マトリックス レボリューションズ

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テンプレート:Infobox Filmマトリックス レボリューションズ』(The Matrix Revolutions)は、『マトリックス』3部作の完結編。脚本監督ウォシャウスキー兄弟2003年11月5日に世界60か国で同時刻同時上映された。

前作のように哲学とアクションを組み合わせたこの映画は、前作『マトリックス リローデッド』で提起された疑問を結論づけようとしている。

あらすじ

前作のラストからの続きでベインとネオが意識不明の状態から始まる。ただ気絶しているベインと違い、ネオは侵入時と同じ神経状態だった。それを受け、モーフィアスはマトリックスの中の彼を捜す。一方ネオは、ソースに弾き飛ばされた結果「モービル・アヴェニュー」というマトリックスとソースの境界に捕らえられていた。ここでネオはプログラムの「家族」に会い、モービル・アヴェニューはメロビンジアンだけに忠誠なトレインマンと呼ばれるプログラムに制御されていると知る。

ネオがモービル・アヴェニューで捕らえられていることをセラフから伝えられたモーフィアスとトリニティーは、ネオの解放をトレインマンに迫るが、逃げられる。三人はメロビンジアンに直接交渉し無理な要求をされるものの、トリニティのメキシカン・スタンドオフによって、メロビンジアンに解放を了承させる。

未来が見えるようになったネオは、自分が行くべきマシン・シティーの幻影を見る。自分の変化に違和感を覚えていたが、現実に戻る前に預言者の訪問を決める。預言者はネオに、ネオとスミスとの関係、ネオの持つ力の源を説明。また、ネオ自身がこれからどこへ行けばよいのかわからなければ「誰にとっても」明日はないと言う。

ネオが去った後スミスたちが予言者の家に到着する。予言者を取り込み予知能力を得たスミスは、自らがネオを葬ることを予知、未来を見通せる確信を得る。

現実の世界では、ハンマー号とネブカドネザル号の残った乗組員がロゴス号を発見。ナイオビら乗組員と合流していた。彼らは、燃料切れのロゴス号を再起動し、目を覚ましたベインに査問を始めるが、彼は記憶がないと話す。一方ネオは、理由は説明できないがマシン・シティに行くため船が必要だと言う。否定意見の中、預言者にネオの助けを選択するよう言われたナイオビがロゴス号を提供。トリニティは、ネオと共に行く決意をする。

ハンマー号の乗組員たちは、センティネルズを避けるために、航行の難しい補助パイプラインを通ってザイオンに戻ることを計画していた。しかし出発した直後、乗組員が殺害されており、犯人がベインで、ロゴス号に隠れていることに気づくが、すでにロゴス号に戻って警告することはできなかった。ロゴス号では出発する前、ベインがネオと離れたトリニティーを人質にネオを誘き寄せる。ネオは争いの中、スミスがベインに乗り移っていることに気づく。ネオはレーザーで目を潰されるが、スミスの姿、プログラムが見えていた。ネオは、スミスを倒し、トリニティーを解放する。そして二人はトリニティーの操縦でマシン・シティーに向かう。

ザイオンのドックにはセンティネルズの大群が侵入を始めていた。人間側はロック司令官の指示のもと、防御ユニットを総動員して応戦するが、電磁パルスがない上、圧倒的な数の攻撃に壊滅的な打撃を受けていたため、敗北は時間の問題だった。残された手段は、ザイオンに向かっているハンマー号の電磁パルスで敵を一掃することだったが、ドックのゲートが破壊され、操作不能となっていた。部隊長のミフネは死に際に、自身のAPUをキッドに託し、ゲートを手動で開けるよう指示。キッドによってゲートは開かれ、電磁パルスによって敵は一掃された。が、防御ユニットがダウンしてしまった上、掘削機が再起動したため、あと2時間で敵が寺院の内壁に到達する事態となった。

トリニティの死という犠牲を払ってマシン・シティに到達したネオは、マシンたちの統合意識体と対面し、共通の脅威となったスミスを倒す事を条件に、ザイオン侵攻を止めるように申し出る。

多くの人間を取り込んだスミスは飛行をはじめネオすら上回る強大な力を手に入れており、ネオは苦戦の後、ついにダウンさせられる。 ネオを見下ろすスミスは、予言者を取り込んだ時に見た光景に狂喜する。しかしネオに向かったスミスの口から出たのは、かつて予言者がネオに対して語った、スミスの意志にはない言葉だった。

予知が預言者の罠だったことに気づき狼狽するスミス。しかしエージェントも人間もいなくなったマトリックスでスミスに残されていた道は一つしかなく、ネオを取り込む。ネオは予言者の真意と自らの使命に気付き、これを受け入れる。

