国際サッカー連盟

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テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox 組織 テンプレート:ウィキポータルリンク 国際サッカー連盟(こくさいサッカーれんめい、テンプレート:Lang-fr-short)とは、サッカー(アソシエーション式フットボール)の国際統括団体。略称FIFA(テンプレート:IPA-fr フィファ、テンプレート:IPA-en フィーファ)。本部はスイスチューリッヒにおかれている。

競技団体としては世界最大であり、FIFAワールドカップの主催がもっとも大きな任務となっている。

概要

ファイル:World Map FIFA2.svg
FIFA加盟国を色であらわしている。

FIFAの傘下には、以下の6つの大陸連盟がある。

各国のサッカー協会は、これらの大陸連盟を通じてFIFAに加盟している。

UEFAに所属するイギリスの本土4協会(イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの各協会)は、FIFAより早く発足していたことから特権的な地位が与えられている。例えば、FIFA副会長(定数7)の1席が、この4協会のいずれかに保証されており、本土4協会の全てが役員選で落ちる事はあり得ない。また、サッカーのルールや重要事項に関しては、FIFAとこのイギリス本土4協会で構成する国際サッカー評議会が決定することになっている。

歴史

1904年5月21日にオランダスイススウェーデンスペインドイツデンマークフランスベルギーの8ヶ国で創立。初代会長は、ロベール・ゲラン(仏)。欧州以外では南アフリカが1909年に加盟したのが最初である。その後は加盟国を増やし、2012年5月25日のFIFA総会で南スーダンサッカー協会(SSFA)が認可され、現在、世界で209協会が加盟している[1]主権を持った独立国だけでなく、地域ごとの加盟(例えば中国特別行政区である香港や、イギリスを構成するイングランド北アイルランドスコットランドウェールズはそれぞれ別々にFIFAに加盟している)が認められるため、国際連合加盟193か国[2]を上回る。日本サッカー協会1929年に加盟。

FIFAは当初は1国1代表を原則としていたが、次のような経緯で地域の協会も認可するようになった。FIFA創設の翌年1905年にイングランドが参加するまでは、近代サッカー(現代のサッカー)の母国としての優位性を主張したイギリスはFIFAに参加しなかった。近代サッカーは1863年のイングランドサッカー協会(FA)とロンドンの12クラブによる統一ルール作成により誕生し、イギリス各地に広がり世界中に広がった。更に1882年にイギリス本土4協会は国際大会を開くために統一ルールを作る団体、国際サッカー評議会を組織した。翌年1883年からイギリス本土4協会が参加するブリティッシュ・ホーム・チャンピオンシップ(当初はホーム・インターナショナル・チャンピオンシップ(ホーム国際選手権))と呼ばれる世界初のサッカー単独の国際大会を毎年開催することになった。このようにイギリス本土4協会はFIFA設立以前からそれぞれが独自に活動していた。元々、サッカー単独の世界選手権(後のFIFAワールドカップ)を開催することが目的の一つだったFIFAは、近代サッカーの母国であり、サッカーの国際ルールを制定し、自他共に認める近代サッカー初期の最強の国であるイギリスをFIFAに加盟させる為に、イギリス本土4協会それぞれを承認した。

以降、FIFAは一定の自治が行われている地域の協会も認可している。イギリスは本土4協会の他に海外領土のモントセラトイギリス領ヴァージン諸島ケイマン諸島タークス・カイコス諸島バミューダ諸島アンギラデンマークは海外領土のフェロー諸島オランダは海外領土のキュラソー島アルバイスラエル国内のパレスチナ自治区中国香港澳門アメリカ合衆国は海外領土のグアムアメリカ領サモアプエルトリコアメリカ領ヴァージン諸島など、このようにFIFAから認可されている地域の協会はイギリスだけではない。また中華民国台湾)は、チャイニーズ・タイペイ(中華台北)サッカー協会として加盟している。

FIFAランキング

男子の場合、FIFAは毎月、各国の男子のAナショナルチーム(年齢制限のない最強の代表)のランキングであるFIFAランキングを発表している。これまでに二度の制度改正を経ており、主観的要素を完全に排した国際Aマッチ(Aナショナルチーム(A代表)同士の公式国際試合)の結果のみに基づいて編まれるランキングとしてはかなり公平なものになっている。外国人選手も所属できるクラブとは異なり、ナショナルチーム(代表)は同じ国籍の選手のみのチームであるため、FIFAランキングはその国のサッカーの強さを示す『目安』となっている。

