日産・NV100クリッパー

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NV100クリッパー (NV100 CLIPPERエヌブイ100 クリッパー) は、日産自動車販売しているセミキャブオーバー型軽ライトバン。初代は三菱自動車工業から、2代目はスズキからそれぞれOEM供給を受ける車種である。

日産の販売する軽自動車では、実験的な少数生産に留まった軽規格の電気自動車ハイパーミニ」を除けば、第一号の「モコ」(スズキ・MRワゴンのOEM品)に次ぐ第二弾目となる。

なお、本稿では、以下の内容も扱う。

  • クリッパーCLIPPER) - 初代・前期型~中期型に用いられていたセミキャブオーバー型軽ライトバン及びセミキャブオーバー型軽トラック
  • NT100クリッパーNT100 CLIPPER) - 初代・後期型以降に用いられているセミキャブオーバー型軽トラック
  • クリッパー リオCLIPPER RIO) - 初代「クリッパー」の乗用モデルとして販売されていたセミキャブオーバー型軽ワンボックスカー三菱・タウンボックスのOEM車種。
  • NV100クリッパー リオNV100 CLIPPER RIO) - 2代目「NV100クリッパー」の乗用モデルとして復活したセミキャブオーバー型軽ワンボックスカー。スズキ・エブリイワゴンのOEM車種。

クリッパー(商用)概要

初代・バン/トラック U71V/U72V/U71T/U72T型(2003年-2013年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2003年8月29日に、三菱自動車と日産自動車の共同プレスリリースでミニキャブのOEM供給に合意した事を発表[1]。同日、新型軽商用車の名称をクリッパーに決定したと発表した[2]

2003年9月16日、クリッパーバン/トラックの発売日を発表。

2003年10月6日、U71T型(トラック)、U71V型(バン)発売。三菱自動車工業の「ミニキャブ」のOEM。社内型式は「MA0」である(なお、本車種では型式の前にボディタイプを示すアルファベットが追加されており、トラックは「TMA0」、バンは「VMA0」となる)。

2004年10月20日、一部改良。環境性能を向上したほか、バンの衝突安全性能を高めた。

2005年12月21日、マイナーチェンジ。全グレードでトリップメーター(液晶式)、ヘッドランプレベライザーなどを標準装備化したほか、フロントグリルを日産の「ウインググリル」に変更。また、ヘッドランプレベライザーを標準装備させ、灯火器技術基準に適合した。

2006年12月21日、一部改良。トラックにリブラグタイヤとリヤ強化サスペンションなどを採用したDX農繁仕様を追加し、助手席側サイドアンダーミラーを標準装備。またCDプレーヤーやカラードサイドミラーを装備する「エクストラパック」を追加。

2007年12月21日、マイナーチェンジ。インパネの2トーンカラー化やキーシリンダー取り付け部の強度向上、バンでのリヤシートベルト標準装備化、バン・トラックの液晶トリップメーターのA・B2区間対応。

2008年12月22日、一部改良。オゾンセーフエアコン、パワーステアリング、カラードバンパー、シガーライターなどを標準装備化。同時に道路運送車両の保安基準及び協定規則への対応のため、スライドドアセンターレール、フロントフェンダー、リヤアンダーミラーなどの形状を変更。

2010年1月8日、一部改良発表(発売は1月14日)。インストパネル、メーター、ステアリング周りのデザインを変更し、インテリアの質感向上を図った。また、半ドア警告灯、AM/FMラジオを標準装備するなど仕様を向上。

また、特別仕様車「Black-Limited」を設定してこちらも1月14日から発売。バンの「ハイルーフDX(AT車)」とトラックの「SD」グレードをそれぞれベースに、ボディカラーを専用塗装色の「ブラック」としたほか、フロントグリル(メッキ)とヘッドランプインナーパネル(メッキ)を採用。

2010年8月17日、一部改良。エンジンのフリクションを低減し、燃費を向上。バンの2WD車は「平成22年度燃費基準+10%」を達成。また、一部グレードでシート生地を変更して質感を向上した。「ハイルーフGL」と「ハイルーフDX」には、「ナイトバイオレット・パール」をメーカーオプションとして追加。「ハイルーフGL」は3ATに代わり4ATを搭載。また、トラックはグレード体系の見直しを行い、従来は設定されていなかった3AT車を新設した。

