ワールドスーパージョッキーズシリーズ

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ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WORLD SUPER JOCKEY'S SERIES)とは1987年から開催されている中央競馬の国際騎手招待競走で、世界各地のリーディングジョッキーと日本から中央・地方競馬の代表騎手15人(2006年までは14人)が集結し4競走のポイント制で総合優勝を争う。「WSJS」という略称も用いられる。

また1999年のみ、障害競走における同趣旨のインターナショナルジャンプジョッキーズというレースが行われていた。

2008年からはジャパン・オータムインターナショナルに指定されている。

1987年から2009年までは阪神競馬場(ただし1990年は阪神競馬場の工事の関係で京都競馬場で代替開催)、2010年ジャパンカップ30周年記念事業として東京競馬場で開催された[1]。なお東京競馬場ではWSJSとは別枠で「インターナショナルジョッキーズ」競走が過去にジャパンカップの開催週に施行されたことがあったが、これはポイント制ではなく騎手交流の親善競走だった。

2012年以降、西暦の下一桁が偶数(0,2,4,6,8)年の時は東京(11月・ジャパンカップ開催週)で、奇数(1,3,5,7,9)年の時は阪神(12月・チャンピオンズカップ開催週)(2010年の事象とは違い、いずれも土日の2日間ずつ)で東西交互に実施される[2]

ワールドスーパージョッキーズシリーズは全レース特別競走(1,000万以下条件戦、1,600万以下条件戦)であり、重賞競走ではない。

大会のルール

以下の対象競走の合計得点で決める(得点は下の得点表を参照)。同ポイントで複数の騎手がトップで並んだ時には同点決勝等のプレーオフは開催せず同点優勝とする。

対象競走

東京開催(2010年から)
  • エクセレントジョッキーズトロフィー
  • ファンタスティックジョッキーズトロフィー
  • マーヴェラスジョッキーズトロフィー[3]
  • プロミネントジョッキーズトロフィー
阪神開催(2011年から)
  • ゴールデンサドルトロフィー(サドル=
  • ゴールデンブライドルトロフィー(ブライドル=頭絡
  • ゴールデンブーツトロフィー(ブーツ=長靴
  • ゴールデンホイップトロフィー(ホイップ=
2009年まで
  • ゴールデンサドルトロフィー(サドル=鞍)
  • ゴールデンスパートロフィー(スパー=拍車[4]
  • ゴールデンブーツトロフィー(ブーツ=長靴)
  • ゴールデンホイップトロフィー(ホイップ=鞭)

(各競走の距離・コース・施行順は開催年ごとに異なる)

開催規定

  • 出走馬に騎乗する騎手は開催週の水曜日に公開抽選を行って決定する。なお騎手間の公平を保つため、あらかじめ出走馬を能力順にAからDの4段階(2010年はAからCの3段階)に区分し騎手は各区分の出走馬に万遍なく騎乗する。
  • 仮に出走予定馬が15頭に満たない場合は、騎乗する騎手も抽選で決定する(抽選対象は補欠騎手を除く全参加騎手)。この抽選で漏れてしまった騎手は、後述のとおり当該競走で最低着順の騎手が獲得したのと同数のポイントが与えられる。
  • それぞれの競走につき、競走成績に応じて次のようなポイントを与える。下記表のポイントは2012年現在のものである。なお初期のポイントの付与方法は現在と異なっていた。
  • ポイントの付与は以下のような例外がある。
    • 出走頭数が揃わなかった場合(前述)や競走馬の事故・放馬等による競走中止・出走取消・競走除外など騎手の責任を問わないで出走馬が完走できなかった場合には、当該競走で最低着順の騎手が獲得したのと同数のポイントが与えられる。
    • 騎手本人の責任により騎乗できなかった(落馬負傷や騎乗停止など)、失格になった場合(進路妨害により落馬が発生した場合など)はポイントを与えない。
    • 同着だった場合は、各同着者に対し、着順に応じた点数が与えられる(仮に2頭が1着同着の場合は、騎乗した2人両方に20ポイントが与えられる)。
1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10-11着 12-15着 取消/除外/中止
/頭数不足
失格/不騎乗
20点 15点 13点 11点 10点 6点 5点 4点 3点 2点 1点 1点(原則[5] 0点
  • これを4競走(土曜日、日曜日それぞれ2競走ずつ、2010年は土曜日の3競走のみ)行い、総合ポイント成績の上位騎手に対し賞金が交付される。
    • 総合優勝騎手 - 300万円、および副賞として30万円相当[6]のトロフィー
    • 総合2位騎手 - 200万円
    • 総合3位騎手 - 100万円
  • 通常より高額な騎乗手当が設定されている(2013年時点で1レース50万円[6])。

選定方法

下記のそれぞれの選定方法により、合計15人の出場騎手が決定する。

  • テンプレート:Flagicon 日本 中央競馬(6人)
    • サマーシリーズにて行われるサマージョッキーズシリーズの優勝騎手(2007年より)
    • 10月末までの関東関西地区のリーディングジョッキー各1人
    • 特別枠としてリーディング以外で特に顕著な活躍(海外GIを制覇したり三冠馬に騎乗した等)を見せた騎手(該当なしの場合もある)
    • その他10月末までのリーディング以外の東西の第2位騎手
    • 上記で6人に満たない場合(辞退者が多くなった場合や特別枠が実施されないなど)は関西および関東の第3位騎手または第4位以下の騎手(それぞれ次点騎手は補欠枠(出場予定騎手が負傷や騎乗停止などを理由として騎乗出来ない場合の繰上げ出場要員)として登録される)[7]
  • テンプレート:Flagicon 日本 地方競馬を代表する騎手1人[8]

