大阪刑務所

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大阪刑務所(おおさかけいむしょ)は、法務省矯正局大阪矯正管区に属する刑務所府中刑務所に次ぐ収容能力を持ち、西日本では最大規模の刑務所である。通称「大刑(だいけい)」。下部機関として堺拘置支所岸和田拘置支所を持ち、2007年度からは和歌山刑務所所管の丸の内拘置支所、田辺拘置支所、新宮拘置支所を併せて所管するようになった。

概要

所在地は、大阪府堺市堺区田出井町6-1。収容分類級はB(再犯者)、F(外国人)、LB(無期刑を含む長期収容再犯者)。 定員は、2,445名。収容定員は2,704人[1]

  • 起床 6時40分 休日 7時10分 就寝 9時
  • 作業 月曜日~金曜日、各日8時間、所内の工場等で作業(第二、第四金曜は矯正教育)
  • 運動 毎日1回30分
  • 入浴 夏季(7月~9月)週3回(ただし平日は1分のシャワーあり)、それ以外の時期は週2回

不祥事と犯罪

  • 昭和40年代には、ここで印刷されていた大阪大学大阪市立大学の入試問題が受刑者と出所者、刑務官の共謀で盗み出され、医学部受験生らに売られた。
  • 同刑務所の44歳の副看守長(当時)らが、受刑者の暴力団組員らに対し、同刑務所の他の職員らの住所などの個人情報を教えたなどとして、2009年1月16日に、国家公務員法違反(守秘義務違反)容疑で逮捕された[2]
  • 2010年8月まで同刑務所に服役していた男性は、2006年から2010年まで計76回に亘り、の腫れや出血の症状が出たため、医師による診療を求めたが、同刑務所は数回しか対応せず、内容もオキシドールで耳を拭くなどという程度のものであった。男性は仮釈放後に医師の診察を受けたところ、右耳の鼓膜が損傷していた上、中耳炎難聴も患っていたことが判明したため、大阪弁護士会に調査を依頼。同弁護士会は、同刑務所の対応が人権侵害であると認定し、2012年6月4日に同刑務所に対し警告書を送付した[5]
  • 2011年3月までに、同刑務所堺拘置支所で、インフルエンザ対策として所内の食堂などに置かれていた消毒液を、受刑者が持ち帰ってジュースなどと混ぜ、事実上を作って飲んでいたことが発覚した[6]
  • 2012年2月13日から15日にかけて、男性看守部長が、集団行動の訓練中に50歳代の男性受刑者に対し、頭などを殴ったり蹴ったりするなどの暴行を加えていたとして、大阪地検堺支部に書類送検された[7]

組織

所長の下に4部2室を置く6部制の施設である。

  • 総務部(庶務・会計・用度)
  • 処遇部(処遇・作業)
  • 教育部(教育・厚生)
  • 医務部(医療・保健)
  • 分類審議室(考査・審査・保護)
  • 国際対策室

上記と別に総務部に調査官1名を置く。堺・岸和田・丸の内・田辺・新宮の各拘置支所は所長の直属。

外観・設備

  • 敷地面積  186,433m²
  • 施設敷地面積 155,677m²
  • 宿舎敷地面積 30,756m² 

平成8年3月、施設全体改修工事終了(現行の新庁舎)。

脚注

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外部リンク 

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  1. 大阪刑務所パンフレットより。2006年11月2日見学。
  2. 大阪刑務所刑務官らを逮捕 受刑者に幹部住所教える 産経新聞 2009年1月16日
  3. 大阪刑務所刑務官が手錠の鍵紛失 産経新聞 2009年3月17日
  4. 人権侵害:肥満受刑者にかゆ「ダメ」--大阪弁護士会 毎日新聞 2009年12月15日
  5. 大阪弁護士会:「受刑者に適切な医療を」刑務所へ警告書 毎日新聞 2012年6月5日
  6. 消毒アルコールでカクテル ジュース混ぜ受刑者飲酒 堺 産経新聞 2011年3月6日
  7. 受刑者を暴行した疑い、看守部長を書類送検 大阪刑務所 朝日新聞 2012年3月31日