ライフル砲

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テンプレート:Multiple image ライフル砲は、砲身内に施条(ライフリング)を持つ大砲である。

ライフル銃と同様に、砲身内の施条により砲弾に回転を加えることで、弾道線を安定させ命中率を高める砲である。ライフル砲とは反対に、砲腔内面が平滑な砲は滑腔砲と呼ばれる。

主に榴弾砲艦砲などで採用されており、迫撃砲は従来滑腔砲だけだったが、大口径砲を中心に遠距離での命中精度向上のためにライフル砲が採用されている。

戦車砲では、主な対戦車用の砲弾であるAPFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)の使用に向いていないため、第三世代戦車の多くは滑腔砲が採用されている。これは、摩擦が大きいこと、弾体と施条の隙間からの発射ガス漏れがあることで、エネルギーが無駄になるため、そして、回転がAPFSDS弾の侵徹作用を阻害、または折れることによる。また、HEAT弾(対戦車榴弾)の使用に際してもAPFSDS弾と同様に、成形されたメタルジェットが回転による遠心力で前方へ集中できなくなるために避けられる。戦車砲にライフル砲を採用している場合は、弾体の外周部だけを空回りさせるスリップリングを持つ砲弾を使用することでAPFSDS弾とHEAT弾が有効に発射可能である。また、近年は技術革新により、105mmライフル砲でも、初期の120mm滑空砲並みの攻撃力を持ったものが現れている[1]

脚注

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関連項目

  • 機動戦闘車の火力項目を参照