入間基地

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入間基地(いるまきち、JASDF Iruma Airbase)は、埼玉県狭山市入間市域にまたがる航空自衛隊の基地。正式な住所は埼玉県狭山市稲荷山2-3。

概要

航空自衛隊における3個航空方面隊のひとつであり、南東北関東中部近畿地域の防空を担当する中部航空方面隊司令部が置かれている主要基地であり、人員のみならず面積においても最大の規模を誇る。基地司令中部航空警戒管制団司令が兼務。

飛行隊航空救難団飛行点検隊ペトリオット防空システムを備えた第1高射群等、様々な部隊が配備されているが、住宅地からなる地元と協定を結んでいることから戦闘機の運用はしておらず、輸送機等が主体である。

基地誘導路の東南端近くに埼玉県警察ヘリポートハンガーがあり、それらの施設で県警航空隊がヘリコプターを運用している([[[:テンプレート:座標URL]]35_50_07_N_139_24_38_E_ 位置])。

狭山市役所と県警狭山警察署に隣接し、司令部等を含む敷地の大部分である9割が狭山市域にある[1](1割は入間市域)。

航空管制

種類 周波数
GND 275.8MHz
TWR 122.05MHz,126.2MHz,236.8MHz,322.2MHz
GCA 125.30MHz,225.40MHz
YOKOTA APP 118.3MHz,270.6MHz
YOKOTA DEP 122.1MHz,363.8MHz
RESCUE 123.1xMHz,138.05MHz,247.0xMHz
GND,TWR,RESCUEは、空自入間基地航空保安管制群が担当。
APP,DEPは、横田基地が担当。
小文字のxは、周波数が変動することを示す。

航空保安無線施設

局名 種類 周波数 識別信号
入間 TACAN 1004MHz YLT
保守は、空自入間基地航空保安管制群が担当。

配置部隊

中部航空方面隊隷下

航空総隊直轄

  • 航空救難団司令部
    • 入間ヘリコプター空輸隊
  • 航空総隊司令部飛行隊
    • 電子戦支援隊
    • 電子飛行測定隊

航空支援集団隷下

航空開発実験集団隷下

  • 航空医学実験隊

防衛大臣直轄部隊等

航空自衛隊補給本部隷下

主な所属機

ファイル:YS-11 FC 2006-1.jpg
入間航空祭でのYS-11 FC (2006年)

航空自衛隊

  • YS-11:航空総隊司令部飛行隊(EA, EB)、飛行点検隊(FC)
  • T-4:航空総隊司令部飛行隊
  • C-1:第2輸送航空隊、航空総隊司令部飛行隊(EC-1)
  • U-4:第2輸送航空隊、航空総隊司令部飛行隊
  • U-125:飛行点検隊
  • CH-47:入間ヘリコプター空輸隊

