レオタード
レオタード（Leotard）とは、スポーツウェアの一種。ダンス、体操競技などで着用される、全身にフィットするような衣服のこと。
目次
発祥
ヨーロッパ各国の王宮のスポーツ芸術であるサーカスにおいて、身体の躍動を余すところなく見せるための衣服がその発祥。フランスの人気曲芸師であった男性、ジュール・レオタール（Jules Léotard、1839年 - 1870年）が演技中、全身にフィットした服を着たことに由来し、そういった衣装（コスチューム）全般の呼び名に変化したものである。
その機能性は高く、アクロバット系競技、ダンス、器械体操（体操競技）、新体操などのスポーツシーンには欠かせない物となっている。現代ではスポーツメーカーの研究開発による最先端の繊維素材が使用され、極限までのシビアな動きが必要とされるスポーツ分野では、空力抵抗に特に優れた物や、筋肉の動きをサポートする物など、特殊な機能を持たせたウェアが開発され、スポーツ選手の運動記録の更新に一役買っている。
一般に目にする物は女性用がほとんどであるが、男性の体格に合うように縫製された物もある。
用途
テンプレート:節スタブ おもにバレエの練習着、ダンサー・パフォーマーの衣装、器械体操、新体操、エアロビクスダンス、トランポリン、フィギュアスケートなどの競技衣装である。また、レースクイーンなども着用したり、陸上競技やバレーボール、タッチラグビーなどのスポーツにおけるユニフォームとして採用することもある。
新体操やフィギュアスケートなど競技というより演技色が強い種目の大会用になると、チームで統一されたデザインや、豪華な装飾を施した物が用いられ、演技者自身も派手なメイクを施すことが多い。レオタードに素足か、ダンスシューズ・タイツなどを着用するかはそれぞれの種目によって異なる。
専用のサポーター（上半身用はファンデーショントップ、下半身用はレオタードショーツ）を着用し、その上からレオタードを着用するのが一般的。ただし、ファンデーショントップ、レオタードショーツが直接縫い付いているものについては、サポーターを着けないで直接全裸から着用することが前提のレオタードもある。また、上半身用と下半身用が一体型（ワンピース型）となった製品もある。
デザイン的に水着と見分けがつかないほど似ているレオタードもあり、そういうレオタードと水着との違いは、レオタードには水着にあるような水中での透け防止の裏地がないことである。
形状
- 腕
- 長袖、七分袖、五分袖、半袖、ノースリーブ、ペアショルダー、フレンチ、フリル袖などなど。
- 襟
- スコープネック、タックチェンジ、Ｖネック、胸Ｖギャザーネック、胸タックネック、胸ピンチネック、胸絞り、スクエアーネック、ハーフネック、ハイネックなど。
- 脚刳り（あしぐり）のライン
- ローレグ、ハイレグ、ノーマルなど。
- 体
- ワンピース、スカート付き（フィギュアスケート用のみ「フリル」と呼ばれる）ワンピース、セパレーツ（ノースリーブのトップスとスパッツなどの組み合わせ）、ユニタード（レオタードとスパッツを一体化した物）、ジムシャツ（男性用で体操競技（器械体操）用の物）、ブラタード（社交ダンスなどに用いられる。踊っている間にブラウスの裾がずり上がらないように、下部がレオタード状になっている）など。一部のジムシャツやブラタードでは股部分をボタン止めにより開閉でき、着脱がしやすい物もある。
- 装飾要素
- ベルト、シュシュ、ラインストーン、スパンコール、フリンジなど。
付随品
ハーフシューズ
- 主に新体操で履く、つま先だけのシューズ。つま先だけを覆い、甲とかかとの上にゴムをかけて留める。また、ストレッチニット素材を採用した、ソックスのようなやわらかさと、まるで素足で演技しているような足先へのフィット感が高く支持されている「デミシューズ」というものもある。
エレガンスシューズ
ジムシューズ
専用下着
- 上下がつながっているボディーファンデーション。上半身を覆うファンデーショントップ。下半身を覆うレオタードショーツがある。
バストカップ
- ボディーファンデーション、ファンデーショントップなど上半身を覆う下着を着用する前に、乳房にあてて使用する道具。
ストレッチタイツ
- より美しいレッグラインを魅せるのにレオタードの下に着用するタイツ。
シュシュ
備考
壱岐島の東部・八幡（やはた）地区の海女は、レオタードを水着として着用し、「レオタード漁」と呼ばれる。
