ロミオの青い空

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世界名作劇場
通番 題名 放映期間
第20作 七つの海のティコ 1994年1月
~1994年12月
第21作 ロミオの青い空 1995年1月
~1995年12月
第22作 名犬ラッシー 1996年1月
~1996年8月

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ロミオの青い空』(ロミオのあおいそら)は、フジテレビ系列の『世界名作劇場』枠で放送されたテレビアニメ。放送期間は1995年1月15日から同年12月17日で全33話。平均視聴率10.4%。

概要

原作はドイツの作家、リザ・テツナーの『黒い兄弟』(Die schwarzen Brüder)。1990年代の世界名作劇場作品の中では比較的マイナーな原作であり、邦訳(酒寄進一訳)は1988年に福武書店から刊行されている。

少年売買や労働の苛酷さが描かれた原作とは全く違うストーリーとなっていて、少年たちの生きる様と友情が描かれている。特に、原作より遥かにロミオの親友アルフレドに焦点が置かれており、後半はアルフレドを中心にストーリーが展開する。

第2話「運命のはじまり・炎の中の家族」は阪神淡路大震災が起こった翌週の日曜日に放送された。ルイニの放火により山火事が起こり、ロミオの父が大怪我を負うという内容であったため、被災地域の心情に考慮し、放送を中止しようという意見が出ていた。しかし、この話を中止すれば、物語のテーマや構成、登場人物の性格にまで影響を及ぼすことになり、テレビシリーズとして成立させることが困難になると判断し、あえて放送に踏み切った。放送後、多くの人々から「不謹慎」という批判、叱咤の言葉が寄せられた。しかし、放送終了後には阪神大震災の被災者並びに同年3月に発生した地下鉄サリン事件の被災者・被害者から「よかったよ、夢をありがとう」等々の感想が多く寄せられた。[1]また、主人公ロミオの健気な生き様を見て『勇気が出た』等、いじめ等に遇っていたり自殺を考えた視聴者から演じた折笠愛宛てに感謝の手紙が寄せられたことがムック本で綴られている。

バレーボールワールドカップ、プロ野球などのために数週にわたり放送が無かったこともあり、全33話と少ない話数で終了した。(特に第28話「貴公子アルフレド」と第29話「永遠のアルフレド」の間は、一連のストーリーのクライマックス直前で1ヶ月以上も空くことになってしまった。その後第30話と第31話の間も一月以上開き、1995年の11月のフジテレビに至っては『キテレツ大百科』と共に一度も放送が無かった)さらに第31話、第32話は放送局側の都合で急遽挿入された単発エピソードであり、全31話の予定であった。

12月に放送された第31話-第33話の次回予告には「名犬ラッシー」の番組宣伝予告、第1話予告が挿入されていたが、レーザーディスク、DVD、再放送等では通常予告に差し換わっている。本来、10月で打ち切りだった為に通常予告も制作されておりソフト化の際は通常予告が使用されたと思われる(世界名作劇場は素材が現存している作品はすべてDVDに次回作の番組宣伝予告、第1話予告も当時のまま収録されている)。初回放送の予告編は未ソフト化である。

音響制作が当作品よりステレオ制作になる。

長年、世界名作劇場の撮影を担当していたトランス・アーツが放送途中にスタジオトゥインクルへ変更されている。

放送終了後

2001年に福武書店版「黒い兄弟」の復刊を目指すリクエスト票集めが復刊ドットコムで開始され、2002年後半にあすなろ書房から新装版で出版された。この本は全国の公共図書館の多くに配架されている。これに続いて番組ムック本が2003年に復刊され、その後も脚本家公認の脚本集・10周年記念ブックなどが新たに出版されている。世界名作劇場作品の中では出版が活発に行われた作品である。

2005年9月に、当時の製作関係者を交えた10周年記念イベント「10~dieci~」が開催され300人以上のファンが集まった。

2009年3月に、ロミオの青い空の舞台「ロミオの青い空〜もうひとつの空〜」が男性声優集団be-Viesにより公演された。

あらすじ

スイスの小さな村、ソノーニョ村に少年ロミオ11歳が生活していた。 平和に暮らしていたロミオ一家にある日村にやってきた人身売買人、死神ルイニの魔の手が襲い掛かる。 ロミオの父ロベルトは、頑なに息子ロミオを売り渡す事を拒み続けるが、遂に病に倒れてしまう。 それを見たロミオは医者を呼んで父を救うため、自分の身を売る事を決意する。 こうして、ロミオは煙突掃除夫として、ミラノの街へ旅立つのであった。

