ヒイラギ

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テンプレート:生物分類表 ヒイラギ(柊・疼木・柊木、学名: テンプレート:Snamei)は、モクセイ科モクセイ属常緑小高木和名の由来は、の縁のに触るとヒリヒリ痛む(古語:疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ)ことから。

形態・生態

樹高は4-8m。

対生し、楕円形から卵状長楕円形、質で光沢あり、縁には先が鋭いとなった鋭鋸歯がある。また、老樹になると葉の刺は次第に少なくなり、葉は丸くなってしまう。

花期は11-12月。葉腋に白色の小花を密生させる。雌雄異株で、雄株のは2本の雄蕊が発達し、雌株の花は花柱が長く発達して結実する。花は同じモクセイ属のキンモクセイに似た芳香がある。花冠は4深裂して、径5mmになる。

果実は長さ12-15mmになる核果で、翌年6-7月に暗紫色に熟す。果実は鳥に食べられて種子が散布される。

品種

病虫害

ヒイラギは、庭木の中では病虫害に強い植物である。しかし、ヘリグロテントウノミハムシテンプレート:Snameiハムシ科)に食害されることがある。この虫に寄生されると、春に新葉を主に、葉の裏から幼虫が入り込み、食害される。初夏には成虫になり、成虫もまた葉の裏から食害する。食害された葉は枯れてしまい、再生しない。駆除は困難である。防除として、春の幼虫の食害前に、農薬スミチオンオルトランなど)による葉の消毒。夏の成虫は、捕獲駆除。冬に、成虫の冬眠を阻害するため、落ち葉を清掃する。ヘリグロテントウノミハムシは、形状がテントウムシ(二紋型のナミテントウアカホシテントウ)によく似ていて、「アブラムシを食べる益虫」と間違えられ、放置されやすい。ヘリグロテントウノミハムシは、テントウムシ類より触角が太く長く、また跳躍力が強く、人が触ると跳ねて逃げるので見分けがつく。

分布

東アジア原産で、日本では本州関東地方以西)、四国九州琉球山地に分布しているほか、外国では台湾でも見られる[1]

人間との関わり

低木常緑広葉樹であるため、盆栽などとしても作られている。殖やし方は、実生または挿し木。葉に棘があるため、防犯目的で生け垣に利用することも多い。

は堅く、なおかつしなやかであることから、衝撃などに対し強靱な耐久性を持っている。このため、玄翁と呼ばれる重さ3kgにも達する大金槌にも使用されている。特に熟練した石工はヒイラギの幹を多く保有し、自宅の庭先に植えている者もいる。他にも、細工物、器具印材などに利用される。

古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、庭木に使われてきた。家の庭には表鬼門(北東)にヒイラギ、裏鬼門(南西)にナンテンの木を植えると良いとされている(鬼門除け)。また、節分の夜、ヒイラギの枝と大豆の枝にの頭を門戸に飾ると悪鬼を払うという(柊鰯)。

季語としては、「柊の花」は

類似の植物

テンプレート:See also 似たような形のヒイラギモクセイは、ヒイラギとギンモクセイ雑種といわれ、葉は大きく縁にはあらい鋸歯があるが、結実はしない。

クリスマスの飾りに使うのはセイヨウヒイラギテンプレート:Snamei)であり、「ヒイラギ」とあってもモチノキ科に分類される別種である。

その他、ヒイラギの鋭い鋸歯が特徴的なため、それに似た葉を持つものは「ヒイラギ」の名を与えられる例がある。外来種ではヒイラギナンテン(メギ科)がよく栽培される。他に琉球列島にはアマミヒイラギモチ(モチノキ科)、ヒイラギズイナ(スグリ科)がある。ほかに、鋭い鋸歯を持つものにリンボク(バラ科)があり、往々にしてヒイラギと間違えられる。また、ヒイラギを含めてこれらの多くは幼木の時に鋸歯が鋭く、大きくなると次第に鈍くなり、時には鋸歯が見えなくなることも共通している。

脚注

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参考文献

関連項目

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外部リンク

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