パンクラス

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パンクラスPANCRASE)は、日本総合格闘技団体。運営会社はスマッシュ パンクラス事業本部[1]プロ大会に加え、アマチュア大会も手がける。トレーニングジムも経営。スローガンは「ハイブリッド・レスリング」。

古代ギリシャ格闘技パンクラチオン」の前身とされる競技名を社名とした。名付け親はカール・ゴッチ日本格闘競技連盟構成団体であるため、財団法人日本レスリング協会傘下にある。

歴史

ワールド・パンクラス・クリエイト

プロレスラーの船木誠勝鈴木みのるらはメガネスーパーをスポンサーとした団体プロフェッショナルレスリング藤原組に所属していたが、経営悪化から鈴木のみが解雇されそうになり[2]、反発した船木が、1992年12月に鈴木を含む同組所属選手ほぼ全員を引き連れて離脱し[3]、設立したのが「ワールドパンクラスクリエイト」である。1993年9月21日に、東京ベイNKホールにて旗揚げ戦を行った。プロレス団体だが、発足当時に鈴木みのるは「真剣勝負だけのプロレスがパンクラス」と度々コメントしていた。現在、総合格闘技ルールで行われる通常部門の他に、MISSIONというプロレス部門が存在する。

藤原組の母体であった新生UWFの流れを汲む。「完全実力主義」を標榜し、カール・ゴッチに師事を受け、「秒殺」という流行語を生み出すほどのハイスパートな試合で多くのファンを獲得した。しかし、団体立ち上げからしばらくすると、選手のコマ不足やグラウンドでの防御技術向上などの要因により判定決着試合が増加。テンプレート:要出典範囲船木がリング上で「潰し合いは嫌なんだ!」と叫んだこともある。

1997年7月、船木率いる「東京道場」(パンクラス東京)と、鈴木率いる「横浜道場」(パンクラス横浜)に分かれたが、2002年1月に統合され「パンクラスism」となった。

現在は9つの道場に分かれている。船木は、2000年に「コロシアム2000」でヒクソン・グレイシーに敗れ引退(2007年12月31日、K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!で現役復帰)。この後パンクラスは競技団体としての色合いを濃くしていった。階級整備、ルール整備などが行われ他団体からの参加選手も目立つようになったが、パンクラス所属選手への身びいき的判定は「パンクラス判定」などと揶揄され、参加団体のSKアブソリュートからは、競技の公平性について抗議を受けている。実際、パンクラスのレフェリーはパンクラス所属であったりパンクラスのトレーナーである場合がある。同時に競技性を追求しすぎたゆえ、集客力のあるタレント力をもった選手を保持することができず、業界内で脚光を浴びる地位を得られないことを感じた選手たちは次々と離脱。バス・ルッテンケン・シャムロックフランク・シャムロックセーム・シュルト須藤元気美濃輪育久ガイ・メッツァー國奥麒樹真など多くの選手がパンクラスを離れた。

2007年にはアメリカの総合格闘技イベントBodogFightと業務提携を結んだ[4]。同年12月4日に、アメリカ・ネバダ州アスレチック・コミッションが定める階級制に変更。新階級ではスーパーヘビー級が廃止され、新たにフライ級バンタム級が新設された。2008年1月30日の興行からこの新階級制が導入された[5]

パンクラス

2008年5月、パンクラスが設立され、ワールドパンクラスクリエイトは全営業を譲渡した。ワールドパンクラスクリエイト(尾崎允実(まさみ)社長)体制は消滅した。代表取締役社長には坂本靖常務が就任。

2010年10月1日、現役選手の川村亮が代表取締役に就任。また、第三者組織による「コミッション委員会」を設置した[6]

2010年10月3日、人気選手の北岡悟が退団。

2011年、8名参加による「パンクラス ライト級グランプリ2011」を開催。元ライト級キング・オブ・パンクラシストの井上克也、外敵として、プロ修斗選手の田村ヒビキZST小谷直之らが参戦し、5月3日にトーナメント1回戦を行った。

スマッシュ

2012年5月31日付でパンクラスのブランド名および運営権を株式会社スマッシュが取得し、同社のパンクラス事業本部として運営されることになった[7]。代表にはスマッシュの代表取締役社長の酒井正和が就任し、川村前社長はエグゼクティブプレーイングマネージャーとなる。スマッシュの提携先であるDEEPとパンクラスのアマチュア部門を「ジャパンMMAライセンス」に再編し、アマチュア組織の強化を図る。また、パンクラスとDEEPの業務提携も発表された。