旅の途中ロミオは同じく煙突掃除夫になるためミラノに向かう少年アルフレドと出会う。ミラノに着いた後しばらくアルフレドとは分かれ、煙突掃除夫としてつらい日々が続くが、アルフレドと再会を果たし、二人は親友となる。後に他の煙突掃除夫の仲間たちを集め、不良少年ジョバンニ率いる狼団に対抗するため、黒い兄弟という同盟を結成する。

登場人物

黒い兄弟

煙突掃除の男の子たちが結成した組織。初めて誓いをした時は9名だった。2人仲間が増え、11名となる。アンジェレッタを仲間として受け入れようという声もあった。物語終盤ではビアンカが加わるも、アルフレドがのちに亡くなってしまう。

結成する前は、狼団に囲まれていやがらせを受けていた。

はじめて狼団と決闘を申し込んだときには、あらかじめ罠をしかけておいたため、狼団(ジョバンニ不在)に勝利する。

次の決闘では、アルフレドを人質に取られるも、狼団(サソリ団含む)を相手に善戦する。決着がつかなかったため、ジョバンニの提案した一騎打ちでロミオがタキオーニを負かし、アルフレドは帰ってきた。

ロミオ
- 折笠愛
主人公。正義感が強く、快活で一本気な11歳の少年。スイスのソノーニョ村で家族と暮らしていたが、少年狩りでソノーニョ村へ訪れたルイニはロミオを気に入り、故意に山火事を起こして父ロベルトに大怪我を負わせる。その治療費を捻出するため、ロミオは自ら売ることを決意し、煙突掃除夫としてミラノに連れて行かれる。
幸運にも人当たりの好いマルチェロ親方の元で働く事になる。女将のエッダや息子のアンゼルモからは散々に辛く当たられ、不十分な食事のうえ、逃亡阻止用に施錠された牢屋のような倉庫部屋で暮らす日々が続く。
中盤でアンゼルモの謀略によりエッダから盗みの濡れ衣を着せられて警察に逮捕され、牢屋に投獄される羽目に遇う。しかしそこで爆弾テロを察知し、署長やマルチェロを救ったことと、アンジェレッタの証言により潔白を勝ち取り、仕事の時間以外は自由の身となる。
その後、再会したアルフレドらと煙突掃除夫の少年による互助同盟グループ「黒い兄弟」を結成。煙突掃除夫となった頃から密かに支えてくれていたアンジェレッタと別れ、狼団やマルティーニ家と対峙するアルフレドの活躍を支える。イタリア語を話すようだが、教育水準の関係で字の読み書きが殆どできず、アルフレドやカセラ教授を尊敬していた。
終盤、アルフレドを失ったショックから精神的に落ち込んでしまい煙突掃除夫の仲間たちからも反発されたが、ビアンカからアルフレドの遺言を伝えられたことをきっかけに息を吹き返す。遺言通り黒い兄弟の2代目リーダーを拝命しアルフレドの遺志を実現しようと決心する。(編成の都合で急遽制作された)第32話で、屋根から転倒し骨折。カセラ教授宅へ居候したことで、白鯨などの本読みにふけり、一生懸命勉強して教師になることをカセラ教授やビアンカの前で宣言。春、煙突掃除夫の契約満了により帰郷する。
約10年後、故郷で教師となり、子供たちに字の読み書きを教えている。ビアンカと結婚しており、彼女との間に生まれた一子にはビアンカの兄でもある親友と同じ名を名づけている。
原作での名前は「ジョルジョ」である。
アルフレド・マルティーニ
声 - 藤田淑子
ロミオがミラノへ行く途中に出会った美しい少年。日頃から本を読んでいて、知性と教養があり勇敢。ロミオより1歳年上。
偶然ロカルノでリンゴ泥棒扱いされていたロミオを助けたことをきっかけにロミオの親友となる。ミラノで煙突掃除夫として親方に売られた後、聖バビラ教会でロミオと再会する。アルフレドのその豊富な知性と教養から、ロミオはアルフレドを目指して勉強を始めるようになる。皆に推され、「黒い兄弟」の初代リーダーとなる。煙突掃除夫として人身売買に遭っている自分たちやその他の子供たちの不幸を思い、「自由に学び、自由に生きられる時代」を目指してロミオとともに新しい時代を創っていこうと約束する。
