トヨトミ

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テンプレート:Infobox 株式会社トヨトミテンプレート:Lang-en-short)は、日本の大手暖房器具空調機器メーカーである。本社は愛知県名古屋市瑞穂区。冬季放映のCM[1]で有名な「トヨストーブ」で知られる。

名古屋市瑞穂区にはトヨトミのほか、パロマブラザー工業の本社がある(いずれもトヨトミから徒歩の範囲内にある)。

歴史

  • 1949年昭和24年)7月 - 中村一治が豊臣工業株式会社として設立
  • 1952年(昭和27年)2月 - 石油コンロをはじめとする自社開発品の生産を開始
  • 1959年(昭和34年)8月 - 熱処理部門を豊臣熱処理工業株式会社として分社化
  • 1960年(昭和35年)9月 - トヨタ関連部品部門を豊臣機工株式会社として分社化
  • 1962年(昭和37年) - 銅製家具の生産を開始
  • 1964年(昭和39年)1月 - 銅製家具部門をトヨセット株式会社として分社化
  • 1970年(昭和45年) - 電気暖房機器・電動芝刈機等の製造販売を開始
  • 1983年(昭和58年) - アメリカコネチカット州に現地子会社としてトヨトミU.S.A.,INC.を設立
  • 1990年平成2年)4月 - 株式会社トヨトミに社名変更
  • 1992年(平成4年)1月 - 窓用エアコンなどの夏物商品の製造を本格化
  • 1996年(平成8年)3月 - 空気清浄機の製造販売を開始
  • 2000年(平成12年)4月 - 製品のリサイクル・リユース事業を行う株式会社豊臣リサイクルを設立
  • 2007年(平成19年)6月 - ペレットストーブ等の輸入販売を行う豊臣工業株式会社を設立
  • 2010年(平成22年)3月 - 石油給湯器・芝刈り機生産から撤退(サポートは当面の間継続)

レーザーバーナー

現在は日本で唯一ポット式石油ファンヒーターを生産している。石油ファンヒーターも参照。

トヨトミは「ポット式としては」小型、余熱時間短縮、燃焼時の石油臭の低減等を実現し、さらに他の方式(ブンゼン式など)と同様の高温燃焼化に成功。これに特許と「レーザーバーナー」の商標を取得している。

小型ポット式燃焼による高い熱効率、低NOx・低CO、前シーズンの残り灯油が使用できるほどの高い耐久性、省電力[2]、静音[3]などが特徴で、同社のファンヒーターのセールスポイントになっている。またブンゼン式に比べてバーナーが上下方向に大きくなりがちな事を逆手に取り、大容量のカートリッジタンク(どでかタンク)を採用して給油回数を減らす傾向にある[4]。なお、2011年モデル以降は前シーズンの残り灯油が使えて無駄がなく、省電力設計であることから「エコバーナー」という名称になっている。

また、ポット部分を耐熱ガラス張りとし、遠赤外線を併用する「アンティークファンヒーター」も発売している(現行モデルはLR-680Cのみ)ほか、2010年度モデルからはポット式の弱点だった温まるまでの立ち上がりの遅さを克服するために、3秒ですぐに温まる電気ヒーター(セラミックヒーター)を搭載した「ハイブリッドヒーター」を発売した(2013年度モデルはLC-SHB40Dのみ)。

また、FF式石油ストーブには低NOx性能を強化した「エクセレントレーザーバーナー」を採用している。

主要製品

  • 石油暖房製品
  • アンティークストーブ
  • 電気暖房製品
  • 冷房製品
  • 除湿・冷風機
    • 除湿冷風機
    • スポットクーラー/冷暖スポットエアコン
  • 空気清浄機

石油ストーブ事故

同社が1982年昭和57年)から1983年(昭和58年)まで製造されていた石油ストーブ・LCR-3型で、2006年平成18年)12月北海道苫小牧市のアパートで親子7人がCO中毒で死亡した事故がおこった。対象機種は5機種で以下の機種が対象製品である。

  • LCR-3
  • LCR3-1
  • LS-3
  • LS-3-1
  • LS-6

いずれも1982年(昭和57年) - 1984年(昭和59年)の製造で三洋電機石油ファンヒーター事故以前の製造なので、安全装置はついていなかった。三洋電機の事故を受けて1986年(昭和61年)から回収が行われていた。しかしこの事故に関して後日わかったことだが、使用していた石油ファンヒーターは正規に購入したものではなく廃棄物として廃棄されていたものを拾って来て使っていたことが判明した。事故の当初北海道警察は業務上過失致死傷容疑でメーカー側に刑事責任があるとしていたが、これにより刑事責任を問うのは困難とみられている。

なお死亡した親子の遺族は、2008年3月に「被害拡大を防ぐための周知義務や回収・交換義務を怠った」「国が回収を命じていれば事故を防げた」としてトヨトミ及び国を相手取りそれぞれ約8000万円の損害賠償を求める民事訴訟を札幌地方裁判所にて起こしたが、このうちトヨトミに対する裁判については、2010年3月に遺族の請求を棄却する判決が出ている。

その他

石油暖房機器製造から撤退した日立製作所に代わり、日立チェーンストールに当社製品が供給されている。また、石油ファンヒーターの自社生産を中止した長府製作所にもOEM供給されている。

関連会社

  • 豊臣機工株式会社
  • トヨセット株式会社
  • 豊臣ソフト開発株式会社
  • 豊臣熱処理工業株式会社
  • 豊臣化成株式会社
  • 株式会社豊臣リサイクル
  • 豊臣工業株式会社
  • 株式会社ロイヤルフレンドシップ
  • トヨトミU.S.A.,INC

脚注

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関連項目

番組スポンサー

外部リンク

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  1. ノーマルなCMも放送されているが、中には社名と『とよとみ』違いである豊臣秀吉というのをモチーフにしたあらすじのラジオCMも放送されている。
  2. LC-32D/S32D/SDX32D/SHB40Dの弱燃焼時における消費電力は5~6W、なお、現在販売されているすべての石油ファンヒーターの中で最小の消費電力である。
  3. LC-32D/S32D/SDX32Dの弱燃焼時で18db
  4. 大容量カートリッジタンク(どでかタンク)はLC-L36D/L43D/L53D/SL36D/SL43D/SL53Dに搭載、タンク容量7L。また、タンクの給油口口金には音と手ごたえで確実に閉められる「楽2ロック」と、口金を閉め忘れたり、締め方が緩かったりした場合でも油漏れをしにくくする「こぼれま栓」が搭載されている。