新体制は「世界標準」をスローガンに、様々な改革を予定、王者・上位ランカーを世界に送り込むプロモーション機関「パンクラスマネージメントの設置」、選手のアメリカ滞在時のトレーニングや生活環境・長期滞在時のバックアップを目的にした「パンクラスUSA支部の設置」、「海外ジムとの提携」、そして「ケージの導入」を改革の4本柱として掲げた。「ケージの導入は2013年を予定、また2013年は1993年にパンクラスが誕生して20周年の記念イヤーであるため、大きな会場を考えている」と酒井は話す。[8][9][10]

新体制となっての第1回大会は、6月2日「PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR」ディファ有明大会にて開催、酒井が指揮を執る、新生パンクラスの船出となった。[11]

ケン・シャムロック入閣

キング・オブ・パンクラシスト委員会」はキング・オブ・パンクラシストの地位向上を掲げ、キング・オブ・パンクラシストと対戦する世界の強豪ファイターを選考・推薦する機関。
その委員長には無差別級初代キング・オブ・パンクラシストであるケン・シャムロックが就任、「日本で過ごした時の事には良い思い出しかありません、特に日本のファンは素晴らしかったです。今後私は、酒井社長がパンクラスの栄光を取り戻そうとしていることをサポートしていきます」とコメントを寄せた。[12]

前田日明の歴史的来場

8月5日に行われたPANCRASE 2012 PROGRESS TOURディファ有明大会に、リングスCEO前田日明がパンクラス歴史上初めて来場。

前田の歴史的来場を仕掛けた酒井は、「未来の格闘技業界を見据えて、前を向いていかなければいけない。」とコメントした[13]

Krushとの電撃提携

8月8日、キックボクシング団体Krushとの電撃提携を発表した。Krushは「Team Krush」を結成しパンクラスへの出場を表明、ヘッドコーチには、元WKAUFCISKA世界ヘビー級王者である伝説的キックボクサーモーリス・スミスが就任する。この提携について酒井は「格闘技界を盛り上げ、世界に通用するファイターの育成を視野に入れた展開を目指す」とコメントした[14][15][16][17]

木口宣昭がパンクラス入閣

8月28日、五味隆典須藤元気らを育てた名指導者として知られる木口道場の木口宣昭道場長の入閣を発表、9月1日開催のPANCRASE 2012 PROGRESS TOURディファ有明大会にて木口は「特にアマチュア選手の育成、強化に努めたい」と抱負を語った。一方酒井代表からは、木口入閣は新生パンクラス発足時からの構想であったこと、自身が目指す総合格闘技業界作りを進めるには木口チェアマンとともにアマチュアの育成やプロのライセンス作りの推進が重要であること、などが話された。

木口は「アドバイザリーボードチェアマン」として、主にアマチュアの普及・育成・強化を進める。[18][19]

WSOFとの提携

2013年10月27日、K-1ファイターとして活躍したレイ・セフォーが代表を務めるWorld Series of Fighting(WSOF)との業務提携発表。併せてWSOFとライセンス契約を複数年にわたり締結、WSOF JAPANを設立し、酒井が代表を兼任。この提携について酒井は「意欲のある、日本の総合格闘家全員にチャンスを与える大会になると思います。各団体のご協力も頂き『目指せ世界』『目指せラスベガス』を行っていきたいと考えています」とコメントした[20][21]

ケージの導入

2014年5月11日の「PANCRASE 258」より「デカゴン」と呼ばれる10角形のケージが導入された。そのほかにも肘打ちを認め、サッカーボールキックを排するなど米国基準のルールを採用した[22]

トレーニングジム

P's LAB(ピーズラボ)と名付けたトレーニングジム経営が、現在の経営の柱である。1997年の設立。関東と大阪に開設されている。

階級、王座

詳しくは「パンクラス王者一覧」を参照。

階級 重量区分 キング・オブ・パンクラシスト
無差別級 体重無制限 テンプレート:Flagicon ジョシュ・バーネット
ヘビー級 93.0kg - 120.2kg未満 空位
ライトヘビー級 83.9kg - 93.0kg未満 空位
ミドル級 77.1kg - 83.9kg未満 テンプレート:Flagicon 川村亮
ウェルター級 70.3kg - 77.1kg未満 テンプレート:Flagicon 佐藤豪則
ライト級 65.8kg - 70.3kg未満 テンプレート:Flagicon ISAO
フェザー級 61.2kg - 65.8kg未満 テンプレート:Flagicon タクミ
バンタム級 56.7kg - 61.2kg未満 テンプレート:Flagicon 石渡伸太郎
スーパーフライ級 54.4kg - 56.7kg未満 テンプレート:Flagicon 清水清隆
フライ級 54.4kg未満、下限なし テンプレート:Flagicon 砂辺光久
女子バンタム級 56.7kg - 61.2kg未満 テンプレート:Flagicon 中井りん