その素性は貴族マルティーニ子爵の遺児であり、カセラ教授からも「神に特別に愛された少年」と評されるほど、非の打ち所の無い完璧な美少年として描かれている(原作のアルフレドは貴族出身ではなく金持ちという設定で本編のような完全無欠な描写はない)。リーダーとしての統率力があり、彼自身は争い事を好まず直接手を出すことは滅多にない。泳げないのが唯一の弱点。煙突掃除においてシトロン親方に散々こき使われ、それが原因で肺結核にかかってしまう。その病を押しつつオオカミ団の協力もあって国王のいる晩餐会へ乗り込むことに成功し、貴族の身でありつつ煙突掃除夫として仲間と分かち合える友情を説き、その誇りを国王に認められマウリッツィオの悪事を証明し、父の無実を証明した。聖バビラ教会で神にその行いを報告に向かい、体の限界によりロミオに看取られつつ息を引き取る。夢を達せられないまま皮肉な結果となったが、親友であるロミオが近い将来に彼の求めた夢を実現することに成功する。
ビアンカ・マルティーニ
声 - 岡村明美
12人目の「黒い兄弟」の仲間。アルフレドの妹。アルフレドの事が大好きで、いつもアルフレドが自分の方を見ていないと気が済まない。寂しがりやで優しいが、多少お転婆で気が強い。兄を尊敬していたが、次第に兄が一番信頼を置くロミオに興味を持っていく。叔父夫婦に両親殺害の濡れ衣を着せられ、兄と共に逃亡。その際追っ手の目を欺くために髪を切っている。煙突掃除夫としてアルフレドがミラノに旅立つ際、ある農夫に預けられたのだが、叔父夫婦に発見され、監禁されていた。後にロミオや黒い兄弟たちの協力を得たアルフレドによって救出され、兄と共にイタリア国王に真実を証明した。兄のアルフレドと共にマルティーニ子爵の遺児。。ロミオが帰郷した後はカセラ教授の下で住み込み看護婦として働く。後に教師となったロミオと結婚し一子をもうけ、その子に兄と同じ名を名づける。
ダンテ
声 - 柊美冬(現・石村知子)
ミラノへ向かう途中、ロカルノの町でロミオと会う。猟師の息子。ロミオと同じくルイニに買われた。一見たちが悪そうに見えるが、本当は心優しい。坊主頭で大きめの帽子を深々と被っている。自らを「ダンテ様」と呼んで戯けたりするなど、少々見栄っぱりで無鉄砲なところがある。狼団に絡まれているロミオを救い、再会を果たす。ロミオと共に故郷へ帰る。ニキータのことが好きだった。
ミカエル
声 - 石川寛美
黒い兄弟の中では最年少。気が弱く泣き虫。よく敵役に狙われる。いつもオオカミ団に狙われている。ロミオから弟分として可愛がられる。母の手伝いをしていたこともあり、裁縫が得意。ロミオと共に故郷へ帰る。
アントニオ
声 - 高乃麗
先に弟がミラノで煙突掃除夫として働いていたが、飢えと寒さの為に亡くなっていることを知っている。自分は脱走しようと試みるが、結局ミラノに来て煙突掃除夫となる。原作では喧嘩が非常に強く、アニメでもリナルドを転ばせたりしている。
アウグスト
声 - 岡野浩介
メンバーで一番体格がよい。ロミオと同様、行動派で自分こそが勇敢だと思い込んでいた。終盤ではロミオにリーダーになることを委ねている。
ベナリーボ
声 - 岩永哲哉
ジルバ横丁に住む。寝相が悪いらしい。「黒い兄弟」の中でいちばん背が高いがやせている。
バルトロ
声 - 田野恵
ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしい。
ジュリアーノ
声 - 大塚瑞恵(現・大塚みずえ)
ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしい。
エンリコ
声 - 丸尾知子
あまり目立たない存在。ロミオにアウグストのことを教える。
パウリーノ
声 - 田野恵
ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしい。狼団との決戦から組織を抜けだそうとしたが、ロミオの説得によって勇気づけられた。

