日本陸上競技選手権大会

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テンプレート:Infobox 陸上競技選手権大会 日本陸上競技選手権大会(にほんりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい)は、陸上競技の日本一を決める大会である。日本陸上競技連盟主催、トラック競技・フィールド競技の男女合計36種目を実施する。毎年6月に開催し、夏季オリンピック世界選手権などの国際大会開催年は日本代表の選考会を兼ねている。単に日本選手権とも呼ばれている。

沿革

第1回大会は大日本体育協会が主催し「第一回全国陸上競技大会」の名で1913年11月1日2日陸軍戸山学校新運動場を会場として19種目の競技を行った。100m・400mなどに加えて、立高跳立幅跳・ベースボール用球投といった種目を実施した。この後、体育協会が第11回まで大会を主催した。体育協会と関東の私立大学との対立が影響し、1924年は大会が開催されなかった。1925年全日本陸上競技連盟が成立し、同連盟が第12回以降の大会を主催した。第12回は女子の競技を開始した大会でもあり、100m走高跳砲丸投など7種目を行っている。第二次世界大戦の影響により1941年の第28回大会が中止となり、1943年から1945年までの間は開催されなかった。戦後に日本陸上競技連盟が組織されて1946年に大会を再開した。年を追うごとに競技種目を整備し、直近では2006年の第90回大会に女子3000mSCを追加した。2001年の第85回大会以降の開催時期は6、7月となっている。

大会一覧

年度 開催日程 開催地 備考
1 1913年 11月1日 - 2日 陸軍戸山学校 男子19種目を実施
2 1914年 11月22日 - 23日 陸軍戸山学校
3 1915年 11月20日 - 21日 陸軍戸山学校 男子円盤投・やり投追加
4 1916年 9月2日 - 3日 東京芝浦 男子110mH・十種競技追加
5 1917年 11月17日 - 18日 鳴尾運動場
6 1918年 11月2日 - 3日 東京・芝浦 男子三段跳追加
7 1919年 11月8日 - 9日 鳴尾運動場
8 1920年 11月27日 - 28日 東大農学部実科 男子4×400mH追加
9 1921年 11月19日 - 20日 東大農学部実科
10 1922年 11月4日 - 5日 東大農学部実科
11 1923年 11月10日 - 11日 東大農学部実科
12 1925年 11月22日 - 23日 明治神宮外苑競技場 女子種目の開始、7種目を実施
13 1926年 5月8日 - 9日 大阪市立運動場
14 1927年 8月6日 - 7日 明治神宮外苑競技場
15 1928年 5月19日 - 20日 大阪市立運動場 男子400mH、女子800m・走幅跳・円盤投追加
16 1929年 11月1日 - 3日 明治神宮外苑競技場 女子80mH・やり投追加
17 1930年 10月25日 - 26日 大阪市立運動場
18 1931年 11月1日 - 3日 明治神宮外苑競技場 男子3000mSC追加
19 1932年 5月25日28日29日 明治神宮外苑競技場 男子50km競歩追加
20 1933年 10月31日 - 11月3日 明治神宮外苑競技場
21 1934年 10月20日 - 21日 甲子園南運動場 女子400m・五種競技追加
22 1935年 11月2日 - 4日 明治神宮外苑競技場
23 1936年 10月30日 - 11月1日 明治神宮外苑競技場
24 1937年 11月1日 - 3日 明治神宮外苑競技場
25 1938年 9月24日 - 25日 甲子園南運動場
26 1939年 10月30日 - 11月3日 第一高等学校
明治神宮外苑競技場
27 1940年 10月30日 - 11月3日 明治神宮外苑競技場
28 1941年 7月17日 - 7月19日 中百舌鳥総合運動場 中止[1]
29 1942年 5月25日、28日、29日 中百舌鳥総合運動場
30 1946年 11月2日 - 3日 西京極競技場 第1回国民体育大会
31 1947年 10月4日 - 5日 鞘ヶ谷陸上競技場
32 1948年 8月14日 - 15日 山形県営競技場
33 1949年 8月27日 - 28日 橿原公苑陸上競技場
34 1950年 10月7日 - 8日 鴨池陸上競技場
35 1951年 10月13日 - 14日 瑞穂公園陸上競技場
36 1952年 10月4日 - 5日 岐阜県営陸上競技場
