デ・ハビランド・カナダ DHC-6

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デ・ハビランド・カナダ DHC-6 ツイン・オッター (de Havilland Canada DHC-6 Twin Otter) とはカナダデ・ハビランド・カナダ社(現ボンバルディア・エアロスペース)が開発した小型旅客機。未整備の短い滑走路でも離着陸が可能なSTOL性の高い19人乗りコミューター機である。

愛称にツイン・オッター[1]という名があるが、通称としてダッシュ 6(Dash 6)とも呼ばれる。オッター(カワウソ)の愛称を持つDHC-3の双発版であることに由来する。

概要

DHC-3をターボプロップ双発としたもので、1964年から開発が開始された。1965年5月20日に試作機が初飛行し、翌年には最初の量産機が就航している。しかし、未開地で運航する会社からの要請を念頭に設計された本機がコミューター航空会社から高い人気を集めたのはデ・ハビランド・カナダ社にとって予想外のことであった。また、軍用機としてもアメリカを始め多くの国で採用された(アメリカ軍での呼称はUV-18)。

主翼は高翼配置の直線翼であり、双発化に伴い約2m広げられたほか、垂直尾翼に後退角が付けられ、降着装置は前輪式に変更となっている(スキーフロートの装備も可能)。ただし、胴体部はDHC-3と同等のものをストレッチして用いており、乗客収容数が増加している。

1988年にデ・ハビランド・カナダ社での生産が終了し、総数844機が生産された。その後はより効率的な新型の機体が出現したため航空会社での使用は減少したが、中小規模の運航会社では依然として人気が高く 、現在ボンバルディア社から製造権を取得したバイキング・エア社が、独自の改良型シリーズ400の製造を行っている。

各型

-100
初期型。PT6A-20エンジンを搭載。115機生産。
-200
機首および後部の手荷物区画を拡張。115機生産。
-300
エンジンをPT6A-27(652軸馬力)に換装。他にもドアの改修、燃料容量や乗客収容数の増加などの変更を行っている。
-300S
-300の特別型。翼上面スポイラーと高性能ブレーキを装備。
-300M
-300の軍用型。輸送機型、翼下に武装が可能な暴動鎮圧用機型、下部前方に全方向探索レーダーを備えた海上偵察機型(-300MRと命名)の3種類がある。
-400
バイキング・エア社で製造。エンジンをPT6A-34に換装。

採用国(軍用)

テンプレート:Col

要目(シリーズ300)

  • 全長:15.77 m
  • 全幅:19.8 m
  • 全高:5.9 m
  • 翼面積:39 m2
  • 自重:3,363 kg
  • 最大離陸重量:5,670 kg
  • エンジン:プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6A-27 ターボプロップエンジン 620馬力 2基
  • 最大速度:314 km/h
  • 実用上昇限度:7,620 m
  • 航続距離:1,434 km
  • 乗客:最大20名
  • 乗員:1-2名

日本におけるDHC-6

ファイル:Air Hokkaido DHC-6-300 JA8799.JPG
エアー北海道のDHC-6-300

かつては日本トランスオーシャン航空(後に琉球エアーコミューターへ移管)とエアーニッポン(後にエアー北海道へ移管)で計7機運航されていたが、エアー北海道で最後まで残っていた1機が2006年3月31日の運航を最後に引退し、日本の空からDHC-6が消えた。2014年2月12日第一航空がDHC-6-400を2機を発注し、2015年初頭に引き渡される予定で、9年ぶりに日本の空にDHC-6が運航される予定である。[2] テンプレート:-

参考文献

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Commons&cat

テンプレート:アメリカ軍の固定翼機 (呼称統一以降)
  1. 日本では「オッター」が「落ちた」を連想させるとして「ツインオター」とも呼ばれた
  2. 第一航空、沖縄路線に投入するツイン・オッター400を2機購入へ FlyTeam 2014年2月12日付