狼団

ミラノで有名な不良少年グループ。秘密基地も存在し、上下関係もある。暴行、窃盗、脅迫など悪事を働く。煙突掃除の少年がよくターゲットにされる。

ジョバンニ
声 - 檜山修之
ミラノの町の不良グループ・オオカミ団のリーダー。ケンカもグループの中で一番強い。大人の用心棒を相手に一撃で倒したり、他の不良集団に単身で乗り込んで降伏させてしまうほど。頭の回転もよく駆け引きもでき、ミラノの不良たちのカリスマ的存在。父親をアルフレドと同じ病気で亡くしており、祖母に育てられている。他人のする卑怯なやり方を嫌い、義理堅く情の厚いところもある。殴られても降参しないアルフレドを倒したがる。乱暴ではなく、優しさでみんなをひとつにするアルフレド、アルフレドを思うロミオの勇気に感服した。アルフレドが国王に謁見し叔父の陰謀を暴露した際に黒い兄弟と一時手を結び協力、最終回ではロミオに「オオカミ団は今後も黒い兄弟と同盟を結ぶ」と約束する。
ニキータ
声 - 石津彩
勝ち気でいじっぱりな少女。酒場の主人を手伝って生活している。ケンカも冴えている。弱い者いじめを不満に思ったりと優しいところもあり、アルフレドに「ほんとうは優しい子」と言われたこともある。アルフレドに惚れていたが、彼の生前は最後まで素直になれなかった。文字を読むことができる。アルフレドから「髪に花を飾ったら似合う」と言われており、最終回で髪に花をさして照れながらアルフレドの墓に語りかけていた。ミラノを去るロミオに今後もアルフレドの墓を守ってほしいと頼まれ快諾した。
リナルド
声 - 中原茂
オオカミ団のナンバー2。サソリ団を倒した時にジョバンニから「将軍」に任命される。別名:赤毛のリナルド。知的でクール。顔半分が前髪で隠れている美少年。身のこなしが軽くケンカも強い。母親は売春婦らしく、父親の顔は判らないと言う。
タキオーニ
声 - 太田真一郎
オオカミ団一の巨漢。ジョバンニに「副将軍」にしてくれるように頼むが、失敗続きのために断られる。ロミオをライバル視しており、ロミオと一対一で決闘した相手。腕力に長けているが、道具(樽、縄、刃物)を使って相手を倒すことを得意とする。あだ名はブル。ロミオとの決闘では「素手のみで戦う」というルールを破ってナイフを使い、それによってジョバンニの怒りを買い反則負けとなる。アルフレドが国王に謁見した際には、マウリッツォの用心棒を一撃で倒すなど、かなりの活躍を見せている。気が短く、すぐに簡単な罠に引っ掛かる。終盤では、ロミオと仲がよくなっている。
リオ
声 - 丸尾知子
オオカミ団のメンバー。別名:ねずみのリオ。小柄でそばかす顔の少年。オオカミ団の偵察係で、すばしっこく要領が良い。タキオーニと組んで行動することが多い。口癖は「さすが天下の○○さんだ」。サソリ団や黒い兄弟相手にひとりだけピンチになったことがある。
ファウスティーノ
声 - くじら
オオカミ団のメンバー。太り気味の巨漢。怒らせれば、ロミオ達を絞めつけたり体当たりすることもある。サソリ団戦では相手に拳があたらず、転んだ拍子に運よく勝った程度。質屋という比較的裕福な家庭の次男坊ではあるものの、資質不足故と家族からは見放されている。性格は愚鈍。