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歴代優勝者

回数 施行日 開催競馬場 優勝騎手 所属/国
第1回 1987年12月5日6日 阪神 キャッシュ・アスムッセン テンプレート:Flagicon アメリカ合衆国
第2回 1988年12月3日4日 柴田政人 JRA美浦
第3回 1989年12月2日・3日 松永幹夫 JRA(栗東
第4回 1990年12月1日・2日 京都 岡部幸雄 JRA(美浦)
第5回 1991年11月30日・12月1日 阪神 南井克巳 JRA(栗東)
第6回 1992年12月5日・6日 武豊 JRA(栗東)
第7回 1993年12月4日・5日 岡部幸雄 JRA(美浦)
第8回 1994年12月3日・4日 石崎隆之 NAR船橋
第9回 1995年12月2日・3日 横山典弘 JRA(美浦)
第10回 1996年11月30日・12月1日 ジェリー・ベイリー テンプレート:Flagicon アメリカ合衆国
第11回 1997年11月29日・30日 川原正一 NAR(笠松
第12回 1998年12月5日・6日 オリビエ・ペリエ テンプレート:Flagicon フランス
第13回 1999年12月4日・5日 柴田善臣 JRA(美浦)
第14回 2000年12月2日・3日 オリビエ・ペリエ テンプレート:Flagicon フランス
第15回 2001年12月1日・2日 鮫島克也 NAR(佐賀
第16回 2002年11月30日・12月1日 河内洋 JRA(栗東)
第17回 2003年12月6日・7日 柴田善臣 JRA(美浦)
第18回 2004年12月4日・5日 ダグラス・ホワイト テンプレート:Flagicon 香港香港JC
アンドレアス・スボリッチ テンプレート:Flagicon ドイツ
第19回 2005年12月3日・4日 岩田康誠 NAR(兵庫
第20回 2006年12月2日・3日 アンドレアス・スボリッチ テンプレート:Flagicon ドイツ
第21回 2007年12月1日・2日 クレイグ・ウィリアムズ テンプレート:Flagicon オーストラリア
第22回 2008年12月6日・7日 イオリッツ・メンディザバル テンプレート:Flagicon フランス
第23回 2009年12月5日・6日 横山典弘 JRA(美浦)
第24回 2010年11月27日 東京 ライアン・ムーア テンプレート:Flagicon イギリス
第25回 2011年12月3日・4日 阪神 ジョン・ムルタ テンプレート:IRE
第26回 2012年11月24日25日 東京 ザカリー・パートン テンプレート:Flagicon 香港(香港JC)
第27回 2013年11月30日・12月1日 阪神 リチャード・ヒューズ テンプレート:Flagicon イギリス
  • 2004年は1位同点で2名優勝。
  • この表にもある通り複数回の優勝騎手は出ているが、これまで連覇した騎手はいない。
  • 所属は当時。川原は2005年より兵庫に、岩田は2006年より中央競馬に移籍している。

その他

  • 1990年には女性騎手であるジュリー・クローンがこの競走に出場するため来日した。日本国籍以外の国籍を持つ人物としては中央競馬の競馬場で騎乗した初の女性騎手であった。
  • ゼッケンのスタンド側には馬名ではなく騎乗騎手名が表示される(反対側は馬名)。これはこのシリーズに関連する競走のみの特別仕様である。
  • 1987年の第1回は「国際騎手招待競走」が正式名称であった。現在の名称となったのは1988年の第2回からである。
  • 1987年から1992年まで2日目当日に重賞競走「鳴尾記念」(1987年 - 1990年、GII<現在はGIII>)、「阪神3歳牝馬ステークス(現・阪神ジュベナイルフィリーズ)」(1991年・1992年、GI)が施行されていたがこれらの重賞はは準メイン扱い(第10競走)で行われ、メイン扱いは当シリーズの最終戦が行われた。なお、1993年以降は開催日に重賞が組まれた場合は重賞の方をメインレースに組むこととなった。

参考文献・出典

  • 優駿 1988年1月号(第1回国際騎手招待競走記事)、1989年1月号(第2回ワールドスーパージョッキーズシリーズ記事)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:ワールドスーパージョッキーズシリーズ テンプレート:ジャパン・オータムインターナショナル

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  1. ただしこの年は代替開催ではなく事前に東京での正式な開催を予告していたものである。
  2. スポーツ報知 2011年11月21日
  3. 2012年から。
  4. 2010年から拍車の使用が原則として禁止された。
  5. 上記のとおり、当該競走で最低着順の騎手が獲得したのと同数のポイントとなるため、12頭立て以上ならば1点であるが、仮に10頭または11頭立てで行われた場合は2点となる。
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite web
  7. 一例を挙げると、2010年は関東2位の蛯名正義が関東2位枠ではなく牝馬三冠を理由とした特別枠での出場となったため、関東3位の内田博幸が繰り上がりで、その後関東1位の横山典弘が騎乗停止のため関東4位の松岡正海が繰り上がりでそれぞれ出場。
  8. ただし開催初年度の1987年は地方競馬からの招待騎手は辞退したため地方競馬騎手の初参戦は1988年の第2回からとなった。1987年は補欠枠に入ったJRAの河内洋がその穴埋めで出場。