37 1953年 10月10日 - 11日 明治神宮外苑競技場
38 1954年 9月24日 - 26日 明治神宮外苑競技場
39 1955年 10月22日 - 23日 王子陸上競技場 男子20km競歩追加
40 1956年 10月6日 - 7日 宮城野競技場
41 1957年 10月5日 - 6日 王子陸上競技場
42 1958年 10月11日 - 12日 国立競技場
43 1959年 8月1日 - 2日 国立競技場
44 1960年 7月1日 - 3日 国立競技場
45 1961年 6月30日 - 7月2日 国立競技場
46 1962年 10月12日 - 14日 大宮公園陸上競技場兼双輪場
47 1963年 10月12日 - 10月15日 国立競技場
48 1964年 7月3日 - 5日 国立競技場
49 1965年 10月15日 - 17日 国立競技場
50 1966年 9月16日 - 18日 国立競技場
51 1967年 9月22日 - 24日 国立競技場
52 1968年 8月29日 - 9月1日 駒沢陸上競技場
国立競技場
53 1969年 9月19日 - 21日 上尾運動公園陸上競技場 女子1500m追加、女子80mHを100mHに変更
54 1970年 5月29日 - 31日 国立競技場 女子4×400m追加
55 1971年 5月28日 - 30日 国立競技場
56 1972年 6月2日 - 4日 国立競技場
57 1973年 6月1日 - 3日 千葉県陸上競技場
58 1974年 5月31日 - 6月2日 国立競技場
59 1975年 5月30日 - 6月1日 国立競技場
60 1976年 6月4日 - 6月6日 国立競技場
61 1977年 10月28日 - 30日 国立競技場 女子3000m追加
62 1978年 10月28日 - 29日 国立競技場
63 1979年 10月27日 - 28日 国立競技場 女子400mH追加
64 1980年 10月25日 - 26日 国立競技場
65 1981年 10月24日 - 25日 国立競技場 女子10000m追加、五種競技を七種競技に変更
66 1982年 9月11日 - 12日 国立競技場
67 1983年 10月1日 - 2日 国立競技場
68 1984年 10月21日 - 22日 国立競技場
69 1985年 5月31日 - 6月2日 国立競技場
70 1986年 5月30日 - 6月1日 国立競技場
71 1987年 6月13日 - 14日 国立競技場 女子三段跳・10km競歩追加
72 1988年 6月17日 - 19日 国立競技場
73 1989年 6月17日 - 18日 国立競技場
74 1990年 6月9日 - 10日 千葉県陸上競技場
75 1991年 6月13日 - 16日 国立競技場
76 1992年 6月12日 - 14日 国立競技場
77 1993年 6月11日 - 13日 国立競技場
78 1994年 6月10日 - 12日 国立競技場
79 1995年 6月9日 - 11日 国立競技場 女子棒高跳・ハンマー投追加、3000mを5000mに変更
80 1996年 6月6日 - 9日 長居陸上競技場
81 1997年 10月2日 - 5日 国立競技場
82 1998年 9月30日 - 10月4日 熊本県民陸上競技場 女子10km競歩を20km競歩に変更
83 1999年 10月1日 - 3日 草薙総合運動場
84 2000年 10月6日 - 8日 宮城スタジアム
85 2001年 6月8日 - 10日 国立競技場
86 2002年 6月7日 - 9日 西部緑地公園陸上競技場
87 2003年 6月6日 - 8日 横浜国際総合競技場
88 2004年 6月4日 - 6日 布勢陸上競技場
89 2005年 6月2日 - 5日 国立競技場
90 2006年 6月30日 - 7月2日 ユニバー記念競技場 女子3000mSC追加
91 2007年 6月29日 - 7月1日 長居陸上競技場
92 2008年 6月26日 - 29日 等々力陸上競技場
93 2009年 6月25日 - 28日 広島広域公園陸上競技場
94 2010年 6月4日 - 6日 香川県立丸亀競技場
95 2011年 6月10日 - 12日 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
96 2012年 6月8日 - 10日 長居陸上競技場
97 2013年 6月7日 - 9日 味の素スタジアム
98 2014年 6月6日 - 8日 とうほう・みんなのスタジアム
99 2015年   デンカビッグスワンスタジアム[2]

