ソチ

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テンプレート:世界の市 ソチソーチテンプレート:Lang-ru テンプレート:Enテンプレート:Lang-ka テンプレート:En)は、ロシア連邦クラスノダール地方都市で、ロシア随一の保養地である。黒海に面し、アブハジアとの国境に近い。人口は39万5012人で、ソチ都市圏は黒海沿いの145kmテンプレート:疑問点に広がっている。ソーチとも表記される。[1]

歴史

6世紀から11世紀にかけて、この地域はグルジアコルキス王国(エグリシ王国、テンプレート:仮リンク)やアブハジアでラジカ王国から独立したテンプレート:仮リンク780年-1008年)に属し、テンプレート:仮リンクなどに多くの教会が作られ、11世紀から15世紀テンプレート:仮リンク978年1466年)に属した。キリスト教徒の入植地はハザールなどテュルク系遊牧民に何度も打ち壊されてきた。11世紀ビザンティン建築バシリカが現存している。15世紀からはオスマン帝国に領有された。

カフカース戦争露土戦争の結果、海岸線地帯は1829年ロシアに割譲された。1838年ソチ川の河口にカフカース戦争のために、アレキサンドリア要塞が建設された。クリミア戦争ではオスマン帝国の侵攻を防ぐために駐屯地が作られた。カフカース戦争はこの地でのミハイル・ニコラエヴィチによる勝利宣言で終結した。しかし、その後、市の一部はオスマン帝国領となった。この時代に多くの民族が入植し国際色豊かな都市になった。ロシア革命期には白軍ボリシェヴィキグルジア民主共和国の3勢力で激しい争奪戦の舞台となった。

1923年トゥアプセからアブハジアへの観光客・療養者目的の鉄道が開通、今日では北カフカース鉄道の支線となっている。この地にダーチャを設けたヨシフ・スターリンに愛され、スターリン政権時代はソ連最大のリゾート都市に成長、多くのスターリン様式の豪華建造物が建てられた。ニキータ・フルシチョフ政権時代にクリミア半島ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国からウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移されると、ソチはさらに隆盛した。ウラジーミル・プーチン政権下でさらなる投資が行われた。

アブハジア南オセチアグルジアロシア間の協定などいくつかの重要な条約締結の場所にも選ばれている。2007年7月4日シウダ・デ・グアテマラで開催されたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、2014年冬季オリンピックの開催都市に決定し、2014年2月8日から開催された。ロシアでの冬季オリンピックは、ロシア帝国ソビエト連邦時代も含めて史上初となる。

リゾート都市

ソビエト連邦時代に保養地として整備された。北のアナパトゥアプセ、南のグルジア領アブハジアガグラピツンダなどの黒海沿岸のリゾート都市とともに、「ソビエト版リビエラ」ともいえるリゾート地帯を形成していた。雪をかぶったカフカース山脈を望む美しい砂浜が広がる。気候は温暖。温泉を産し、多くの療養施設もある。毎夏には数百万人がソチを訪れる。

ソチからすぐ北にある西カフカース山脈ユネスコ世界遺産(自然遺産)に選ばれている。

スターリンをはじめ、歴代のソビエト連邦やロシア連邦の指導者たちの別荘があり、プーチンもソチの別荘で夏期休暇を過ごしている。また、イタリアの政治家シルヴィオ・ベルルスコーニも休暇を過ごすために毎夏ソチを訪れている。

雄大なカフカース山脈の他にも、美しい砂浜や温暖な気候による亜熱帯風の植生、公園やスターリン時代の様々な建築などで、休暇を過ごす人々に大変人気がある。

作家で『鋼鉄はいかに鍛えられたか』の著書でも知られる、ニコラーイ・オストロフスキーは晩年をこの地で過ごし、ニコライ・オストロフスキー博物館が市内にある。

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平年海水温 (1977–2006)[2]
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年平均
平均温 テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert テンプレート:Convert

スポーツ

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クラスナヤ・ポリアナのスキーリゾート

スポーツ設備も充実しており、ソチのテニス・スクールはマリア・シャラポワエフゲニー・カフェルニコフらを育てた。

ロシアサッカー連盟もソチに年間を通じて利用できるサッカーロシア代表チームの練習施設を建設することを発表した。

2014年冬季オリンピックは、黒海に面したソチ・オリンピックパークと西カフカース山脈のソチ国立公園内で、2014年2月8日より開催された。

2014年冬季オリンピックが開催されるオリンピックパーク敷地に建設されるソチ・オリンピックパーク・サーキットにて、2014年からF1ロシアグランプリを開催する予定である。

交通

2014年冬季オリンピックに向けて、ロシアで3都市目になるライトレール鉄道が建設され、1月24日から五輪期間用ダイヤでの運行が始まった[3]。オリンピック村(オリンピックパーク駅クラースナヤ・ポリャーナ駅の2スポット)、市街地中心部(ソチ駅)、ソチ空港を結ぶ3路線からなる。4スポットのハブ(拠点)機能を果たす駅としてアドレル駅がある。総延長は86.4km、駅数24、高架と地下、山岳トンネルからなり、時速160kmで運行される予定である。

反面、クラースナヤ・ポリャーナへの鉄道新線の沿線住民にとっては、新線建設によりバス停や幹線道路への近道が切断され、通勤・通学に大きな支障が出ている[4]

環境問題

五輪開催決定以降、建設廃材などの大量のゴミがソチの周辺各地に持ち込まれ、自然破壊が 行われたり、癌にかかる住民が急増するなどの問題が生じている[5]ロシア天然資源環境省はゴミの持ち込みや危険性を否定しているものの、地元の環境保護団体によってゴミの層などが確認されている[4]

友好都市

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出身者

脚注

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外部リンク

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  1. 新詳高等社会科地図、帝国書院編集部、1990年、ISBN978-4807120567
  2. Sochi Water temperature 1977-2006 (in Russian), Retrieved August 9, 2012.
  3. ソチ冬季五輪:鉄道、特別ダイヤに 駅では持ち込み規制(毎日新聞2014年1月27日東京朝刊).2014年2月5日閲覧
  4. 4.0 4.1 月刊ソチ五輪:住宅地に迫るゴミの山 環境破壊、憤る住民 毎日新聞 2013年11月12日 東京朝刊。2014年3月15日閲覧
  5. 【ソチ五輪開幕】大国ロシア復活の旗印 裏に環境破壊や汚職も 47NEWS2014年2月8日.2014年3月15日閲覧