ザイオンでは、センティネルズ達が去っていき、戦争が終わったことを喜んでいた。一方、マトリックスではアーキテクトが預言者の前に現れ、秩序を乱し変化を試みたことに対し、非常に危険なゲームと表現。預言者はその危険にそれだけの価値があるのを知っていた。アーキテクトは、プラグを抜かれたい人間はどうなるかを尋ねられ、もちろん解放すると答える。映画のラスト・ショットは、サティによって造り出されたマトリックスの世界の新しい夜明けが表現されている。このときシリーズで初めてマトリックスの中に植物が登場し、それまで画面全体にかけられていた緑色のエフェクトが外されている。

登場人物

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キャスト

役名 俳優 日本語版1 日本語版2
ネオ(トーマス・アンダーソン/救世主) キアヌ・リーブス 小山力也 森川智之
モーフィアス ローレンス・フィッシュバーン 玄田哲章 内海賢二
トリニティ キャリー=アン・モス 日野由利加 戸田恵子
エージェント・スミス ヒューゴ・ウィーヴィング 中多和宏 大塚芳忠
ナイオビ ジェイダ・ピンケット=スミス 本田貴子 深見梨加
オラクル(預言者) メアリー・アリス 此島愛子 沢田敏子
パーセフォニー モニカ・ベルッチ 大坂史子 きのしたゆうこ
ロック司令官 ハリー・J・レニックス 石塚運昇 菅生隆之
副官 ルパート・リード 佐久田修
メロビンジアン ランバート・ウィルソン 中村秀利 江原正士
セラフ コリン・チョウ 辻谷耕史 家中宏
ジー ノーナ・ゲイ 朴璐美 引田有美
ハーマン評議員 アンソニー・ザーブ 村松康雄 麦人
ウェスト評議員 コーネル・ウェスト 沢木郁也 宝亀克寿
グレイス評議員 フランシーヌ・ベル 重松朋
キッド クレイトン・ワトソン 緑川光 石田彰
ベイン イアン・ブリス 斉藤瑞樹 蓮池龍三
ゴースト アンソニー・ウォン 二又一成 駒谷昌男
スパークス ラッキー・ヒューム 阪口周平 福山廉士
カズ ジーナ・トレス 唐沢潤 -[1]
マギー エッシー・デイヴィス 幸田直子
ディラード評議員 ロビン・ネビン 沢田敏子 野村須磨子
アーキテクト ヘルムート・バカイティス 有本欽隆 中村正
リンク ハロルド・ペリノー・ジュニア 大川透 鳥海勝美
ラーマ・カンドラ バーナード・ホワイト 辻親八 森田順平
カマラ タリニー・ミューダリア 湯屋敦子
チャラ レイチェル・ブラックマン
サティー タンビーア・K・アトウォル 最上莉奈 小林沙苗
デウス・エクス・マキナ(センチネル) ヘンリー・ブラシンガム
ケビン・マイケル・リチャードソン(声)
中村秀利 斎藤志郎
トレインマン ブルース・スペンス 遠藤純一
ローランド デヴィッド・ロバーツ 仲野裕 青山穣
エーケイ ロバート・マモーネ 石住昭彦
コルト ピーター・ラム 阪口周平 星野貴紀
ミフネ ナサニエル・リーズ 佐々木勝彦 小林修
モーゼル[2] クリストファー・カービー 大川透
  • 日本語版1:劇場公開/VHSDVDUMD
役不明:新垣樽助 吉野貴宏 小伏伸之
翻訳:久保喜昭 演出:岩浪美和 録音:田中和成 編集:オムニバス・ジャパン
プロデューサー:尾谷アイコ、小出春美(ワーナー・ホーム・ビデオ)
製作:東北新社、ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 日本語版1は前作とコルトと副官のキャストの声優が変更されている。
役不明: 鈴木正和 熊谷ニーナ
翻訳:栗原とみ子 演出:小林守夫 録音/調整:オムニバスジャパン 効果:サウンドボックス
制作:東北新社
  • 日本語版2は前作とほばキャストの声優は一緒だが、パーセフォニーやゴースト、ミフネ、エーケイ、コルト、副官、ディラード評議員などの一部のキャストの声優は変更されている。

スタッフ

配役

前二作で預言者オラクル役を演じたグロリア・フォスター糖尿病による合併症で亡くなったため、この役はメアリー・アリスが引き継いだ[3]

公開

インドではこれが他の国々と同時に公開された初めてのハリウッド映画だった[4]

また同時にこの映画は、オムニマックスで公開された最初の実写映画だった。ウォシャウスキー兄弟は映画の公開時、キアヌ・リーブスジェイダ・ピンケット=スミスとともに東京のオープニングイベントに出席していた。

脚注

  1. 日本語版2では登場シーンがカットされているため登場しない。
  2. 日本語版1の翻訳ではマウザー、日本語版2での翻訳ではメイザーという役名になっている。
  3. このため矛盾がないように、一部脚本が変更された。
  4. http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/south_asia/3238017.stm

関連項目

外部リンク

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