押村高

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

押村 高(おしむら たかし、1956年 - )は、日本の政治学者、国際関係研究者。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授。専門は、政治思想史、国際関係思想史、フランス政治。

東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1984年、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。1987年、仏政府給費留学生としてフランスへ留学、1989年、パリ第2大学(パンテオン・アサス)大学院にてDEA(Diplôme d’Etudes Approfondies、Science politique)取得。早稲田大学教育学部助手、パリ第二大学・パリ社会科学高等研究院客員研究員などを歴任。青山学院大学国際政治経済学部専任講師、助教授を経て、1998年4月より現職。2012年度より国際政治経済学部長。 1997年、早稲田大学から『モンテスキューの政治理論――自由の歴史的位相』で博士(政治学)を授与される。 日本政治学会理事、政治思想学会理事。司法試験(旧一次)出題委員など歴任。

著書

単著

編著

  • 『帝国アメリカのイメージ――国際社会との広がるギャップ』(早稲田大学出版部 , 2004年)
  • 『越えるーー境界なき政治の予兆』(風行社、2010年)

共編著

訳書

共訳書

論文

雑誌論文

  • 「政治的自由論の形成過程(1)モンテスキューと共和政ローマ」『早稲田大学教育学部学術研究』33号(1984年)
  • 「政治的自由論の形成過程(2)モンテスキューとフランス封建社会」『早稲田大学教育学部学術研究』34号(1985年)
  • 「モンテスキューのイギリスConstitution論――いわゆる『偏見』の諸前提」『社會科學討究』32号(1986年)
  • 「フランス政治学発達小史」『みすず』第32巻第8号(1990年)
  • 「絶対悪としての専制-モンテスキュ――東洋的政体の論理と背理」『社會科學討究』38号(1992年)
  • 「フランス政治思想史における『党派』の問題――J-J・ルソーとその周辺」『青山国際政経論集』29号(1994年)
  • 法の精神、あるいは立法への懐疑――モンテスキューにおける歴史の効用」『社會科學討究』40号(1994年)
  • 「イデオロギーからアイデンティティへ――ナショナリズムの行方」月刊『フォーラム』第6巻11号(1995年)
  • 国家理性の系譜学」『青山国際政経論集』44号(1998年)
  • 「国家の安全保障と人間の安全保障」『国際問題』530号(2004年)
  • 「最強者のおののき――帝国論争から読むアメリカの背理」『思想』975号(2005年)
  • 「戦争のもうひとつの語り方――国際関係における反実仮想の効用」『思想』984号(2006年)
  • 「介入はいかなる正義にもとづきうるか──誤用と濫用を排して」『思想』993号(2007年)
  • “Assessing Political Accountability in a Globalized Japan: A Politico-Philosophical Framework,” in The Aoyama Journal of International Politics, No.75, (May 2008)
  • 「グローバル化と共同体論の位相転換ーーコスモポリタン-コミュニタリアン論争の行方」『政治思想研究』9号(2009年)
  • “Framing a Regime Choice: The Changing Role of Party Discourse in Japan,” in The Aoyama Journal of International Politics, No.80, (January 2010)
  • 「同盟・基地・沖縄―なぜ日本は思考停止に陥るのか」『中央公論』2011年10月号
  • 「ディスコースとしての主権(上)―知がもたらす秩序の役割と限界」『青山国際政経論集』85号(2011年)
  • 「ディスコースとしての主権(下)―主権論批判の系譜と射程」『青山国際政経論集』86号(2012年)
  • 「グローバル化と正義―主体、領域、実効性における変化」『法哲学年報』(2013年)

単行本所収論文

  • 「ナショナリズム」白鳥令佐藤正志編『現代の政治思想』(東海大学出版会, 1993年)
  • 「国家体制史」奥島孝康・中村紘一編『フランスの政治』(早稲田大学出版部, 1993年)
  • 「政治の変容」奥島孝康・中村紘一編『フランスの政治』(早稲田大学出版部, 1993年)
  • 「国家理性の終焉――政治的人間を越えて」藤原保信飯島昇藏編『西洋政治思想史2』(新評論,1996年)
  • 「歴史・文明と外交」渡辺昭夫編『現代日本の国際政策』(有斐閣,1997年)
  • 「アジア的価値の行方――デモクラシーをめぐるアジアと西洋の対話」天児慧編『アジアの21世紀』(紀伊國屋書店, 1998年)
  • 「機構改革と民主化に向けて」村田良平編『EU――21世紀の政治課題』(勁草書房, 1999年)
  • 「ネイション」佐藤正志・添谷育志編『政治概念のコンテクト』(早稲田大学出版部, 1999年)
  • "In Defense of Asian Colors," in The Mansfield Center for Pacific Affairs, The Rule of Law: Perspectives from the Pacific Rim, (2000)
  • 「Y・タミール『リベラル・ナショナリズム』」大澤真幸編『ナショナリズム論の名著50』(平凡社、2002年)
  • D・ミラー『ナショナリティについて』」大澤真幸編『ナショナリズム論の名著50』(平凡社、2002年)
  • 「PKO協力のフランス的特性」『PKO派遣の戦略的意義に関する対国内的説明』(平和・安全保障研究所, 2003年)
  • 「ディスコースとしての日米同盟――日本における安全保障とナショナルプライドの相克」山本吉宣武田興欣編『アメリカ政治外交のアナトミー』(国際書院, 2006年)
  • 「カント・モーメント――ヨーロッパの平和実践における人間意思と理念の役割」大芝亮山内進編『衝突と和解のヨーロッパ――ユーロ・グローバリズムの挑戦』(ミネルヴァ書房, 2007年)
  • 「民主主義と武力行使――冷戦終焉後の展開とイラク戦争による『転回』」日本政治学会編『年報政治学2007-Ⅰ戦争と政治学』(木鐸社, 2007年)
  • “The function and dysfunction of identity in an institutionalizing process: The case of Northeast Asia,”in Martina Timmermann et als.(eds), Institutionalizing Northeast Asia: Regional Steps towards Global Governance, The UNU Press, (2008)
  • 「啓蒙の利害アプローチとヨーロッパの平和建設――サン・ピエールの『永久平和論』」千葉眞編『平和の政治思想』(おうふう、2009年)
  • 「国際社会における政治的責任」斉藤純一編『人権の実現』(講座[人権論の再定位]4、法律文化社、2010年)
  • 「断片化するアカウンタビリティ――日本におけるグローバル化と政治的責任概念の変化」眞柄秀子編『デモクラシーとアカウンタビリティ』(風行社、2010年)
  • 「グローバル・イシューズに対する倫理的アプローチ――行動する主体とその責任」日本平和学会編『平和研究』36号(早稲田大学出版部、2011年)
  • 「トランスナショナル・デモクラシーはデモクラティックか――脱領域的政治における市民的忠誠の行方」日本政治学会編『年報政治学2011-Ⅰ政治における忠誠と倫理の理念化』(木鐸社、2011年)


外部リンク