枝豆

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テンプレート:Sister 枝豆(えだまめ)は、未成熟な大豆を収穫したもの。エダマメとも表記される。

概要

枝豆という植物が大豆と別に存在する訳ではなく、大豆とは収穫時期が異なるだけで、植物としては同一である。ただし、普通に大豆として成熟させて収穫するのに適した品種、枝豆として未成熟時に収穫するのに適した品種は別個に存在し、枝豆向きの品種を成熟させてのち収穫する例は無い(種子を得る場合を除く)。

日本中国では大豆の代表的な食べ方のひとつである。

枝豆の食べ方

塩ゆで
最も典型的な調理法である。しばしば枝つきのまま茹でたことから、枝豆という呼び名の由来ともなった(「歴史」の項も参照のこと)。現在でも、「枝豆」と言えばこの塩ゆでを指すことが多い。
調理は極めて簡単で、大きく分けて2つの方式がある。
  • 沸騰させた湯で豆を茹でた後、ザルにあげて水を切り、を振りかける。しばしば熱いまま供する。
  • 塩をあらかじめ溶かし、沸騰させた湯で豆を茹でる。あるいは生の枝豆をボウルに入れ、鞘ごと塩もみしたのち、塩とともに湯に投入して茹でることにより色鮮やかに仕上がる。ザルにあげ、団扇であおいで冷ます。枝豆の濃厚な味わいが薄れるため、冷水にさらしてはいけない。
また、近年では調理後冷凍した商品も出回っており、小売店の冷凍食品売り場などで目にすることができる。
枝豆の塩ゆでは、、特にビールつまみの定番として知られる。大豆に豊富に含まれる蛋白質などはアルコールの分解を助ける働きがあり、枝豆をつまみにするのは理にかなっているといわれる。
ずんだ
茹でた枝豆を潰してあん状にしたもの。ずんだをにまぶした「ずんだ餅」は宮城県山形県など南東北の名物の一つになっている。詳細はずんだの項を参照。
その他の加工品
子供にも人気のあるポピュラーな食材であることからスナック菓子の材料としても用いられるほか、すりつぶしてスープにしたり、餅に入れたり、煮物などの具材として利用されることもある。また地域おこしの題材として枝豆を使ったお酒が作られた例もある。

郷土料理

兵庫県篠山市和歌山県紀の川市鞆渕地区においては、黒豆の未熟なものを「黒枝豆」として食べることがある。茹でる前も茹でたあとも、一般の枝豆ではお馴染みな鮮やかな緑色ではなく、茹であがり後ですら鞘の中の豆は黒みがかった緑色だが、異質な見た目に反して味は極めてよい。その見た目の異質さと味の良さから様々なメディアで取り上げられたこともあり枝豆愛好筋などへの知名度も高いが、同地域のものは毎年10月第2週前後に出荷されており、流通する期間が限られることもあって入手は比較的難しく、それ以前に流通しているものは別品種の可能性がある。

歴史

奈良平安時代には既に現在の形で食されていたとされている。鎌倉時代の僧、日蓮が寄進を受けた信徒に宛てた礼状「松野殿女房御返事」には「(略)、枝大豆・ゑびね、旁の物給び候ひぬ」とある。江戸時代には夏になると路上に枝豆売りの姿があったという。現在のように枝からさやを外した状態ではなく、枝についたままの状態で茹でたものが売られており、当時はその状態で食べ歩いていることからファストフードのような存在だった。この状態のものを「枝付き豆」または「枝成り豆」と呼び、それが「枝豆」の名前の由来とされている。

日本国外

近年の健康志向にともなう日本食ブームの影響もあり、枝豆でも特に塩茹でなど簡単な調理法のものは2000年ごろから次第に北米・ヨーロッパなどの日本国外でも食べられるようになっている。イギリスなど英語圏では枝豆は「green soy beans」または「edamame[1]と呼ばれ、ニューヨークなどの日本風の居酒屋では定番のアペタイザーとして振る舞われ、オーガニックフード店やアジア食材を置く店でも気軽に入手することが出来る。また、アメリカン・フットボール野球を観戦しながらつまむ食べ物として、スタジアム内の売店でも買うことが出来るところもある。中華料理では毛豆と呼ばれ、豆干毛豆炒黄瓜などの食材としても広く使われている。 海外でインターネット検索された和食キーワードランキングで「sushi」「ramen」に挟まれ、「edamame」が2位を獲得。健康食として世界に注目される食品になっている。

脚注

  1. 笑顔がごちそう ウチゴハン食のアレコレ2009年7月19日放送)より。

関連項目

pl:Soja