タルバガン

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タルバガン(学名:Marmota sibiricaモンゴル語:Тарвага)は、リス科 マーモット属に属する齧歯類の一種である。モンゴルマーモットないしシベリアマーモットとも呼ばれる。

特徴

体長は50cm前後で、北米に生息するプレーリードッグよりも一回り大きい。草食性で、地面に巣穴を掘り群れで生活する。また、冬場は巣穴で冬眠する。現地では捕らえて肉や毛皮を利用する。肉は現地では美味なものとされる。マルコ・ポーロも『東方見聞録』の中でタルタール人の食文化について「この辺り至る所の原野に数多いファラオ・ネズミも捕まえて食料に給する」とのべており、この「ファラオ・ネズミ」はおそらくタルバガンだと考えられている。[1] 主な生息域はモンゴル中国東北部の草原地帯およびアルタイ山脈の南部(モンゴルと中国の国境付近)である。 NHK h アジア自然紀行「草原の野生馬~モンゴル」によると、タルバガンは草原の地面に穴を掘るため、土壌の通気性を良くしている。

ペストとの関連

タルバガンはペストに感染しているか、あるいはペスト菌を媒介するノミに寄生されている場合がある。そのため、生息地で衰弱したタルバガンの生体や死体を見つけても、近寄らない、触らない等の注意が必要である。また現地の人に勧められても、タルバガンを食べない勇気も必要である。心証を悪くしたくないので、どうしても食べなければならない場合は良く火を通してから、少量だけ食べるとよい。[2]

モンゴルは数少ないペスト発生国であり、どこかで毎年のように発生し、死者も出る。モンゴルではタルバガンが主な感染源とされている。ペスト患者が出ると、その感染拡大を防ぐために集落や町全体を封鎖することも度々行われている。齧歯類全般、特に野生のものについてはペスト菌の保有を前提として取り扱うべきである。

731部隊はタルバガンを生物兵器ペストノミの生産に利用した。

保全状態評価

乱獲のため、国際自然保護連合レッドリストでは絶滅危機(Endangered)と評価されている。

参考文献

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  1. マルコ・ポーロ『完訳 東方見聞録1』愛宕松男訳注、平凡社、2000年、215ページ(第二章74節)。吉田 順一「モンゴル族の遊牧と狩猟--十一世紀〜十三世紀の時代」The Journal of Oriental researches 40(3), p512-547, 1981-12-00、519ページ。
  2. 外務省:世界の医療事情/モンゴル
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