東京ジョイポリス転落事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

東京ジョイポリス転落事故(とうきょうジョイポリスてんらくじこ)とは、2005年4月18日東京お台場にある東京ジョイポリスで、男性がスカイダイビングシミュレーション機「ビバ・スカイダイビング」から転落し死亡した事故である。

搭乗する際、担当のアルバイトが責任者に相談した上で、シートベルト未着用を許可したことが主因とされる。

概要

「ビバ・スカイダイビング」は、遊園地のフリーフォールライドのようなシートに横一列に定員6人が着座し、前面の400インチスクリーンに映し出された3DCG映像に合わせて、ライドが上下に移動したり前後に傾き、送風機で下方から風が吹き上がるなどスカイダイビングを擬似的に体験する遊具である。2000年12月1日のリニューアル時に設置された[1]

運用上の安全装備として、

  • 肩から胸にかけて保持する安全バー(絶叫マシンのU字型ショルダーハーネスと同一)
  • シートベルト(腰周りを保持)

が装備され、これを併用することが運用マニュアルで指示されていた[2]

被害者は胴回りが肥満体型であったため腰周りのベルトの長さが足りず、搭乗する際にシートベルトを着用しなかった[3]。そのため、機械の作動中にシートが前傾した際、体が下方にすり抜ける形で数メートル下のタイル張りの床へ転落した。

被害者以外にもシートベルトなしで利用させていた前歴があることが取材や後のヒアリング調査で判明した。それらの事例では、足元のステップに踏ん張ることで落下を免れていた。しかし、本件の被害者は足に障害があったため、ステップに踏ん張ることができず転落したとみられている[4]

ジョイポリスでは安全管理も含めた運営マニュアルが存在したが、オープン後程なく現場社員レベルで裏マニュアルを作成し、本来のマニュアルを逸脱した運用が常態化していた事が事故後の調査およびマスコミ取材で明らかにされた。

被害者は障害者割引を適用した利用であり、付き添いの者が居たにも関わらず強く制止しなかったとされ、テンプレート:要出典範囲セガが公式リリースでコメントを発する事態となった。

東京ジョイポリスは事故発生以降、自主休業していたが、2005年8月に該当機を撤去して営業再開した。

脚注

  1. セガ、東京ジョイポリスをリニューアルオープン  2000年12月1日 Ascii.jp
  2. 設営の際には開発部署も立ち会って指導しており、情報の受け渡しに特に不備は無い。事故後の取材に対して、開発部門側はベルトを外して運用するとは想定して居なかったとコメントしている。
  3. ベルトの延長器具などは元々無かった。
  4. ステップに足を踏ん張ることで落下を防いでいたことは単なる偶然であり、もともと安全装置として想定されてはいなかった。

関連項目