亡き子をしのぶ歌

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テンプレート:Portal クラシック音楽亡き子をしのぶ歌』(なきこをしのぶうた、Kindertotenlieder)は、グスタフ・マーラーが作曲した声楽オーケストラのための連作歌曲である。『子供の死の歌』とも訳される。歌詞はフリードリヒ・リュッケルトの同名の詩による。原詩はリュッケルトの作った425篇から成る詩集であり、彼の子供のうち2人が16日のうちに相次いで死ぬという悲しい出来事のあった後、1833年から1834年までの間に書かれた。マーラーは425篇から5篇を選び、1901年から1904年にかけて作曲した。

  1. "Nun will die Sonn' so hell aufgeh'n." - 「いま晴れやかに陽が昇る」
  2. "Nun seh' ich wohl, warum so dunkle Flammen." - 「なぜそんなに暗い眼差しだったのか、今にしてよくわかる」
  3. "Wenn dein Mütterlein." - 「きみのお母さんが戸口から入ってくるとき」
  4. "Oft denk' ich, sie sind nur ausgegangen." - 「いつも思う。子供たちはちょっと出かけただけなのだと」
  5. "In diesem Wetter!" - 「こんな嵐のときに」

歌はマーラーの後期ロマン派的な作風によって書かれており、曲が表現する雰囲気と印象は、それらのタイトルによってよく示されている。終曲は長調で終わり超越した雰囲気がある。曲集の痛ましさは、彼がこの曲集を書いた4年後に、マーラーがまさに娘マリアを猩紅熱によって4歳で失ったという事実によって増大させられる。彼はグイド・アドラーに書いた手紙の中でこう語っている。「私は自身を、私の子供が死んだと想定して書いたのだ。もし私が本当に私の娘を失ったあとであったなら、私はこれらの歌を書けたはずがない」。

フリードリヒ・ワイデマンの独唱、作曲者自身の指揮により、1905年1月29日ウィーンで初演された。

楽曲構成

編成表
木管 金管
Fl. 2, ピッコロ Hr. 4 Timp. 1 Vn.1 ●(14型)
Ob. 2、コーラングレ Trp. グロッケンシュピール、小さなタムタム Vn.2
Cl. 2、バスクラリネット Trb. Va.
Fg. 2、コントラファゴット Vc.

<tr><td style="background:#9f6;">他</td><td></td><td style="background:#fcc;">Cb.</td><td>●</td></tr> <tr><td colspan="2">その他</td><td colspan="6">ハープチェレスタ</td></tr>

作曲者は作品の演奏について、「この5つの歌は1つの分割し得ないひとつの楽曲として意図されているので、演奏にあたっては、それらの連続性が妨げられないようにするべきである」と書いている。従がって他のマーラーの歌曲と違って順序どおり演奏するのが常識である。また男声よりも女声の方が演出法的に効果的である。

演奏時間は約25分である。

歌詞

第1曲「いま太陽が燦々と昇ろうとしている」

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第2曲「いま私はわかった。なぜそんな暗い炎を」

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第3曲「おまえたちのおかあさんが戸口から歩み入るとき」

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第4曲「よく私は子供らはただ散歩に出かけただけだと考える」

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第5曲「こんな嵐のような天候の中で」

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テンプレート:マーラーの歌曲