旧サソリ団

狼団と対立しているミラノの不良グループ。 マルコやトニオが中心となって動いていて、クラウディオという怪物がいる。計6名。

ニキータを罠にかけるつもりが逆手をとられ喧嘩でも劣勢になる。刃物でリオを人質にするもジョバンニが現れ、敗退する。

リベンジで、クラウディオとジョバンニの一騎打ちでも、完敗する。その後、全員で狼団の仲間に入り、黒い兄弟との決戦にも参戦する。

終盤では全く登場せず、狼団も6名で行動している。

ミラノの住人

マルチェロ・ロッシ
声 - 安西正弘
ミラノでロミオを85リラで買い取り雇った煙突掃除の親方。酒好きで恐妻家。奇縁からアンジェレッタの養父となる。人は好いが、女房エッダの尻に敷かれ息子アンゼルモの嘘も鵜呑みにし、当初はロミオにもきつく当たっていた。警察署爆破テロの際に自分を庇ったロミオを見て真実を悟り、以後はロミオに優しく接した。
エッダ・ロッシ
声 - 羽鳥靖子
マルチェロの妻。相当な肥満体型の中年女性(原作では体型が違う)。金に汚く口うるさい。いつもマルチェロを尻に敷いている。息子のアンゼルモを溺愛しているが、意外にも養女のアンジェレッタにも愛情を注いでいた。ロミオを散々にこき使い事毎に辛く当たったが、ロミオの親友が亡くなってからはすこしだけロミオに優しくなった。
アンゼルモ・ロッシ
声 - 柏倉つとむ(現・カシワクラツトム)
マルチェロとエッダの実子。年齢はロミオと同じか1つ年上くらい。性格はエッダに似て非常に悪く、ミラノの不良グループ狼団に出入していた。嘘つきで親の前では猫かぶり。ことあるごとにロミオを虐めていた。伯爵家の血筋であると嘘をつきオオカミ団に出入りしていたが、それがバレてしまい、さらに裏では仲間の陰口をたたいていたことまで明るみにされ(原作ではロミオに不意打ちを食らわせ)、制裁を受け追い出される。最終回ではロミオに対抗意識が芽生えたらしく、突っぱねて最後まで和解しなかった。卑劣な性格の持ち主ではあるものの、アンジェレッタには親愛の情を持ち、またアルフレドの葬式には協力していた。
アンジェレッタ・モントバーニ
声 - 川村万梨阿
ロッシ親方が祖母に当たるイザベラ・モントバーニ伯爵夫人より預かった10歳(作中で11歳の誕生日を迎える)の養女。アンゼルモの義理の妹になる。病弱で絵を描くのが好き。とても素直で優しい少女で、お腹を空かせていたロミオの為に食事を提供してくれた事すらあり、それ以来ロミオとはとても仲良しになる。黒い兄弟の協力で祖母イザベラと対面・和解し、療養のために引き取られる。ストーリー中盤を支えた名ヒロインとも言える存在だったが、持病の治療のためにフランスに渡り、終盤は全く登場しなかった。原作では貴族の娘という設定ではなく、物語終盤に息を引き取る。
ミミ・ロッシ
声 - 麻生美代子
マルチェロの母親。久し振りに息子一家に会いに来る。豪快で威勢が良く、エッダやアンゼルモを散々に振り回した。マルチェロも未だに頭が上がらない。曲がった事が大嫌いで、実孫であるアンゼルモの狡猾な本性を鋭く見抜き、むしろ素直でマルチェロの少年時代に似ているロミオを気に入り可愛がる。
マデーラ
声 - くればやしたくみ
ロッシ家の向かいに住む気さくな夫人。いつもマルチェロをからかっている。夫婦げんかをするととても恐ろしく、指を鳴らして殴りかかろうとする。
エミリオ
声 - 塩屋浩三
ミラノの酒場のマスター。彼の経営する酒場で死神が買ってきた子供の取り引きが行われる。
カセラ
声 - 有本欽隆
ミラノに住む大学教授。ロミオとアルフレドの才能に気付く。とても親切な人でロミオが煙突掃除に訪れた時に絵本をプレゼントしてくれたり、アルフレドに本を貸してくれた。またアルフレドの素質を見抜いていた数少ない人でもある。医師としての知識もありアルフレドの体調を気にかけた。
ピア
声 - 中村尚子
カセラ教授の屋敷のメイド。主人に似てとても親切である。
モレッティ
声 - 峰恵研
ミラノ警察署の署長。爆破テロの際、ロッシ親方と一緒にいるところをロミオによって救われ九死に一生を得る。この一件でロミオの潔白を確信したロッシ親方の証言もあって、署長はロミオを無罪放免にした。
マツェオ
声 - 西村知道
ダンテの親方。ダンテ同様お調子者でお人好し。マルチェロからアンジェレッタの秘密について口止めされていたがロミオたちに喋ってしまう。
シトロン
声 - 佐藤正治
アルフレドを86リラで買い取った親方。アルフレドがカセラ教授から借りてきた本を暖炉に投げ込む等、底意地が悪い。親方と言っても、自分では酒を飲んでばかりで仕事もせず、アルフレドをひたすら酷使したことで彼を死に追いやる原因ともなった。葬式には出席していない模様。
イボ
声 - 辻親八
強盗団の親分。警察に捕まり脱走を企てる。
フランコ
声 - 塩屋浩三
警察に捕まった強盗団の親分を助ける為、警察署を爆破しようとした主犯。フランコのおかげでロミオまで殺されそうになってしまう。
カミラ
声 - 弘中くみ子
フランコの仲間の女強盗。
テオ
声 - 丸山詠二
ロッシ家の向かいに引っ越してきた人形使いの老人。とても優しく、アンジェレッタから慕われている。息子のレオンと絶縁しており、孫のナナには父親はすでに亡くなっていると嘘をついている。
ナナ
声 - 鈴木砂織(現・杉本沙織)
テオの孫娘。明るく無邪気な性格で、アンジェレッタにも懐いている。
レオン
声 - 小野健一
テオおじいさんの息子でナナの父親。病弱な娘のために医者になりたくて人形芝居を飛び出し、カセラ教授を頼って立派な医者となった。
クリスチーナ
声 - さとうあい
ロミオが20リラを稼ぐ為に離れの掃除と修理をする事にした家の御夫人。とても親切なおばさん。
リド
声 - 星野充昭
ミラノの町の露天商の主人。スペインで買ってきた高価な壷をミカエルに割られてしまい、代わりにミカエルが大切にしていたマリア様のペンダントを取り上げてしまう。