2012年1月25日、マイナーチェンジ。同時に「クリッパーバン」は「NV100クリッパー」、「クリッパートラック」は「NT100クリッパー」にそれぞれ車名を変更。共通でフロントデザインやシート地が変更され、カップホルダー付フロアコンソールボックスの容積を大型化し、ヘッドレストは強度を高めて高さを変更し、シートベルト・シートベルトバックルの取り付け位置を変更した。また、バンタイプの「NV100クリッパー」ではリアデザインも一新し、ハイマウントストップランプをLED化。新色としてチタニウムグレーメタリックを追加した。また、グレード体系の見直しにより、手ごろな価格設定とした「DX」、マイナーチェンジに伴って廃止された「クリッパーリオ」の「E」に代わり、プライバシーガラス・フルホイールカバー・リモートコントロールエントリーシステム・CD一体AM/FMラジオなどを装備した充実グレード「GX」、「クリッパーリオ」のターボ車「G」に代わるターボ車「GXターボ」の3グレードに整理。トラックタイプの「NT100クリッパー」には運転席側フロントドアポケットを追加装備するとともに、「SD」にはパワーステアリング、助手席アシストグリップ、前席両側昇降グリップを標準装備し、利便性を高めた。バンに装着される新デザインのリヤコンビランプはダイハツ・ハイゼットカーゴ/トヨタ・ピクシスバン/スバル・サンバーバンと共用の部品となった為、ダイハツのロゴが入っている。尚、乗用モデルのクリッパーリオはベース車のタウンボックスの生産終了により、廃止された。

2012年12月13日、ミニキャブの一部改良に合わせて一部改良(仕様変更扱い)。2013年1月から施行される灯火器及び反射器等に関する法規に対応するため、NT100クリッパー(特装車の一部を除く)に後方反射板を追加し、夜間の積み降し作業時や乗降時の安全性を向上。また、シート生地の変更により質感を向上したほか、グレード体系の見直しを行い、NT100クリッパーの「パネルバン」を廃止した。併せて、JC08モード燃費に対応した。

2代目・バン/トラック DR64V/DR16T型(2013年-)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

2013年8月29日、OEM元である三菱自動車の軽商用車(ただし電気軽商用車の「ミニキャブMiEV」は除く)市場の撤退表明に伴い、同年末からスズキより、エブリイ/キャリイのOEMを受け、次期型を販売することが発表された[3]

2013年12月3日、NV100クリッパー・NT100クリッパー共に初のフルモデルチェンジ[4]。なお、社内型式はNV100クリッパーは「VZA0」、NT100クリッパーは「TYA0」となる。

