バトントワリング
バトントワリング(Baton Twirling)とは、両端にゴム製のおもりをつけた金属の棒を回したり空中に投げたりする演技を行うパフォーマンスである。またスポーツの一種でもある。
バトン
中央の棒をシャフトと言い両端のおもりは大きい方がボール、小さい方はティップと呼ばれる。ボール・ティップは大きさが異なるために重心(バランスポイント)はシャフトの中心から少し外側にある。
技法
大別して次の3種類に分かれる。
- エーリアル - バトンを空中に投げる動作。
- ロール - バトンを手で持たずに身体を転がす動作。
- コンタクトマテリアル - バトンを手や指で回転させる動作。
コンタクトマテリアルはコンタクトと略される場合がある。 これらのバリエーション、組み合わせで技法は数千種に細分される。 また、バトントワリングでは、側転や、転回などの技も求められる。 イリュージョンなどもその一つ。 バトンの技はほとんど、海外の言葉からきている。
衣装、化粧
衣装などは、レオタードなどが主だが、ドレス等も身につけたりする。 レオタードにはスカート付などがあり選べるようになっている。 その他、自己で衣装を用意する場合もある。 華やかな衣装を身につける。
競技そのもの以外に競技者の表情等も採点の対象となるため、 化粧はアイシャドー、口紅を濃く塗る等、競技者の表情が映える 濃い化粧をする場合が多い。
また、パレード等で行なわれるバトントワリングの場合には白いロングブーツが着用される事がある。
大会等
年に1~2回バトントワリングコンテスト、年に1回選手権大会が行われる。 コンテストは各部門で課題曲が決まっており、演技時間は1分30秒
バトントワリングコンテストの種目は
- ソロトワール(基本・入門・初級・中級・上級・選手権)
課題曲 ソロスペシャル
- 2バトン(初級・中級・上級・選手権)
課題曲 トゥーバトン・ペアスペシャル
- ソロストラット(初級・中級・上級・選手権)
課題曲 栄光へのマーチ
- ペア(初級・中級・上級・選手権)
課題曲 トゥーバトン・ペアスペシャル
- ダンストワール(初級・中級・上級・選手権)
課題曲 ザ・サニーフライト
- 3バトン(選手権)である。
団体の大きな大会としてあげられる「日本マーチングバンド・バトントワーリング協会」が主催する大会は、課題曲は自由。演技時間は3~4分間。小学生の部、中学生の部、高等学校の部(バトン編成、ポンポン編成)、一般の部(バトン編成・ポンポンヘップアーツの部)に分かれており、夏に全国各地の都道府県大会、秋に地方大会を経て勝ち残った団体が、冬に全国大会に出場できる。その他にフリースタイルやコンパルソリー、技能検定もあり、大会の数は計り知れない。
その他にフリースタイルやフリースタイルペア、コンパルソリー、ショートプログラム、技能検定もある。
歴史
軍楽隊の指揮者(ドラムメジャー)が指揮杖を振り回したのが原型とされる。そのため、現代でもしばしばマーチングバンドと共に行動する。20世紀初頭にアメリカ合衆国で広まり、日本へは1959年に曲直瀬正雄によって紹介され1960年代に高山アイコ等の演技者によって学校を中心に広がった。
1977年、世界におけるバトントワリングの競技人口の急激な増加により、世界バトントワリング連合(World Baton Twirling Federation)が設立された。そして1980年、WBTF主催の「第1回世界バトントワリング選手権大会」がアメリカのシアトルで開催された。現在WBTFに加盟している国は、オーストリア・ベルギー・ブラジル・カナダ・クロアチア・イングランド・フランス・ドイツ・ハンガリー・アイルランド・セイシェル・スロベニア・南アフリカ共和国・スペイン・スウェーデン・スイス・アメリカの計23ヵ国である。
日本においては、2001年にテレビアニメ『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』が放映され、タカラが玩具のバトンを売り出した。
バトントワリングの世界大会で連続して優勝した高橋典子、稲垣正司[1]がおり、どちらも世界的に有名なパフォーマンス集団であるシルク・ドゥ・ソレイユに出演している。高橋は『テンプレート:仮リンク』(2004年から2014年予定)で、稲垣は『ZED』(2008年から2011年)でそれぞれソロの演技を披露する重要な役を担っている。
参考文献
- 高山アイコ『ビューティフル・バトン』文研出版、1984年、ISBN 4580901819
- 堀内照子『バトン・トワリング入門』講談社、1984年、ISBN 4062004542