広島電鉄600形電車 (2代)

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ファイル:19990122広島電鉄600型.jpg
現在は廃車されている601号

広島電鉄600形電車(ひろしまでんてつ600かたでんしゃ)は、1976年西鉄北九州線から移籍、在籍中の広島電鉄路面電車車両である。西鉄時代は、西鉄500形電車 (軌道)#北九州線500形を、初代600形については広島電鉄600形電車 (初代)を参照の事。

概要

1976年西鉄福岡市内線路線縮小に伴うワンマンカーの移籍、また車長が長い関係でワンマンカーへの改造対象から外れていた500形のうち、3両が広電に移籍された。本形式が導入された事情として、1975年千田車庫の火災で廃車になった車両が発生し、その不足分を補う目的、ワンマンカー化の推進の目的で導入された[1]

移籍の際の改造点は、西鉄時代の折戸両端扉を引戸前中扉に変更した上でワンマンカー化。細部は正面中央窓の固定、ライト取替えなど行われている。改造内容は他の形式と比較して相当多い。塗装は西鉄北九州線色と一般には言われているが、入線時はむしろ旧大阪市電色に近いような色で、明らかに西鉄色とは異なっていた。

1983年に603号が事故に巻き込まれ、同年の10月に廃車。それ以外の車両は1984年4月に三菱電機の直流交流変換駆動方式(三菱MDA方式)CU77A集中型(21,000kcal/h×1)による冷房改造、方向幕の大型・電動化、台車を入線時に着けていたK-10型を大阪市電型に交換が行われた。

その後も運用されたが、601は不具合が多く乗務員から不評で、2001年に廃車。現在は602のみが朝のラッシュ時に活躍しているが稼働率が極めて低い。一説には車体前後が絞られているため、他形式に比べ後方監視に支障があるといわれている。旧型各形式の淘汰が進む中、残る1両についても動向が注目されている。

各車状況

広電時代車番 西鉄時代車番 西鉄での竣工 広電での竣工 冷房改造 所属車庫 備考
601 501 1948年10月 1977年2月15日 1984年4月24日 2001年2月24日廃車
602 502 1948年10月 1977年2月15日 1984年4月24日 江波車庫所属
603 504 1948年10月 1977年2月15日 未実施 1983年10月31日廃車 事故で廃車

参考文献

  • 寺田裕一『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉 ISBN 4-533-04718-1
  • 長船友則『広電が走る街今昔』、JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉 ISBN 4-533-05986-4
  • 飯島巌『私鉄の車両3 広島電鉄』、保育社 ISBN 4-586-53203-3
  • 大阪産業大学鉄道研究部『いこま 16 広島電鉄』非売品
  • 『広島の路面電車65年』(毎日新聞ニュースサービス社・広島電鉄)

脚注

  1. 『私鉄の車両3 広島電鉄』P.40,41

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