伊号第一九潜水艦

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テンプレート:Infobox navyship 伊号第一九潜水艦(いごうだいじゅうきゅうせんすいかん)は、日本海軍伊一五型潜水艦の3号艦。

艦歴

1938年3月15日三菱重工神戸造船所で起工され、1939年9月16日に進水し、1941年4月28日に竣工した。その後太平洋戦争中のアメリカ西海岸沿岸における通商破壊作戦に参加した。

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魚雷が命中したオブライエンと左遠方で炎上する空母ワスプ

1942年9月15日、伊号第一九潜水艦(艦長木梨鷹一中佐)はソロモン諸島サンクリストバル島南東で米空母ワスプを発見し11時45分、酸素魚雷6本を発射、このうち3本がワスプに命中しワスプは航空機用のガソリンに引火して爆発を起こし駆逐艦の魚雷で処分された。さらに残り3本の魚雷は偶然10km先を航行していた第17任務部隊に到達し戦艦ノースカロライナ駆逐艦オブライエンに各1本命中した。オブライエンは大破し、その損傷が元で10月19日に沈没した。また、ノースカロライナは修理に6ヶ月を要した。

他の戦果は、撃沈は米船フォスベ・A・ハースト(Phoebe A. Hearst、1943年4月30日スバ南東沖)、ウイリアム・K・バンダービルト(William K. Vanderbilt、1943年5月16日スバ南西沖)、撃破は米船アブサロカ(Absaroka、1941年12月24日カリフォルニア沖)、ウイリアム・ウイリアムズ(William Williams、1943年5月2日スバ近海)、M・A・デヤング(M.H. De Young、1943年8月13日)。また、1941年12月22日にはカリフォルニア沖で米タンカー H・M・ストレー (H.M. Storey) を砲撃しているが命中弾はない。

1943年11月19日ギルバート諸島方面に向かい、11月25日、マキン島近海で米駆逐艦「ラドフォード」の爆雷攻撃を受け戦没。1944年2月2日に亡失と認定され、4月30日に除籍となった。

歴代潜水艦長

艤装員長

艦長

  • 楢原省吾 中佐:1941年4月28日 -
  • 木梨鷹一 少佐:1942年7月15日 -
  • 小林茂男 少佐:1943年9月27日 - 11月25日戦死

フィクションへの登場

1979年の映画「1941」では、アメリカ本土砲撃を目論む日本海軍の潜水艦として伊号第一九潜水艦が登場し、艦長アキロー・ミタムラ中佐を三船敏郎が演じた。ただし、作中ではドイツから購入した潜水艦と説明されている。

脚注

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参考文献

  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
  • 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
  • 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1


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