パットン大戦車軍団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox Filmパットン大戦車軍団』(テンプレート:En)は、第二次世界大戦中のアメリカ軍ジョージ・パットン将軍を描いた1970年公開の映画。主演はジョージ・C・スコット

概要

パットンの生涯を映画化する動きは1953年に始まり数回行われた。パットン家はプロデューサーその他から映画制作への協力を申し込まれた。彼らはパットンの日記と家族の出演を望んだ。しかし彼らが一家を訪問したのはパットンの未亡人のビアトリス・エール・パットンの葬儀の直後で、その後家族は映画に対し頑なになり、映画化への協力を拒絶した。

家族からの協力を得られなかったフランシス・フォード・コッポラとエドマンド・H・ノースは、下記の2冊の伝記から脚本を制作した。映画はフランクリン・J・シャフナーが監督した。パットンと共に戦い下記の伝記の作者でもあるオマール・ブラッドレーも本作のアドバイザーを務めている。

映画は北アフリカでの第2軍団司令官への着任から1945年10月の第15軍司令官への異動までを描いており、ブラッドレーやドイツの情報将校オスカル・シュタイガーが狂言回しとして登場する。オープニングのモノローグは1944年6月5日、ノルマンディー上陸作戦に先立って行われたスピーチ(第3軍に対するパットンの演説)を元にした物であったが、実際のスピーチには多くの不敬表現が含まれており(パットンは平時から言葉遣いの乱暴さで有名であった)、映画ではそのような表現の大部分は排除されるかあるいはより穏やかな表現に置き換えられた。

ロケーションはスペインベルギーで行われ当時スペイン陸軍が保有していた戦闘車両(M24軽戦車M41軽戦車M48パットン等)がアメリカ軍やドイツ軍のものとして登場する。

パットンを演じたジョージ・C・スコットはアカデミー最優秀主演男優賞を受賞し、「史上最高の演技の1つ」と賞賛されたが、スコットはオスカーの授賞式を「肉のパレード」と呼んで受賞を拒否した。2003年にはアメリカ議会図書館が「文化的に重要である」として、アメリカ国立フィルム登録簿に同作を登録した。

続編として同じくジョージ・C・スコットがパットン役を演じた『パットン将軍 最後の日々』(原題:The Last Days of Patton)がある。

スタッフ

キャスト

役名 俳優 TV&ソフト版 1974年日本テレビ版 二カ国語LD版
ジョージ・パットン米陸軍大将 ジョージ・C・スコット 大木民夫 織本順吉 大平透
オマール・ブラッドレー米陸軍大将 カール・マルデン 島宇志夫 永井道雄 内田稔
チェスター・ハンセン米陸軍大尉 スティーヴン・ヤング 屋良有作
ホバート・カーヴァー米陸軍准将 マイケル・ストロング 村松康雄 仁内達之
チャールズ・コッドマン米陸軍中佐 ポール・スティーブンス 池田勝
ヘンリー・ダヴェンポート米陸軍中佐 フランク・ラティモア
ウォルター・ベデル・スミス米陸軍少将 エド・ビンズ 西田昭市 今西正男
ルシアン・トラスコット米陸軍少将 ジョン・ダウセット
バーナード・モントゴメリー英陸軍元帥 マイケル・ベイツ 宮内幸平 大木民夫
ハロルド・アレキサンダー英陸軍大将 ジャック・グウィリム
アーサー・カニンガム英空軍少将 ジョン・バリー
アーサー・テッダー英空軍大将 ジェラルド・フルード
エルヴィン・ロンメル独陸軍元帥 カルル・ミヒャエル・フォーグラー 伊藤惣一 納谷悟朗
アルフレート・ヨードル独陸軍大将 リヒャルト・ミュンヒ 宮川洋一 緑川稔
オスカル・シュタイガー独陸軍大尉 ジークフリート・ラオホ 伊武雅刀 徳丸完
ニュースフィルムナレーション 小林完吾 矢田耕司
日本語版制作スタッフ:演出:鳥海俊材、翻訳:大野隆一、調整:遠西勝三、効果:新音響、録音:シネビーム

受賞/ノミネート

受賞 人物
作品賞 フランク・マッカーシー
監督賞 フランクリン・J・シャフナー
主演男優賞 ジョージ・C・スコット
脚本賞 フランシス・フォード・コッポラ
エドマンド・H・ノース
編集賞 ヒュー・S・ファウラー
美術賞 ウーリー・マックリアリー
ギル・パロンド
アントニオ・マテオス
ピエール・ルイ・テヴェン
録音賞 ダグラス・ウィリアムズ
ドン・ベースマン
ノミネート
撮影賞 フレッド・コーネカンプ
作曲賞 ジェリー・ゴールドスミス

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:アカデミー賞作品賞 1961-1980 テンプレート:フランクリン・J・シャフナー