ニセクロハツ

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ニセクロハツ(偽黒初、Russula subnigricans Hongo)はベニタケ目ベニタケ科ベニタケ属クロハツ節のキノコ。主に夏、シイカシ林などの地上に発生する。は灰褐色、ひだはクリーム色で傷つくと赤変する。はほぼ傘と同色。猛毒で、クロハツと誤って食べて死亡した例もある。クロハツは傷つくと赤変後、しばらくすると黒変するので区別できる。ただし、毒を持たない類似種の存在が確認されており[1]、今後再分類される可能性がある。

毒性

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シクロプロペンカルボン酸

猛毒致死量は2~3本とも言われる。潜伏期は、数分~24時間。嘔吐、下痢など消化器系症状の後、縮瞳呼吸困難言語障害、筋肉の痛み、多臓器不全、血尿を呈し重篤な場合は心停止。治療は胃洗浄、強制利尿。人工透析

毒成分はルスフェリン、ルスフェロール類(細胞毒)、カナバニンGABA3-ヒドロキシバイキアイン[2]とされてきたが、橋本貴美子京都薬科大学准教授、中田雅也慶應義塾大学教授らにより、シクロプロペン誘導体の2-シクロプロペンカルボン酸が骨格筋の組織を溶解し、その溶解物が臓器に障害を与えることが判明した[3]。この物質は、有機性の生物の中では分子構造が最小の物質だという。 テンプレート:-

脚注

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関連項目

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外部リンク


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  1. 毒キノコ「ニセクロハツ」の有毒成分を同定日本薬学会、2009年6月
  2. ニセクロハツ(ベニタケ科、ベニタケ属)中毒について神戸市環境保健研究所 食品化学部
  3. ニセクロハツの強毒原因物質を解明 “謎の毒キノコ” 京薬大准教授ら、2009年5月25日配信、京都新聞