FIFAワールドカップの各地域予選においては、実力差が極めて大きい対戦を避けるため予備予選を行うことがあり、その振り分けに使われたり(例えば、2006 FIFAワールドカップ・アジア予選ではFIFAランキングのアジア上位25チームが1次予選免除)、AFCアジアカップ等の各地域連盟主催の各大陸別選手権の予選組み分け及び本大会のグループリーグの組み合わせ(ランキングが高いチームがシード等)に使われたりしている。

また、FIFAワールドカップ本大会においても、グループリーグのシード国決定に用いられる。2006年ドイツ大会までは過去から現在までのFIFAランキングと過去のワールドカップ本大会の成績を元に計算してシード国を決めていた(ドイツ大会では過去3年間のFIFAランキングとワールドカップ本大会過去2大会の成績を元に計算[3])が、2010年南アフリカ大会ではグループリーグ抽選会前のFIFAランキング(2009年10月のFIFAランキング)のみでシード国を決定した。

このように、年々、FIFAランキングの重要性は増してきている。

女子の場合、男子と同様にFIFA女子ランキングがあり、こちらも各国の女子のA代表チーム(年齢制限のない最強の代表)のランキングであり、女子の国際Aマッチの結果のみで計算される。但し、公表は年4回であり、FIFAが初めて公認した女子代表の国際試合(フランス女子代表対オランダ女子代表:1971年4 月17日)以降の全試合を集計の対象とする(男子は直近4年間のみを対象)など男子と異なる点がある。

FIFAの主催する主な大会

2006年に、「FIFAコンフェデレーションズカップ」を除く世界大会の名称が「FIFAワールドカップ」に統一された。

男子ナショナルチーム

女子ナショナルチーム

クラブチーム

その他

クリーンスタジアム

FIFA主催大会の期間中は、FIFA管理エリア(スタジアム及び大会関連施設)内において公式パートナー・サプライヤー以外の企業名は全て排除される事となっている。そのため使用されるすべての会場は大会期間中のみ通常の広告看板は全て目隠しされ、FIFA管理エリア内は公式パートナーの広告のみに制限される。この状態を「クリーンスタジアム」という。

またこのルールはネーミング・ライツを採用しているスタジアム名にも適用され、同じく一時的な名称変更(施設の正式名称などで表示)が行われる。なお、夏季オリンピックでは大会ロゴをあしらった横断幕のみが観客席最前列(陸上競技場併用の場合はトラック付近にも)に掲げられており、FIFAパートナー・IOC公式スポンサーであっても広告は一切掲示できない。

FIFAによる表彰

歴代会長一覧

FIFAパートナー

FIFAマスター(FIFA大学院)

2000年に開設された「スポーツに関する組織論、歴史・哲学、法律についての国際修士」のことで、スイスにあるスポーツ教育機関CIES(The International Centre for Sports Studies スポーツ研究国際センター)と提携してFIFAが運営しているスポーツ学に関する大学院のコースである。10カ月の間にイギリス(以下英と略)・イタリア(以下伊)・スイスにある3つの大学を回って学習し、幅広くスポーツ界で活躍する人材を養成することを目的として設立された[4]

入学するには、最初に高校卒業証明書、大学の卒業・成績証明書、英語力証明書(TOEFL(minimum 600 PBT / 250 CBT / 100 IBT points)かCambridge Certificate of ProficiencyかIELTS(minimum level 7 in the « Academic Test »)のどれか1つ)、GMAT、スポーツや志望動機などの5つの質問の回答(ショートエッセイ)を英語で300字程度等の必要書類を1月22日頃までに提出する。書類審査で通過した合格者がさらに電話面接等で絞りこまれ、4月中旬に最終合格者(定員25名程度。世界各国から集まるように配慮される)が決まる。最終合格者が授業料25,000スイス・フラン(約221万円)を全額支払えば、入学手続き完了となる。毎年、9月に開講する。9~12月にHumanities of Sports(スポーツの人文科学)を英レスタード・モンフォル大学で学び、翌年1~3月にManagement(経営学)を伊ミラノボッコーニ大学で学び、4~7月にSport Law(スポーツの法律)をスイスのヌーシャテルヌーシャテル大学で学び、7月中旬に卒業という流れである。さらに、7月下旬に「ファイナルプロジェクト」というグループ(1グループ3~5名)で取り組む卒論発表(プレゼンテーション)があり、1グループ30分で行われ、FIFA、国際オリンピック委員会(IOC)欧州サッカー連盟(UEFA)欧州クラブ協会(ECA)、大学教授等の参加者から質問を受け、その後の会議で論文の内容とプレゼンテーションの出来を踏まえて成績評価される[5]。単なる卒論発表に留まらず、その卒論がきっかけで、色々な活動が実現している。FIFAに企業の社会的責任(CSR)部門が出来たり、イスラエルパレスチナの子どもたちのサッカーキャンプ交流が実現したりなどしている。

