メロディックデスメタル

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テンプレート:Infobox Music genre メロディックデスメタル(Melodic Death Metal)は、ヘヴィメタルの中に含まれる音楽ジャンルの一つである。メロデスと略して呼ばれることが多い。

概要

メロディックデスメタルの解釈については、おもに2つの考え方がある。1つは、北欧メタルの系統に属するメロディーを重視した音楽スタイルにデスメタルの歌唱法デスヴォイスを取り入れたものである、とするもの。もう1つは、デスメタルの攻撃性を抑えつつもデスヴォイスを残し、正統派ヘヴィメタルの旋律を取り入れてドラマティックな展開を持たせたものである、とするものである。

1990年代前半に発表された、デスメタルに積極的にメロディを取り入れたカーカスディスメンバーアット・ザ・ゲイツアモルフィスなどの作品が、メロディックデスメタル成立の前段階と考えられる。

メロディックデスメタルというジャンルの成立には、アーチ・エネミーダーク・トランキュリティイン・フレイムスチルドレン・オブ・ボドムといった、現在のヘヴィメタルヘヴィロックシーンを代表するバンドが強く関わっている。そのため一時期は、これらのバンドの出身地から北欧叙情デスメタルといった地域限定的な呼称も当てられていたことがある。

とりわけ、近年のメロディックデスメタルは正統派ヘヴィメタルとの境界が不明瞭で、旋律や曲調、拍の強弱など、楽曲に含まれる要素の大半においては大きな差異がない。唯一、デスメタルの特徴の一つである歌唱法デスヴォイスのみが、分類のための大きな指標となっている。これらのことから、バンドのジャンル区分については、音楽的特徴よりも、販売元に依存する傾向があるのが現状である。

また、ブラックメタル、特にメロディックブラックメタルとの境界も曖昧である。指標としてブラックメタルの特徴で挙げられている特徴の有無があるが、特徴の有無の程度などに特に基準もない上、ボーカルスタイルが似通っているため、ジャンル区分は非常に曖昧なものとなっている。そのため、媒体によってメロディックデスメタルとされたり(メロディック)ブラックメタルとされたりすることもある[1]

2000年代以降、アメリカで隆盛を見せているメタルコアは、メロディックデスメタルから大きな影響を受けており、その意味でもこのジャンルが果たした役割は重要なものである。

主要アーティスト

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脚注

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関連項目

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  1. 一例として、メロディックデスメタルを代表するバンドであるチルドレン・オブ・ボドムも、トイズファクトリーからリリースされた初期の日本盤のライナーノーツでは、メロディックデスメタルや様式美デスメタルという表現が用いられている一方で、では、様式美ブラックメタルとされていた。