ルール

パンクラス・オフィシャルルールに準拠[23]肘打ちは禁止されていたが、サッカーボールキック、踏みつけ、3点ポジションでの頭部への膝蹴りが認められていた。しかし、2014年4月からの新ルールでは肘打ちが解禁され、グラウンド状態の相手の頭部へ足による打撃を加えることが禁止となり、サッカーボールキックや踏みつけを行うことはできなくなった[24]。採点にはオープン・スコアリング・システムが採用されている。

選手の服装

パンクラスが認可するオープンフィンガーグローブマウスピース、ファウルカップ、タイツを必ず着用して試合をする。レスリング用のシューズなどの着用も認められている。 近年になってタイツやスパッツの代わりに現在の総合格闘技の世界で広く使われているコンバットショーツ(ファイトショーツとも)と呼ばれるハーフパンツの着用も解禁された。ただパンクラス公式ルールでは他団体とは異なりファイトショーツの着用にはいくつかの細かい規定がある。

各チームの所属選手

ism

P's LAB

TEAM FIGHT SUNS

稲垣組

MISSION

パンクラスのプロレス部門。

脱退したチーム

GRABAKA

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チーム・パオン

審判団

過去の所属選手

過去の審判

試合中継

  • 黎明期よりGAORAにて「パンクラッシュ!パンクラス」のタイトルで中継を行っていた。
  • 1997年から1998年までフジテレビ系「SRS」内でパンクラスを扱ったこともあった。
  • 1998年よりスカパー!(現・スカパー!プレミアムサービス)のパーフェクト・チョイス(現・スカチャン)にてビッグマッチのPPV生中継を開始。
  • 2000年にディレクTVと独占放送契約を結んだが、ディレクTV自体が廃局したため3大会のみで終了。そのため一度打ち切りになったGAORAでの放送が一時復活した。
  • 同年12月に開局したBSデジタル放送局であるBS朝日が放映権を獲得し、「パンクラス・ハイブリッドアワー」のタイトルで放映するも、1年で終了。
  • BS朝日と同時にCS放映権もGAORAからスカイ・A(現・スカイ・A sports+)に移り、こちらも「パンクラス・ハイブリッドアワー」として中継された。スカイ・A sports+での放送は2010年3月まで続いた。
  • 2002年からはFIGHTING TV サムライにおいても「パンクラス・ハイブリッドアワー」を放送。
  • 同年にはテレビ東京で専門番組「格闘Xパンクラス」を放送開始され、2003年の3月まで放送された。
  • 2003年には日本テレビでも「完全格闘技 パンクラス」のタイトルで中継放送が行われた。
  • 同年にはパーフェクト・チョイスのPPVも復活。2005年まで続いた。
  • 現在はFIGHTING TV サムライにて中継を行っている。(主に「バトルステーション ニアライブ」枠)
  • 一方EXスポーツでは過去の名勝負を1990年代と2000年代に分けて放送している。

興行

詳しくは「パンクラスの大会一覧」を参照。

脚注

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外部リンク

テンプレート:世界の総合格闘技団体

テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
  1. WVR Sponsor Buys Stake in Pancrase SHERDOG 2008年8月29日
  2. 船木誠勝の真実 ISBN 978-4757716193
  3. 格闘技通信 1993年2月23日号 4-7頁
  4. パンクラスがボードッグとの提携を電撃発表!日本の老舗団体と米国の新興勢力が強力タッグを結成 スポーツナビ 2007年1月26日
  5. [パンクラス]新階級は1月30日の後楽園大会より導入。軽量級が充実 BoutReview 2007年12月4日
  6. 川村亮、株式会社パンクラスの新社長に就任 BoutReview 2010年10月22日
  7. テンプレート:Cite news
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
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  23. オフィシャルルール パンクラス・オフィシャルサイト
  24. テンプレート:Cite web