2011年7月21日に行われた日本人を含む5ヶ国のグループの卒論発表がきっかけで[5]、2012年3月22日、FIFAが国際Aマッチデーの代表選手の負傷選手、クラブ、加盟協会に対する補償金を支払う(国際Aマッチデー出場代表選手保険導入)意向を示し[6]、同年5月25日のFIFA総会で同年9月以降の国際Aマッチデーの代表選手保険導入を決めたり[7]、2012年3月22日にUEFAが代表選手保険システム導入(選手の国籍関係なしの欧州全クラブの所属選手の代表戦での負傷保険)を発表するなどしている[8]

卒業生はFIFAやUEFA、IOC、アジアサッカー連盟(AFC)、各国サッカー協会、スポーツ仲裁裁判所(CAS)などのスポーツ機関、スポーツテレビ局、スポーツマーケティング会社、各国サッカーリーグ及びサッカークラブなどで活躍している[9]

また、卒業生の多くがスイスのローザンヌにある20の国際スポーツ連盟や団体、スポーツ関連会社十数社が集まり、世界中のスポーツのルールを決定している国際スポーツハウス(Maison du Sport International。略称MSI)[10]で働いている[11]。また、卒業生はFIFAマスター同窓会協会(FIFA Master Alumni Association。略称FMA)を通じて、世界中に構築されたFIFAマスターのネットワークをビジネスに活用することができる。

FMAはその名の通り、2年に1度、国際的なスポーツの大会に合わせてその国及び都市でFIFAマスター同窓会を開催しており(前回は南アフリカW杯で開催)、2012年はロンドン五輪に合わせロンドンで開催された[12][13]

2013年7月19日、2012-2013年第13期生修了式が行われ、宮本恒靖を含め24か国の生徒が卒業した[14]。日本人は2013年7月19日時点で、通算9名ほどがFIFAマスターを卒業している。元プロサッカー選手の卒業生は2名で、日本人元プロサッカー選手としては宮本恒靖が初めてである[15]

脚注

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注釈

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出典

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関連項目

外部リンク

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公式
FIFA規則及び国際Aマッチデー公式カレンダー
競技規則
FIFAマスター(FIFA大学院)

テンプレート:Navbox テンプレート:国際サッカー (女子) テンプレート:国際クラブサッカー テンプレート:国際クラブサッカー (女子) テンプレート:国際フットサル テンプレート:世界のサッカー国際大会

テンプレート:国際競技連盟
  1. FIFAが女性理事加える定款改正日刊スポーツ 2012年5月25日)
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:PDFlink
  4. 宮本が引退会見、今後は「FIFAマスター」受講(Goal.com日本語版 2011年12月19日)
  5. 5.0 5.1 卒論発表会 - Final Project Presentation -FIFA Masterへの道~Road to FIFA Master ~(2011年7月21日)
  6. FIFAが代表活動に補償金(日刊スポーツ 2012年3月22日)
  7. FIFA総会 代表選手保険など支出含む予算案を承認スポーツニッポン 2012年5月25日)
  8. UEFA、代表選手保険システム導入へ
  9. 卒業後 -FIFA Masterへの道~Road to FIFA Master ~2012年1月15日
  10. The House of International Sport(MSI)公式HP
  11. 国際オリンピック委員会が設立した大学院? AISTS -FIFA Masterへの道~Road to FIFA Master ~2012年2月20日
  12. FMA - FIFA Master Alumni Association-FIFA公式HP
  13. 同窓会@ロンドン -FIFA Masterへの道~Road to FIFA Master ~2012年4月21日
  14. Jones: FIFA Master graduates fundamental for success-FIFA公式HP2013年7月19日
  15. 価値観、覆されるか サッカーを外から学ぶ-from FIFAマスター(宮本恒靖コラム)-日経新聞2012年9月10日


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