埼玉県警察

主なその他装備

基地データ

歴史

  • 1938年(昭和13年)5月 - 陸軍航空士官学校分校(独立前は陸軍士官学校の分校)が、入間郡所沢町(現所沢市)の所沢陸軍飛行場から入間郡豊岡町(現入間市)に移転。航空神社(修武台航空神社)を遷座。
  • 1940年(昭和15年)1月7日 - 豊岡陸軍飛行場完成。
  • 1941年(昭和16年)3月 - 行幸昭和天皇より、航士に対して「修武台」の名が与えられる。
  • 1945年(昭和20年)9月 - 太平洋戦争大東亜戦争敗戦により、アメリカ陸軍航空軍第5空軍が同地に進駐、航士・飛行場等を接収。
    • 10月 - 航士閉校。
  • 1946年(昭和21年) - ジョンソン基地と命名[2][3]。航空神社は所沢市北野の北野天神社境内へ移設(1965年11月廃社)。
  • 1952年(昭和27年)3月1日 - アメリカ空軍第41航空師団司令部編成。
  • 1954年(昭和29年)7月 - 航空自衛隊発足。
    • 10月 - 東部訓練航空警戒隊編成[2] (中部航空警戒管制群の前身)。
  • 1958年(昭和33年) 8月 - 中部航空方面隊司令部・中部航空警戒管制群編成により、入間基地開設[2]
  • 1960年(昭和35年) - 浜松南基地から航空救難隊本部が移動してくる。
  • 1961年(昭和36年) - 日米共同使用協定を締結[2]
  • 1962年(昭和37年)6月28日 - 第41航空師団司令部、横田飛行場に移転。
  • 1962年(昭和37年) - 第7航空団、偵察航空隊が松島基地から移動。入間救難分遣隊が新設された。
  • 1963年(昭和38年) - 飛行場地区の管理運用が米軍から航空自衛隊に変更[2]
  • 1964年(昭和39年) - 入間救難分遣隊が入間救難隊に改編される。
  • 1967年(昭和42年) - 第7航空団、百里基地へ移動。
  • 1968年(昭和43年) - 木更津から輸送航空団が移動。入間救難隊が救難任務を解かれ廃止された。
  • 1971年(昭和46年) - 航空救難隊本部が航空救難団に改編される。
  • 1973年(昭和48年) - 入間航空隊にC-1輸送機が配備される。
  • 1974年(昭和49年) - 偵察航空隊、百里基地へ移動。
  • 1978年(昭和53年) - 輸送航空団を第2輸送航空隊に改編。基地が米軍から全面返還される[2]
  • 1981年(昭和56年) - F-86ブルーインパルス最後の展示飛行が行われる[4]
  • 1986年(昭和61年) - 帝国陸軍航空部隊および空自の歴史資料館として、旧航士の本部校舎を利用した「修武台記念館」を開館。
  • 1987年(昭和62年) - 入間基地の一部が日米地位協定第2条第4項(b)の適用施設・区域(一時共同使用)として在日米軍に提供される(横田飛行場の一部として追加提供)[5]
  • 1988年(昭和63年) - 入間ヘリコプター空輸隊が新編。「修武台記念館」開館を契機に、旧航士時代の航空神社が奉還再興される。
  • 1997年平成9年) - 多用途支援機U-4が第2輸送航空隊に配備される。
  • 1999年(平成11年)11月22日 - T-33練習機が民家を避けて入間川河川敷に墜落し、その際送電線を切断したために埼玉県南部及び東京都西部を中心とする約80万世帯が停電、並びに信号機および鉄道が停止する。
  • 2000年(平成12年) - 倉庫建物より火災を起こし、付近を通る西武池袋線が運休する等の影響を与えた。
  • 2005年(平成17年) - 建物老朽化・リニューアルのため「修武台記念館」を閉館(のち「航空歴史資料館 修武台記念館」)[6])。
  • 2007年(平成19年)3月30日 - 第4高射隊に地対空誘導弾ペトリオットの最新型(PAC-3)が配備された(空自の高射隊の中で最初)。
  • 2008年(平成20年) - 50周年[7]
  • 2011年(平成23年) - 東北地方太平洋沖地震の発生に伴い航空救難団などは人命救助や物資輸送及び被害復旧等並びに福島原発における消火活動及び給水支援等を実施[8]。このため、4月23日に予定していたランウェイウォークは中止された[9]
  • 2012年(平成24年)3月1日 - 空自隊員に対する航空歴史教育を行う場として、 2005年に閉館した「修武台記念館」を「航空歴史資料館 修武台記念館」にリニューアル[6]
  • 2013年(平成25年) - 航空保安管制群本部及び電子開発実験群が府中基地へ移転。
  • 2014年(平成26年)3月25日 - プログラム管理隊が廃止。翌26日、横田基地所在の防空指揮群と統合する形で作戦システム運用隊が編成完結。
ファイル:Runway Iruma Airbase 2007-1.jpg
入間基地 2,000m滑走路 (2007年)

イベント

ファイル:IrumaAB T4Blue.jpg
入間航空祭でのブルーインパルス飛行展示
  • 毎年7月末頃、納涼祭が行われ、花火大会や盆踊り大会が行われる。
  • 毎年11月3日に航空祭が開催され、基地敷地内が一般に開放される。首都圏から最もアクセスが良い基地のため、毎年多くの来場者で会場が賑わっている。戦闘機や輸送機などの地上展示や、輸送機からの落下傘、ブルーインパルスによる展示飛行などのイベントが行われる[4]
  • 毎年4月または5月にランウェイウォークが開催される。普段は立ち入ることのできない滑走路を歩くイベントで、航空機の地上展示なども行われる。航空祭とは違い抽選による参加となっている。


  1. テンプレート:Cite web
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 テンプレート:Cite web
  3. 米軍に接収された全国各地の航空基地は地名を元に命名されたが、当基地の名前は太平洋戦争中22機を撃墜し「ジャングル・エース」の異名をとり第49戦闘航空郡の指揮官として、25歳で最年少の大佐となったジェラルド・R・ジョンソン大佐に因む。第5空軍司令部の部員であったジョンソン大佐は1945年10月7日、沖縄出張の為B-25搭乗中、東京湾上空で悪天候のため事故・殉職した。
  4. 4.0 4.1 テンプレート:Cite web
  5. 昭和62年防衛施設庁告示第10号
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite web
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web

参考文献

  • 陸軍航空士官学校史刊行会編『陸軍航空士官学校』1996年

関連項目

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外部リンク

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