ソノーニョ村の住人

マリア
声 - 沼波輝枝
ロミオの祖母。老いてなお矍鑠とした、元気で威勢の良い女性。
ジェシカ
声 - 藤井佳代子
ロミオの母。前の夫(ロミオの実父)を戦争で亡くし、ロミオが2歳のときにロベルトと再婚する。厳しくも優しい女性。
ロベルト
声 - 大林龍之介(現・大林隆介)
ロミオの義父。ソノーニョ村で農業を営んでいるが不作続きで貧しい生活を送っている。ロミオを実子同様に愛し、ルイニの申し出を断固として拒絶した。ルイニの放火で起こした山火事が原因で、目に大火傷を患ってしまう。
カルロとピエトロ
声 - 嶋方淳子南杏子
ロミオの異父弟(双子)。ロベルトとジェシカの子。
アニタ
声 - 丹下桜
ロミオの幼馴染み。多少気が強い。ロミオにキスを求めるなど無邪気に将来を約束するが、出番は序盤だけで最終回にも出てこなかった。
リサ
声 - 遠藤晴
アニタの祖母。ジーナがリサとロベルトについて立ち話していた事からロミオはロベルトが本当の父ではない事を知ってしまう。
ジーナ
声 - くればやしたくみ
アニタの母。
チノ
声- 高戸靖広
アニタの兄。
マリオ
声 - 柳瀬洋美(現・やなせなつみ)
アニタの弟。
スカラ
声 - 西村知道
ソノーニョ村の雑貨屋兼飲み屋を経営するおやじ。村人たちが支払いに困った時はツケで商品を売ってくれるが、取りたては厳しい。
エンベリーノ
声 - くじら
スカラの息子。ロミオより年上で体つきも大きい。勇者の木登りに参加した。
マルコ
声 - 岩永哲哉
勇者の木登りに参加した子供の一人。
カニオ
声 - 丸尾知子
勇者の木登りに参加した子供の一人。
神父
声 - 名取幸政
ソノーニョ村の教会の神父。村で唯一字が読める人間。名前は不明。