グレード体系はNV100クリッパーは「DX」、「GX(エブリイ「JOIN」相当)」、「GXターボ(同「JOINターボ」相当)」の3グレードを基本とし、「DX」にはエブリイでの「PA」に相当するハイルーフ仕様に加え、エブリイでの「GA」に相当する標準ルーフ仕様も設定されるが、標準ルーフ仕様に関しては2WD・3AT車のみの設定である(エブリイ「GA」では5MT車(2WD/4WD)の設定がある)。また、ハイルーフ仕様には、プライバシーガラス、リモートコントロールエントリーシステム、パワーウィンドウ、ファブリックシート地、カーアラームをひとまとめにした「GLパッケージ(エブリイ「PC」相当)」も設定される。NT100クリッパーは「SD(キャリイ「KC パワステ」相当、4WD・5MT車のみの設定)」、「DX(同「KC エアコン・パワステ」相当)」、「DX農繁仕様(同「KC エアコン・パワステ 農繁仕様」相当、4WD・5MT車のみの設定)」、「GX(同「KX」相当)」の4グレードが設定されるが、キャリイの「KC」、「KC パワステ 農繁仕様」に相当するグレードは設定されない。
NV100クリッパーは最小回転半径を4.1mとしたことで扱いやすさや小回りの良さを実現し、ステップ高を前席は355mm、後席は375mmとし、運転席・助手席に乗降グリップを備えたことで乗降がしやすくなり、インストシフトノブを採用したことで前席間のウォークスルーが可能となった。積載能力に関してもなら9枚積載可能な積載量を確保するほか、助手席を前に倒すことで長尺物も積載できる助手席前倒し機構を採用。「GX」系には分割可倒式リアシートも採用し、長尺物積載時でもリアシートに1名乗車できる。また、カーアラームが新たに装備され、「GX」系にはリアヒーターとシートアームレストも装備された。エンジンは全車DOHC化され、NAエンジンの3AT車は排気ガスのクリーン化により「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得し、併せて、燃費向上により「平成27年度燃費基準」を達成。ターボエンジンは最大トルクを9N・m(0.9kgf・m)向上した。なお、外観はエンブレム類を変更した程度で大きな変更はなく、カラーバリエーションもエブリイと同一である(「ブルーイッシュブラックパール」は「DX GLパッケージ」及び「GX」系に設定)。
NT100クリッパーはショートホイールベース化することで最小回転半径を3.6mとなり小回り性を高め、荷台はフロア長を2,030mmに拡大し、床面をフラット化。さらに低床化したことで積載性や積み下ろしの作業性を高めた。ドアの開口高や開口幅を広く取り、シートの座面を低くしたことで高い乗降性を実現し、アクセルペダルを前方に、ヒップポイントを後方に設定し、タイヤハウスをシート下に配置したことで、ペダル操作がしやすい広い足元空間を実現した。一部グレードの4WD・5MT車にはレバー操作による切り替えが可能な高低速2段切り替え式パートタイム4WDとデフロック機構を装備した。耐久性も高め、防錆鋼板をボディ表面積の95%以上に施し、さらに、フレームにも採用。塗装は3層塗装を施し、ホイールやフレーム側面にはアンダーコートを塗布したことで徹底したサビ対策を行い、表面サビ3年・外板穴あきサビ5年(荷台を含む)のサビ保証が標準付帯された。エンジンはNV100クリッパー同様にDOHC化したが、本車種では3代目モコに採用されているR06A型を縦置きレイアウトで搭載するなどして燃費を向上し、全車「平成27年度燃費基準」を達成した。外観はエンブレム類の変更に加え、フロントグリルは初代・後期型(初代NT100クリッパー)を踏襲したVシェイプデザインの専用品に変更され、フロントのエンブレム位置もグリルの中に移される。カラーバリエーションはキャリイと同一である(「シルキーシルバーメタリック」は「DX」・「GX」に設定)。
なお、スズキはすでにマツダ向けにスクラムバン/スクラムトラックの車種名でOEM供給を行っているため、同車の販売時点で3兄弟車種となったが2014年2月27日にミニキャブもキャリイ/エブリイのOEMに切り替わったことから4兄弟車種となった。

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クリッパーリオ(乗用)概要

初代・U71W/U72W型(2007年-2012年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2007年6月14日、日産自動車がクリッパーリオを発表、同日より発売開始した[5]。ワンボックス軽乗用車である「タウンボックス」のOEM。フロントグリルは専用のダークスモークメッキフロントグリル(クリッパーバン / トラックのものにメッキを施したもの)。

2007年7月11日、クリッパーリオ エアロバージョンを追加(タウンボックスの「M2」相当モデル)。専用フロントエアロバンパー(「M2」ロゴには穴が開けられ削除)や、専用サイドスカート、専用リヤアンダースポイラーを装備。架装はオートワークス京都

2007年12月21日、マイナーチェンジ。新色「ドーンシルバー・メタリック」を追加したほか、インパネの2トーンカラー化、キーシリンダー取り付け部の強度向上、運転席シートベルトリマインダーの追加、撥水・撥油加工シート生地の採用、ターボモデルに合成革巻ステアリングホイールを追加。

2008年12月22日、一部改良。バン・トラックと同様、道路運送車両の保安基準及び協定規則への対応のため、スライドドアセンターレール、フロントフェンダー、リヤアンダーミラーなどの形状を変更。

