スペースゴジラ

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スペースゴジラ (SpaceGodzilla) は、映画『ゴジラvsスペースゴジラ』に登場した架空怪獣

略称は「スペゴジ」[1]。別名は「戦闘生命[2]」「宇宙凶悪戦闘獣[3]」など。

この他、特撮テレビ番組『ゴジラアイランド』(1997年)、パチンコ『CRゴジラ3』にも登場している。

特徴

ゴジラと酷似した外見を持つ。異なる点としては「ゴジラに比べ青みがかった体色」「鳴き声」「頭部に生えた黄色い角」「口元に生えた牙」「両肩から背中にかけて水晶様の大きな結晶体が2つ生えており、背びれと尻尾の先端も結晶化している」「腹部の筋肉や内臓がむき出しになっているように見える」等があげられる。肩の結晶体から宇宙エネルギーを得て活動するため、この部分が破損するとエネルギー供給に支障をきたして急速に弱体化し、エネルギーが尽きると絶命する。

権藤教授の推論によると、「宇宙へ飛散したビオランテの細胞か、宇宙へ飛び立ったモスラに付着していたゴジラの肉片かは定かではないが、いずれかに含まれていたG細胞ブラックホールに飲み込まれて結晶生物と恒星の爆発エネルギーを吸収、ホワイトホールから放出された結果、異常進化して誕生した」とされる。非常に高い知能を持ち、ゴジラを倒すという直接的な目的のために地球へ来襲した。性格は極めて凶暴であり、『ゴジラvsモスラ』で宇宙へ旅立っていったモスラの分身であるフェアリーモスラにより、三枝未希にその存在と脅威が伝えられた。コスモス曰く「ゴジラが倒されれば、地球は征服される」とのこと。ゴジラと同じ細胞を持っているためか、リトルゴジラはスペースゴジラを仲間だと勘違いした。

スペースゴジラ自身が一種の電磁波を発しているらしく、電子機器に干渉して動作障害や通信障害を発生させる事があり、「テレビが映らない」「コインのスロットが常に大当たりになる」「ゲームセンターのクレーンゲームの景品が自動で出てくる」などの現象が発生した。

自らが生み出した無数の結晶体を使って、特定の範囲内に宇宙からエネルギーを無限に供給するエリアを作り出す事が出来る。エリアが崩壊するか、エネルギーを受信する役目を担う肩の結晶体を破壊されない限りほぼ無敵である。背中の結晶を大型化する事で、空中・宇宙空間を問わず飛行可能(低空であれば、結晶体を巨大化させなくても飛行できる)であり、速度は宇宙空間では光速テンプレート:Refnest、大気圏内でもマッハ3となっている。さらに飛行形態では大型化した結晶体からリング状の衝撃波を撃つことができる。背中の結晶体は感覚センサーの役割も果たし、頭に生えている角「スペースホーン」はレーダーの役目を担う。耐久力にも優れ、ゴジラが通常使う熱線は通用せず、余波だけでゴジラを昏倒させたMOGERAのオールウェポンとゴジラの熱線の同時攻撃を受け切り、肩の結晶体を破壊されても致命的なダメージは負わず、自身のエネルギ-を逆吸収したゴジラのバーンスパイラル熱線のみが決定打となっている。 生命の危機を迎えると、全身が鈍い赤色に点滅する。

  • 重力をコントロールしてゴジラを宙に浮かせる設定は台本になく、特技監督の川北紘一が「宇宙怪獣らしい必殺技」として提案したもの[4][3]
  • 玩具アンケートでは昭和怪獣を差し押さえて上位を獲得した結果、現在もなお商品化が多い(ガシャポンHGシリーズで2度商品化された他、ソフビ人形のムービーモンスターシリーズでも現役ラインナップである)点など、ゴジラのバリエーションを持つ強敵として若い世代から幅広く人気のある怪獣である。『CRゴジラ3』では新撮カットで登場している。
デザイン
決定デザインは吉田穣。スーパーファミコンゲーム超ゴジラ』に登場した、ゴジラの進化型である「超ゴジラ」がベースとなっている[5][6]。結晶生物というコンセプトは小林晋一郎の案によるもの[6]
これらのコンセプトが定まる前は、ゴジラを四本足化したもの、背びれを翼のように巨大化させたもの、歴代怪獣を模した姿に変態する不定形なものなど様々なデザインが描かれた[6]

『ゴジラvsスペースゴジラ』のスペースゴジラ

  • 身長:120メートル
  • 体重:8万トン

(飛行形態)

