ヘミオラ

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テンプレート:Portal クラシック音楽 ヘミオラ (hemiola) とは、主にバロック音楽やクラシック(古典音楽、特にベートーヴェン)などにおいて、3拍子の曲で、2小節をまとめてそれを3つの拍に分け、大きな3拍子のようにすることをいう。もとの意味は「1足す2分の1」。終止カデンツにおいて使われることが多い。

たとえば、4分の3拍子の曲の途中で、|2分 4分(タイ)|(タイ)4分 2分|のような楽譜が現れる。これは演奏すると、3つの2分音符に聞こえる。そうすると、元来の4分の3拍子は消え去り、大きな2分の3拍子のように聞こえる。このようなものをヘミオラと呼ぶ。聴こえ方の特徴としては、強拍がずれるため、突然本来の拍節感を失う。そのため、その部分だけが大変不思議な感覚を感じることになる。

ロマン派作家のシューマンが自身のピアノ協奏曲最終楽章で多用している。通常技巧に凝りすぎて食傷しがちなところ、イ長調の伸びやかな曲想の中で不思議な浮揚感を演出している。