ヤクト・ドーガ

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テンプレート:Pathnav テンプレート:独自研究 ヤクト・ドーガ (JAGD DOGA) は、アニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する架空の兵器

ネオ・ジオン軍が開発したニュータイプ(NT)専用モビルスーツ (MS) である。

機体解説

テンプレート:機動兵器

ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)をベースに開発されたNT専用MS。基本骨格であるムーバブル・フレームはギラ・ドーガと共通だが、サイコ・フレームの一部採用による追従性向上、ジェネレーターやスラスターの高出力化、チタン合金からガンダリウム合金製装甲材への変更といった改修によって、ベース機とは別物と言える高性能機へと変貌している。しかし、量産機を半ば強引にNT専用機に仕立てたため、機体バランスに多少の問題を残している。当初は総帥シャア・アズナブルの専用機として設計されていたが、結局はより完成度の高いサザビーがこの役を担うこととなった。ヤクト(ヤクート)は独語で「狩猟」の意。型式番号のMSN-03は、13年前の旧ジオン公国の最終MSであるMSN-02 ジオングから引き継いだ通し番号である。

主武装のファンネルは肩部サブスラスターに片方3基ずつを懸吊。端末自体はサザビーと同型だが、エネルギー・推進剤の再充填機能は省かれたため、稼働時間はおよばない。それでも、第一次ネオ・ジオン抗争当時のものに比べ格段に進化している。

携行武装として、ビームアサルトライフル(ギュネイ機)メガ・ガトリングガン(クェス機)、ヒートナイフ付きビーム・サーベルメガ粒子砲内蔵型シールドと、オーソドックスながらも上位機種らしい専用装備がそろえられている。

劇中での活躍

ギュネイ・ガス専用機
カラーリングは緑と金。モノアイの上側に眼を描き入れており、四つ目に見える。物語序盤の5thルナ降下作戦では、アムロ・レイの駆るリ・ガズィに苦戦するも5thの核パルス推進器を守りきり、降下作戦を成功に導く。ルナツー占拠の際はクェスのヤクト・ドーガに随伴し、ジェガン8機をまたたく間に撃破する。また、アクシズ攻撃の第1陣として突入してきたリ・ガズィを戦闘不能にしたうえ、パイロットのケーラ・スゥを捕獲し、殺害する。その後、ラー・カイラムからアクシズへ放たれた核ミサイルを、ファンネルで全弾撃墜する。
最終決戦ではクェスのα・アジールと共にνガンダムに挑むも、パイロットの技量と機体性能の両面で圧倒され、背後を取られたクェスを救おうと無理な姿勢で攻撃に出た際、バズーカとシールドを囮にした戦法に隙を突かれ、ビームライフルの直撃を受けて撃墜される。
クェス・パラヤ(クェス・エア)専用機
カラーリングは赤と銀。本来はサザビーの予備機体として用意されていたが、シャアを追ってネオ・ジオン入りしたクェスの訓練機に転用され、そのまま彼女の専用機としてルナツー占拠作戦に初投入される。父・アデナウアー・パラヤの乗る連邦軍のクラップ級巡洋艦のブリッジを破壊した際、その寸前に同艦から放たれたミサイルにより右腕を破損する。作戦終了後はムサカに帰還するが、クェスはアクシズに先行したシャアを追って破損したままの本機で発進する。その後、クェスはα・アジールに搭乗するため、本機は残置された。
クェス機のその後
OVA版『機動戦士ガンダムUC』episode 7では、「袖付き」仕様に改修された機体が登場。かつてのクェス機が流用されており[1]、カラーリングが黄土色基調へ変更されているうえ、胸部と手首には「袖付き」特有のエングレービング調の装飾が施されている。破損した右腕をギラ・ドーガのもので代用しているため、ファンネルは左肩に2基のみの装備となっている。
岩村俊哉の漫画『νガンダム秘話 ネオ・ジオンの亡霊』では、宇宙世紀0094年に地球へ単独降下するクェス機と同タイプの機体が登場。その後の半年間は、パイロットであるNT少女によって機体共々地球に潜伏したが、連邦軍のマサド中尉率いる掃討部隊と交戦し、量産型νガンダムと相討つ。漫画でもクェス専用機として運用されていたことを示唆しているが、同一機体かは不明。

メカニックデザイン

デザインは出渕裕ザクIIマラサイの流れを汲むギラ・ドーガの基本構造を流用している設定だが、恐竜の頭蓋骨を思わせる両肩のシールドと、腰部と脚部を中心にボリュームアップされたシルエットにより大きく趣を異にする。ローマのガレー船のイメージでデザインしたという頭部(映画『ファントム・オブ・パラダイス』の仮面より影響を受けたとする説がある)は、猛禽の嘴を模したかのようにも、また仮面のようにも見える。

ヤクト・ドーガ量産型

スーパーロボット大戦シリーズ』『バトルロボット烈伝』に登場したゲームオリジナルMS。一般兵用の量産型であり、緑色に塗装されている。外見はクェス機に酷似し、武装はギュネイ機と同一仕様である。

バギ・ドーガ

テンプレート:機動兵器 漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場する機体。新生ネオ・ジオンのニュータイプ用実験機で、ギラ・ドーガとヤクト・ドーガの中間にあたり、旧フラナガン機関の流れをくむ研究所が開発した[2]

ゲーマルク量産型キュベレイが、ファンネルの装備数と戦果が比例しなかった事例を反省して開発された機体[3]。半自立式の「モビルビット(「ビー・ビット」という別名の記載もある[3][4])」という、昆虫のような姿のサイコミュ兵器を胴体に2基搭載している。それぞれウィルトンとウィルティーノというニックネームがつけられていて、ウィルトンが対人掃討用、ウィルティーノが敵艦中枢の破壊用とされている[3]

武装一覧には「スプゥン・ビット(ピクセル)」という武装も記載されているが、具体的にどれかは明らかでない[5]。また携行武装として銃剣のような形状のビームライフルが設定されている(劇中未登場)。

サイコ・ギラ・ドーガ(サイコ・ドーガ)

小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場する機体。作中での表記は「サイコ・ドーガ」となっているが、後発の『CCA-MSV』に「NZ-222 サイコ・ドーガ」という同名の機体が登場したため、混同を避けるためか後の書籍資料ではこの名前で呼ばれることが多い。機体の姿は、小説中での言及以外では月刊ニュータイプに掲載された出渕裕の描き下ろしカラー・イラストのみで、上半身が白色であることなどが伺える。後にトレーディングカードゲームガンダムウォー」にて全身が描き下ろされた。

劇中では2機登場し、ともにグラーブ・ガス(映画でのギュネイ・ガスに当る人物)が搭乗する。1号機はフィフスルナ戦でアムロのリ・ガズィの攻撃で大破。ロンド・ベルに鹵獲されると、サイコフレームが取り出され、Hi-νガンダムに組み込まれる。2号機は最終決戦で、ベルトーチカの乗ったリ・ガズィと遭遇するが、ベルトーチカに宿ったアムロの子供の声に動揺した所をグレネード(カセット文庫版ではミサイル)で撃墜される。

脚注

  1. テンプレート:Cite journal
  2. 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 』122頁。
  3. 3.0 3.1 3.2 『模型情報1989年3月号』43頁。
  4. 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 』50頁。
  5. 劇中で他に使用した武器として、肩に装着された球形のパーツを遠隔操作武器として撃ち出している場面があり、設定画で確認できる装備数がスプゥン・ビットと一致している。

関連項目

テンプレート:宇宙世紀