その他

イザベラ・モントバーニ
声 - 山口奈々
アンジェレッタの祖母で伯爵夫人。平民の女性と結ばれた息子が亡くなった後も許すことができず、屋敷に出入りしていたロッシ親方に孫であるアンジェレッタを預けていた。冷淡で厳しい性格から「氷の伯爵夫人」の異名を取る。ロミオたちの協力でようやくアンジェレッタはイザベラと会うことに成功、イザベラも永いわだかまりを捨てて彼女を療養のために引き取ることにした。後にアルフレドがロミオらと国王に謁見しようとした際に再会し、彼らに協力した。
アドルフォ・モントバーニ
声 - 森川智之
イザベラの息子で、アンジェレッタの父。貴族でないジョバンナとの結婚をイザベラに猛反対され、駆け落ち同然でモントバーニ家を去るが、アンジェレッタが生まれた直後に若くして病死。
ジョバンナ
声 - 中山真奈美(現・中山さら)
アンジェレッタの母。貴族の生まれではなく貧しい育ちだった為、アドルフォとの結婚をイザベラに反対されてしまう。アンジェレッタを生んだ直後に病気で亡くなってしまう。
チェルビオ
声 - 沢木郁也
モントバーニ伯爵家の執事を務める。
サベリオ
声 - 新田三士郎(現・小林通孝)
イザベラの親戚。モントバーニ家の財産を狙いイザベラに取り入ろうとしている。
マッティーリオ
声 - 志賀克也
イザベラの親戚。モントバーニ家の財産を狙いイザベラに取り入ろうとしている。
イタリア国王
声 - 宝亀克寿
ミラノを訪問しての晩餐会で、叔父マウリッツィオの陰謀と自らの潔白を訴えたアルフレドの勲章をかつて父王が下賜した本物と見抜き、マウリッツィオを逮捕してアルフレドの名誉を回復させた。
ピットリオ・マルティーニ
声・岸野一彦
アルフレドとビアンカの父。イタリアの王様の父君を戦地で助けた事から勲章をもらい、以来マルティーニ家の家宝となる。とても優しい父親だったが、弟のマウリッツォに殺されてしまう。
パトリッツィア・マルティーニ
声 - 高木早苗
アルフレドの母。優しいが病気がちだったらしい。ピットリオと共にマウリッツォに殺されてしまう。
マウリッツィオ・マルティーニ
声 - 中多和宏
アルフレドやビアンカの叔父。マルティーニ家の富をピットリオが独占しているのを妬んでいた。妻グラゼーラに唆され、マルティーニ家の財産を独り占めしようとピエモンテの屋敷に放火してアルフレドの両親を殺害した張本人。黒い兄弟やオオカミ団の助けを得て国王の前で潔白を証明したアルフレドによって、勲章の偽造が露見し、卑劣な所業が明るみに出たため、妻と共に逮捕されてしまう。
グラゼーラ・マルティーニ
声 - 沢海陽子
アルフレドやビアンカの叔母で、マウリッツォの妻。マルティーニ家の財産を独り占めしようと夫を散々に煽り立て、アルフレドの両親を殺害させた。ビアンカを人質にしてアルフレドから勲章を奪おうと画策していたが、黒い兄弟の活躍によってビアンカを奪還され、イタリア国王臨席の晩餐会でアルフレドに陰謀を全て暴露されて夫と共に逮捕された。
ランベルト
声 - 山野井仁
マウリッツォの雇った用心棒の1人。とても力が強そうに見えるが、ジョバンニに一発で倒されてしまった。
アントニオ・ルイニ
声 - 小村哲生
貧しい家庭から子供を安い値段で買い取り、煙突掃除夫としてミラノへ連れて高く売り飛ばす悪人。連れていかれた少年の大半が二度と帰って来ない事から死神ルイニと呼ばれ、恐れられている。お眼鏡にかなえばどんな手段を持ってしても、その少年を手に入れようとするあくどい性格で、ロベルトのトウモロコシ畑に放火し、飛び火して大きな山火事となる。この時代においても人身売買は合法ではなく、密航者のように潜みながら少年たちを馬車に乗せてミラノへ連れて行く。船で湖を渡る時に難破して溺れそうになったところをロミオに救われ、複雑な感慨を抱く。その後改心するかと思われたが、最終回でも相変わらず人買いを続けていた(ただし、盗みなどは止めた模様で、ロミオに救われたことで心境の変化はあった。)。原作では度々登場し、結末には人身売買の罪で逮捕される。
リゾ
声 - 稲葉実
ロカルノの町でやまねこという名の酒場を経営している。しかしそれは仮の姿で、本当は人買いの仕事をする死神の仲間。
ムゼッタ
声 - 阿部道子
リゾと協力して人買いの仕事を手伝う女。仮の姿はホステスと言ったところ。
バレージ
声 - 徳丸完
ロカルノの町の名医と呼ばれる医者。腕は良いらしくロベルトのケガも治してくれたが、その分、診察費も高い。
トニオ
声 - 山下啓介
リンゴ園を経営している農夫。馬車に積んだリンゴがなくなった時、そばを通りかかったロミオをリンゴ泥棒だと勘違いしてしまった。
マルチェロ
声 - 水原リン(現・真山亜子)
トニオの息子。リンゴ泥棒の犯人。
カニーロ
声 - 岸野一彦
ロカルノ日報の新聞記者。ただし新聞売りも兼ねている。
ハンナ
声 - 冬馬由美
カニーロの娘で新聞記者兼新聞売りを兼ねる。とても働き者らしく、父親の仕事を立派に継いでいる。
レオ
声 - 佐藤浩之
ロカルノ日報で働く新聞記者。ハンナとは恋人同士らしい。

動物たち

ピッコロ
ロミオの友達で、共にミラノに渡ったオコジョ。終盤は出番がほとんど無くなったが最終回ではピッコロの子孫が描かれている(オコジョは夏毛が茶色なので、ピッコロ自身の説もある)。
ミケランジェロ
ロカルノの町で一番の曲芸師と呼ばれる熊。得意は樽乗りである。
パルモ
ロッシ親方の家で飼っている猫。アンゼルモが世話をしているようだ。
クレオパトラ
マデーラさんの家で飼われている犬。おとなしい犬だが光る物を持っていく癖がある。
バッカス
イザベラの飼っている犬。犬種は茶色のドーベルマンで、少々恐いところがあるが、イザベラにはなついている。