実施種目


トラック競技・フィールド競技の男女各18種目計36種目が実施される。次の種目は日時・会場を分離して実施されている。マラソンは年度によって日本陸上競技選手権大会を兼ねる大会が異なる。

大会記録

種目 男子 女子
選手名 記録 年度 場所 選手名 記録 年度 場所
100m 朝原宣治 10.05
(+1.4 m/s)
2002 金沢 ポーリン・デービス 11.29
(0.0 m/s)
1991 東京
200m 末續慎吾 20.03
(+0.6 m/s)
2003 横浜 ポーリン・デービス 22.73
(+0.7 m/s)
1991 東京
400m 高野進 44.78 1991 東京 丹野麻美 51.93 2005 東京
800m ホセ・ルイス・バルボサ 1:46.21 1991 東京 杉森美保 2:00.45 2005 東京
1500m 奥山光広 3:38.88 1991 東京 ツドリタ・キドウ 4:07.77 1991 東京
5000m サイモン・マイナ・ムニ 13:14.18 1998 熊本 福士加代子 15:05.07 2004 鳥取
10000m アロイス・ニジガマ 27:26.26 1995 東京 新谷仁美 31:06.67 2013 調布
100mハードル 紫村仁美 13.02
(-0.6 m/s)
2013 調布
110mハードル 内藤真人 13.55
(0.0 m/s)
2007 大阪
400mハードル サミュエル・マテテ 48.08 1991 東京 ニコレッタ・カルタス 55.78 1991 東京
3000mSC ダニエル・ジェンガ 8:19.21 1994 東京 早狩実紀 9:45.05 2009 広島
走高跳 醍醐直幸 2m33 2006 神戸 佐藤恵 1m94 1988 東京
棒高跳 イゴール・ポタポビッチ
澤野大地
5m80 1990
2004
千葉
鳥取
我孫子智美 4m40 2012 大阪
走幅跳 寺野伸一 8m20 2004 鳥取 ラリサ・ベレズナヤ 7m03 1990 千葉
三段跳 山下訓史 17m15 1986 東京 花岡麻帆 14m04 1999 静岡
砲丸投 セルゲイ・ニコラエフ 19m02 1990 千葉 甄文華 19m40 1991 東京
円盤投 アデワーレ・オルコジュ 64m20 1991 東京 閔春鳳 59m94 1991 東京
ハンマー投 室伏広治 83m29 2003 横浜 綾真澄 66m32 2011 熊谷
やり投 ディーン元気 84m03 2012 大阪 海老原有希 62m36 2012 大阪
十種競技 右代啓祐 8308 2014 長野
七種競技 中田有紀 5962 2004 鳥取
4×100m 早稲田大学 38.97 2008 横浜 東邦銀行 44.37 2012 横浜
(江里口匡史, 木村慎太郎, 楊井佑輝緒, 木原博) (佐藤真有, 千葉麻美, 青木沙弥佳, 渡辺真弓)
4×400m 中央大学 3:05.02 2011 横浜 福島大学 3:34.70 2007 横浜
(加瀬宏二郎, 飯塚翔太, 木村淳, 鬼塚祐志) (渡辺なつみ, 丹野麻美, 青木沙弥佳, 金田一菜可)
マラソン 藤田敦史 2h06:51 2000 福岡 野口みずき 2h21:18 2003 大阪
20km競歩 鈴木雄介 1h18:17 2014 神戸 渕瀬真寿美 1h28:03 2009 神戸
50km競歩 山崎勇喜 3h40:12 2009 輪島
 [3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14]

成績

出場資格

2013年現在、日本国籍を有する日本陸連登録競技者でいずれかの条件を満たす必要がある[15]

  • 当該種目の前回大会優勝者
  • 参加標準記録Aを指定期間内に突破する
  • 地域選手権(近畿選手権・九州選手権などの大会)で3位以内に入り、参加標準記録Bを指定期間内に突破する
  • 期限までに地域選手権が開催されていない場合は、前年の地域選手権で3位以内に入り、参加標準記録Bを指定期間内に突破する

など。ただし例外もある[16]。出場に際して前回大会優勝者は優勝種目に限り出場料が免除される。また、棄権する場合には事由や場合によっては診断書の添付が求められる。これらの届け出なしに棄権した選手は以後一定期間日本陸連及び協力団体主催の大会に出場できない場合がある。

日本代表選考について

テンプレート:See also 当大会は年度により各国際大会の日本代表選手選考競技会を兼ねて実施される。2013年現在、指定期間内に参加標準記録Aを突破し当大会で優勝した選手は代表内定となる[17]。また2013年第14回世界選手権の代表選考から日本陸連による派遣設定記録が導入され、記録はIAAFが定める世界選手権参加標準記録Aよりも高い数値に設定された。指定期間内に派遣設定記録をクリアし当大会で8位入賞以上の成績を残した選手は代表内定となる[18]。これら以外は日本陸連理事会の協議によって代表選手が決定される。選考基準・派遣人数は年度や各大会により異なる。詳細は各国際大会記事を参照。

放送について

各日とも後半をNHK総合テレビジョン及びNHK BS1で中継。NHK総合では少なくとも土日は生中継となる。(2012年度は最終日を除きナイターで行われたため、一部BS1・総合のリレー中継で行われた)

出典・脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

外部リンク

テンプレート:日本陸上競技選手権大会
  1. 開催は決まっていたが、7月に文部省の通達により全国規模のスポーツ大会が中止となったため。
  2. 2014年1月をもって「東北電力ビッグスワンスタジアム」から名称変更。(命名権の新スポンサーが決定したため)
  3. 第96回日本陸上競技選手権大会兼ロンドンオリンピック代表選手選考競技会競技結果 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  4. 男子 十種競技 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  5. 女子 七種競技 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  6. 競技結果 男子 4×100m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  7. 競技結果 女子 4×100m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  8. 競技結果 男子 4×400m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  9. 競技結果 女子 4×400m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  10. 過去の優勝者・記録 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  11. 大阪国際女子マラソン史 大阪マラソン. 2012年12月13日閲覧.
  12. 第97回日本選手権男女20km競歩 日本陸上競技連盟. 2014年7月31日閲覧.
  13. 日本選手権女子20km競歩 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  14. 日本選手権50km競歩 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
  15. 日本で生まれ育った外国籍競技者を含む。また、外国籍競技者は出場条件に制限がある。
  16. 第97回日本陸上競技選手権大会 参加資格 日本陸上競技連盟 2013年1月10日閲覧
  17. 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン) 日本代表選手選考要項 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧
  18. 第14回世界陸上競技選手権大会 (2013/モスクワ) 日本代表選手選考要項 日本陸上競技連盟. 2013年6月10日閲覧