パエリア

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パエリアまたはパエージャバレンシア語:paella)は、どころとして知られるスペイン東部バレンシア地方発祥の、米と野菜魚介類などを炊き込んだ料理。スペインを代表する世界的に人気の料理の一つで、本場バレンシア地方ではパエリアの祭りもある。

名称

ファイル:Paella day cornudella de montsant 2003.jpg
屋外で巨大なパエリアを調理するパエジェーロ達

本来「パエリア」は、バレンシア語フライパンを意味する。バレンシア地方の外にこの調理器具を用いた料理法が伝わるうちに、調理器具よりも料理の名称としてスペイン人全体や他国民に浸透していった。パエリアを炊く人のことを女性なら「パエジェーラ」(paellera)、男性なら「パエジェーロ」(paellero)と呼ぶ。

歴史

パエリアの起源は、スペインに稲作をもたらしたアラブ人に由来する。西暦9世紀以後、アル=アンダルスムスリムの間で作られてきた。ピラフと同様にその歴史は古い。 つい近年までは、オレンジ果樹園で働く農民たちが、オレンジの木の下でパエリアを昼食として調理する姿が頻繁に見かけられたという。

製法

ファイル:Paella-Valencia-2009.jpg
ソカラ(おこげ)も賞味される。ここが一番美味という意見もある

パエジェーラと呼ばれる専用のパエリア鍋(両側に取っ手のある平底の浅くて丸いフライパン)で調理する米料理で、たっぷりの具を炒めて、米と水、黄色の着色料としてサフラン[1]を加えて炊き上げる。この際蓋をし、いわば具を蓋の代わりにして炊きあげるのが一般的である。パスタアルデンテ同様、米に僅かに芯が残るように炊くものという人もいるらしいが、本場バレンシア地方では芯の残ったものは炊き方が悪いものとして嫌われる。またバレンシアでは汁気が残ったり、米が柔らかくなりすぎたものもうまく炊けていないものとされる。一方カタルーニャ地方などでは汁気を飛ばし過ぎないパエリアが一般的である。鍋の底にはソカラ(socarrat)と呼ばれるお焦げが出来るようにする。伝統的な調理法では、ある程度炊き上げてからパエリア鍋をオーブンに入れ加熱して水分を飛ばすが、屋外で薪を使って炊いたパエリアだけが真のパエリアだとする意見もある。

調理法例 鶏肉のパエリア

食材の種類

白身魚エビ、ムール貝(ムラサキイガイ)、ヨーロッパアカザエビイカなど魚介類を用いたパエリアが有名だが、バレンシア風パエリア(paella valenciana)はウサギ肉、鶏肉、カタツムリ、インゲンマメ、ピミエント(パプリカ)など山の幸を中心に用いて作る。バレンシアの猟師が獲物を米と一緒に煮込んだのが始まりといわれ、基本的に塩とサフラン以外の調味料・香辛料は入れないので、材料の風味を生かした素朴な味わいになる。魚介と肉を両方入れたパエリアをパエージャ・ミスタ(paella mixta、ミックスパエリア)と呼ぶが、比較的新しい種類のパエリアであり、邪道と考えるスペイン人もいる。パエリアに使われる米は長粒種ではなく短粒種である。さらに、バルセロナを中心とするカタルーニャ地方では、米の代わりにヴェルミチェッリほどの細さのフィデオ(fideo)と呼ばれる長さ2~3cmの極細パスタまたは極細マカロニを用いたフィデウア(fideua)と呼ばれる料理もある。余談だが、カタルーニャ地方では残った食材の処分のために木曜日にパエリアを作っていた事から、木曜日を『パエリアの日』という[2]

パエリアの色々

脚注

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関連項目

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  • サフランは高価なため、安価な黄色着色料が使われる場合も多い
  • 世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?2012年9月24日放送分