  • 全長:250メートル
  • 体重:72万トン
  • 飛行速度:マッハ3

劇中での命名者は、G研究所の生物工学教授・権藤千夏。

武器

  • コロナビーム:口から吐く赤色のビーム。ゴジラの放射熱線を上回る威力を持ち、さらに光線を「曲げる」ことができるため、様々な角度からの攻撃が可能である。光線の放射効果音は特有のものだが、肩の結晶体を破壊されて以降はゴジラの熱線と同じものになっていた。
  • グラビ・トルネード:肩の結晶体から超能力(念力や反重力としている資料もある)を放ち、ゴジラの巨体を持ち上げ蹂躙する事が出来る。
  • フォトン・リアクティブ・シールド:バリアを張り巡らし敵の攻撃を跳ね返す。ゴジラの熱線をものともしない強度を誇る。
  • テールスマッシャー:尾の先の結晶体を敵の身体に突き刺し攻撃する。
  • ホーミング・ゴースト:周囲の結晶体を操りミサイルのようにして敵を攻撃する。
  • フォトンハリケーン:飛行形態でのみ使用。全身からリング状の電磁波を発射する。計器を狂わせる効果があり、コロナビームと体当たりとの併用でモゲラを戦闘不能に追いやった。

劇中での活躍

アステロイドベルトMOGERAと交戦し中破させる。その後バース島に襲来し、ゴジラを一度はダウンさせて戦闘不能に追い込んだ。リトルゴジラを結晶に幽閉した後、札幌山形(破壊どころか着陸描写もなく、実質通過している)、神戸などを破壊し、福岡都心部を無数の結晶体で埋め尽くしエネルギーエリアを構築。ゴジラとMOGERAを迎え撃ち、2対1の不利な戦闘にも関わらず苦戦させるが、肩の結晶体とエネルギーを集めていた福岡タワーをゴジラとランドモゲラーとMOGERAのスパイラルグレネードミサイルに破壊される。しかし、反撃に転じコロナビームによりMOGERAのレフトアームを破損させ、さらにテールスマッシャーで胴体を貫き中破させる。その後もタワー倒壊によりバトルフィールドが意味をなさなくなり、肩の結晶体を失い力が半減した状態でなおもゴジラを苦しめ悪足掻きを続けるが、再起動したMOGERAの突進を受け大ダメージを負い、ダウンし、それでも立ち上がるがゴジラの熱線の連射を受けて力尽きる。そこに、スペースゴジラのエネルギーを逆吸収して放ったゴジラのバーンスパイラル熱線を3発受けて爆死し、MOGERA共々炎上。結晶化した粒子が宇宙に帰っていった。

バトルフィールドを自ら作り、更に超能力やバリアを駆使するなど、他の怪獣にはない特異な戦法を持つ。

造形

スーツはゴジラよりも大柄ながら、テンプレート:要出典範囲。着ぐるみの他に、全長1mほどの飛行形態用造形物が存在する。


『ゴジラアイランド』のスペースゴジラ

X星人の操る怪獣として登場する。本作における最初の敵怪獣として、トレマ登場編で初登場。武器は口から吐くコロナビーム。映画と同様に肩の結晶体が弱点。

Gガード基地を襲いゴジラと戦うも、トレマのパンナトルテのレーザーとゴジラの熱線を同時に浴びてあっさりと倒された。後に「スペースゴジラの悪霊編」でドゴラの手によって悪霊として復活。ゴジラに取り憑き脱水症状にして苦しめ、他の怪獣のオーラを吸わせて襲わせた。その後、キングシーサーがゴジラに御札を貼り付けた影響でゴジラと分離、実体化して完全復活する。オーラを吸ってフルパワー状態になっており、ゴジラを苦しめたがジュニアとゴジラの親子によるダブル熱線で再び倒された。後に、第二シーズンの「スペースゴジラの悪霊再び編」でその悪霊が再び姿を現したが、これはランデスがゴジラアイランドの怪獣を自滅に追い込む為に、霧をスクリーン代わりにして投影していた映像だった(この時のスペースゴジラは頭に三角布を着けていた)。

スーパースペシャルスペースゴジラハイグレードタイプ2

作品内における2代目スペースゴジラ。第二シーズンの「スペースゴジラの悪霊再び編」に登場。角と両肩の結晶体が黄金に輝いており、その戦闘力は通常のスペースゴジラより高い。

上記のランデスの作戦が失敗した事を見越した暗黒大皇帝が、密かにゴジラアイランドに潜伏させていた。最初はランデスのトリックにより、悪霊だと思われていたが、鬼ヶ森でナオが目撃した事もあり、ゴジラアイランドに姿を現した。始めは圧倒的な力でゴジラを叩きのめすが、ミサトがランデスの作戦を真似て作った、超巨大ゴジラの映像に怯んでいる隙に本物のゴジラに左肩の結晶体を砕かれ、宇宙へ逃げ去った。

  • 通常のスペースゴジラのソフビ人形の色を塗り替えたものを使用している。

その他の作品に登場したスペースゴジラ

出典・参考文献

脚注

テンプレート:Reflist テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 一度だけだが本編中でも実際にそう呼ばれている。
  2. テンプレート:Cite book
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite
  4. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「.E3.83.91.E3.83.B3.E3.83.95」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  5. "平成ゴジラ大全1984~1995" より
  6. 6.0 6.1 6.2 テンプレート:Harvnb

テンプレート:ゴジラ