~鹿児島間の航空機の利用者が減少、後にエアーニッポンは福岡~鹿児島間の航空路線から撤退するという結果になった。これは鹿児島空港が鹿児島市から離れていることも大きいと考えられている。1992年5月号のJTB時刻表によると、高速バスは昼行15往復・所要4時間20分・片道5,300円(往復9,000円)、鉄道は「有明」14往復・最速3時間58分・普通車指定席で片道7,710円・往復割引11,940円であるのに対し、航空機は2社で10往復・所要40分・運賃はジェット特別料金込みで片道12,550円・往復割引22,760円であった(すべて通常期の運賃)。ビジネス利用者が航空機からつばめに移ったと見られており、若者や女性が多く利用している桜島号からつばめにはそれほど移っていないようである。新幹線以外の鉄道や高速バスでも、条件によっては航空機に対しても競争力を持つという実例でもある。
  • しかしながら、近年は「つばめ」に徐々にシェアを奪われていることも事実で、ノンストップ便の廃止などがそれを物語っている。同じ様な傾向は「つくばエクスプレス」に徐々にシェアを奪われている「つくば号」でも減回等が生じている。ただ、「桜島号」そのものに関しては便数自体の削減は行われていない。2011年3月に九州新幹線が全通したため、更に運賃・料金面で差が広まっており、時間的要素と金銭面を考慮し、往復で利用手段を分ける旅客が増えるのではないか、とされている。
  • 当路線は全便が高速基山に停車し、各地への便へ接続しているため、鹿児島からの直通が少ない、もしくは全くない行き先(長崎、大分、佐世保など)を補完している。
  • 競合交通機関に飛行機(JAC)・九州新幹線のほか南九号(南九州観光バス)がある。

脚注

  1. 福岡~鹿児島線「桜島」号 鹿児島本港(高速船ターミナル)へ路線延長を行ないます(pdf)
  2. 新バスターミナル開業までの間、出発場所は南国高速バスセンター(元「サンクス」店舗跡)で、到着場所はダイエー鹿児島中央店横の高速バスおりばとなっていた。
  3. 高速バス福岡~鹿児島線「桜島」号 『席割』が新しくなって再スタート!(PDF)
  4. テンプレート:Cite web
  5. 発着場所は、鹿児島中央ターミナルビル(ソラリア西鉄ホテル「Reise(ライゼ)」1F)2番ホーム発・4番ホーム着となる。
  6. テンプレート:Cite web

外部リンク


テンプレート:NangokuKotsu テンプレート:IwasakiCorporationBus