2010年1月8日、一部改良発表(発売は1月14日)。インストパネル、メーター、ステアリング周りのデザインを変更し、インテリアの質感向上を図った。また、ボディカラーは、特別塗装色の「ナイトバイオレット・パール(三菱名:ミスティックバイオレット・パール)」や「ホワイトパール」を追加。

2010年8月17日、一部改良。バン・トラックと同じく、自然吸気エンジン仕様の「E」でエンジンのフリクションの低減を行い、燃費を向上。また、ボディカラーには「チタニウムグレー・メタリック」を追加した。

2011年12月、ベース車の三菱・タウンボックスの生産中止に伴い在庫車のみの販売となる。

2012年1月25日、クリッパーシリーズのマイナーチェンジに伴い販売終了。

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2代目・DR64W型(2013年-)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2013年12月3日の「NV100クリッパー」・「NT100クリッパー」のフルモデルチェンジと同時に、2012年1月をもって販売を終了していた乗用ワゴンモデルの「クリッパーリオ」を「NV100クリッパーリオ」に改名の上フルモデルチェンジし、約1年11か月ぶりに販売を再開した。社内型式は「WZA0」となる。

新たに、リモコンキー・ドアハンドル・運転席スイッチで操作できるオートスライドドア(後席左側または両側)が採用され、同時に半ドア状態から自動で全閉できるスライドドアオートクロージャーも装備した。また、乗降グリップと乗降ステップの装備により優れた乗降性を実現。リアシートは左右独立スライド機構やリクライニング機構を備えるほか、NV100クリッパーと同じく採用している助手席前倒し機構に加え、フルフラット機構の採用により多彩なシートアレンジも可能となり、インストシフトノブの採用により、前後左右のウォークスルーができるようになった。市販の箱入りティッシュと車検証を一緒にしまえる大型グローブボックスをはじめとする豊富な収納スペースも備えられた。全車、ターボエンジンと4速ATの組み合わせのみとなったが、ターボエンジンはNV100クリッパーのターボ車同様にDOHC化され、最大トルクが9N・m(0.9kgf・m)向上、最高出力は先代の「クリッパーリオ」と同レベルとした。

グレード体系は「E(エブリィワゴン「PZターボ」相当)」と「G(同「PZターボスペシャル」相当)」の2グレードのみで、エブリイワゴンの「JPターボ」に相当するグレードは設定されない。「G」にはハイルーフも用意される。基本的メカニズムや主要装備、カラーバリエーションはベース車両と同じで、外観はNV100クリッパー同様、エンブレム類の変更程度である。

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車名の由来

  • 「クリッパー」は、もともと旧プリンス自動車工業1958年1月に発売した小型・中型トラック(プリンス・クリッパー)で使用されていた車名。クリッパーは「駿馬、俊足を誇る」の意味。
  • リオはスペイン語で「川」という意味で、リオカーニバルというと楽しく前向きな印象があること、シンプルで覚えやすいことから名付けられた。
  • バン・トラックの初代・後期型以降に用いられているNV・NTとは、「日産(Nissan)のバン(Van)」、「日産(Nissan)のトラック(Truck)」、100は「車両総重量1,000kgクラス」を意味する。

その他

ミニキャブ同様、トラックのキャブ部分を拡大して室内を広くしたキングキャブ(ミニキャブではスーパーキャブ)、バンのボディを後ろから4分の1程カットしてトラックと4名乗車できるスペースを兼ね備えたダブルキャブがあるが、元祖と言えるダイハツ・ハイゼットデッキバンハイゼットジャンボとはミニキャブと合わせても販売台数にかなり差がある。ちなみにキングキャブは元々、ダットサントラックフロンティアのエクステンドキャブに付けられていた名前。

クリッパーはミニキャブよりもまだ歴史が浅いにもかかわらず、クリッパーの中古車物件数はミニキャブの半分を超えている。日産の販売網の広さはやはり三菱の軽自動車を後押ししているといえる。この事はマツダ・ボンゴバネットの関係にも当てはまる。

脚注

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関連頃目

外部リンク

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  1. 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE 2003年8月29日付
  2. 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE 2003年8月29日付
  3. 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE 2013年8月29日付
  4. 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE 2013年12月3日付
  5. 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE 2007年6月14日付