スタッフ

  • 製作 - 本橋浩一
  • 企画 - 清水賢治(フジテレビ)、佐藤昭司(日本アニメーション)
  • 製作管理 - 本橋寿一
  • 原作 - リザ・テツナー(福武文庫『黒い兄弟』より)
  • 脚本 - 島田満
  • 音楽 - 若草恵
  • キャラクターデザイン - 佐藤好春
  • 美術設定 - 伊藤主計
  • 美術監督 - 川口正明
  • 音響監督 - 藤野貞義
  • 撮影監督 - 森田俊昭、森下成一
  • 色彩設計 - 小山明子、大城千恵子、小酒井久代
  • プロデューサー - 鈴木吉弘→鈴木専哉(フジテレビ)、余語昭夫(日本アニメーション)
  • 監督 - 楠葉宏三
  • 製作 - フジテレビ、日本アニメーション

主題歌

オープニングテーマ

「空へ…」
作詞 - 佐藤ありす / 作曲 - 岩崎琢 / 編曲 - 若草恵 / 歌 - 笠原弘子

エンディングテーマ

「Si Si Ciao 〜ロマナの丘で〜」
作詞 - 佐藤ありす / 作曲 - 岩崎琢 / 編曲 - 若草恵 / 歌 - 笠原弘子

各話リスト

話数 放送日 サブタイトル 絵コンテ 演出 作画監督
第1話 1995年
1月15日
アルプス! 小さな村の大事件 楠葉宏三 佐藤好春
第2話 1月22日 運命のはじまり・炎の中の家族 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第3話 1月29日 さよなら・ぼくの村 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第4話 2月5日 似顔絵の少年 楠葉宏三 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第5話 2月12日 酒場での一夜 岩本保雄 アベ正己
第6話 2月19日 舟が沈む!! 嵐の中の友情 楠葉宏三 宮下新平 井上鋭
佐藤好春
第7話 2月26日 天使の住む家 松川智充 大城勝
佐藤好春
第8話 3月5日 天使からの贈り物 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第9話 3月12日 月夜のラブレター 佐々木和宏 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第10話 3月19日 青空のスケッチブック 有原誠治 岩本保雄 北崎正浩
第11話 4月23日 友だちになろう! 松川智充 井上鋭
佐藤好春
第12話 4月30日 霧の街に消える 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第13話 5月7日 地下水道での再会 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第14話 5月14日 逃げるんだ!! 早く 横田和善 楠葉宏三 大城勝
佐藤好春
第15話 5月21日 火をともせ!! 11人の誓い 松川智充 井上鋭
佐藤好春
第16話 5月28日 ライバルはアルフレド! 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第17話 6月4日 聖バビラ教会の決闘 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第18話 6月11日 朝日にとどけ! 団結の歌 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第19話 6月18日 おばあちゃんは魔法使い 松川智充 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第20話 7月2日 テオじいさんの人形劇 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第21話 7月9日 アンジェレッタの秘密 楠葉宏三 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第22話 8月6日 おばあさまに会えた! 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第23話 8月13日 さよなら…ぼくの天使 井上鋭
佐藤好春
第24話 8月20日 ねらわれた兄妹 横田和善 大城勝
佐藤好春
第25話 8月27日 再会! ビアンカとアルフレド 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第26話 9月3日 誇り高き魂 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第27話 9月10日 長い一日のはじまり 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第28話 9月17日 貴公子アルフレド 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第29話 10月22日 永遠のアルフレド 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春
第30話 10月29日 最後の誓い 横田和善 宮下新平 大城勝
佐藤好春
第31話 12月3日 本当の宝物 宮下新平 佐藤好春
第32話 12月10日 素敵なクリスマスイブ 横田和善 西田健一
第33話 12月17日 空へ! 自由の翼にのって 楠葉宏三 井上鋭
佐藤好春

映像ソフト化

  • 本編のDVDは2001年8月25日 - 11月25日発売。全8巻で2巻ずつ同時発売。

メディア

  • ロミオの青い空 ドラマソングブック Vol.1
  • ロミオの青い空 オリジナルサウンドトラック Vol.2
  • ロミオの青い空 オリジナルサウンドトラック Vol.3
  • ロミオの青い空 メモリアルソング・ピアノコレクション
  • 世界名作劇場 メモリアル音楽館 ロミオの青い空
  • アニメイトカセットコレクション「ロミオの青い空」※ドラマ A面「モントバーニ家の亡霊」B面「ビアンカの日記」未CD化
  • コロちゃんパック(絵本、カセット)「ロミオの青い空」A面:天使からの手紙 B面:ライバルはアルフレド 未CD化 ※主題歌を朝川ひろこカヴァーして歌っている。

脚注

  1. 竹書房文庫「ロミオの青い空」にて楠葉宏三が懐述

外部リンク

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