北勢多郡

群馬県北勢多郡の範囲

北勢多郡（きたせたぐん）は群馬県にかつて存在した郡である。近世の勢多郡のうち赤城山北麓の地域が分割されたもので、後に北接する利根郡に統合されたことから、事実上、勢多郡・利根郡の境界変更の役割を担う形となった。

郡域

1878年（明治11年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。

知行		村数	村名
幕府領	幕府領	9村	森下村、栃久保村、根利村、生越村、石戸新田、砂川村、青木村、日影南郷村、下水良村
藩領	上野前橋藩	3村	長者ヶ窪村^[1]、多那村、輪組村
幕府領・藩領	幕府領・前橋藩	2村	糸井村、川額村
幕府領・藩領	旗本領・前橋藩	1村	貝野瀬村

1868年（慶応4年）6月17日 - 新政府が岩鼻陣屋に岩鼻県を設置。幕府領・旗本領を管轄。
明治初年 - 前橋藩の領地替えにより、幕府領の一部（糸井村、生越村、川額村、石戸新田、砂川村、青木村、日影南郷村、下水良村）が前橋藩の管轄となる。
1871年（明治4年）
- 7月14日 - 廃藩置県により藩領が前橋県となる。
- 10月28日 - 第1次府県統合により、全域が群馬県（第1次）の管轄となる。
1873年（明治6年）6月15日 - 群馬県（第1次）が入間県と合併して熊谷県となる。
1875年（明治8年） - 長者ヶ窪村が糸井村に編入。（14村）
1876年（明治9年）8月21日 - 第2次府県統合により、熊谷県が武蔵国の管轄地域を埼玉県に合併して群馬県（第2次）に改称。当郡域は群馬県の管轄となる。
1877年（明治10年） - 下水良村が日影南郷村に編入。（13村）

1878年（明治11年）7月22日 - 郡区町村編制法の施行により、勢多郡のうち13村の区域をもって、行政区画としての北勢多郡を設置。利根郡沼田町に「利根北勢多郡役所」が設置され、利根郡とともに管轄。

21.久呂保村 22.糸之瀬村 23.赤城根村（紫：沼田市赤：昭和村 1 - 13は利根郡＋は吾妻郡久賀村）

1889年（明治22年）4月1日 - 町村制の施行により、以下の村が発足。（3村）
- 久呂保村 ← 森下村、川額村、栃久保村（現昭和村）
- 糸之瀬村 ← 糸井村、貝野瀬村（現昭和村）
- 赤城根村 ← 日影南郷村、青木村、砂川村、輪組村、多那村、石戸新田、根利村、生越村および利根郡小松村、柿平村、日向南郷村（現沼田市）
1896年（明治29年）4月1日 - 郡制の施行のため、利根郡・北勢多郡および吾妻郡の一部（久賀村）の区域をもって、改めて利根郡を設置。同日北勢多郡廃止。