スズガモ

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スズガモ(鈴鴨、学名:Aythya marila テンプレート:AU)は、カモ目カモ科ハジロ属に分類される鳥類の一種。

形態

全長はオスが約46 cm、メスが約43 cm、翼開長は74-80 cm[1]。小型の潜水ガモ(海ガモ)類であり、成鳥はくちばしは灰青色で目は黄色。オスは黒い頭で緑の光沢がある。メスは全体的に褐色。嘴の基部に白い斑がある。キンクロハジロと配色が似ている[2]

名前の由来は、飛ぶときの羽音が金属質での音に似ていることから[1][3][4]

分布

繁殖地は北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部である。冬季はヨーロッパ北部、カスピ海中国東部、北アメリカ西部及び東部に渡り越冬する。アリューシャン列島では、留鳥として周年見られる。

日本では冬鳥として、亜種スズガモが海岸に多数渡来する[1]。日本に渡来する海ガモ類では、最も渡来数が多い種とされる[1][3][4]東京湾藤前干潟などでは毎冬大群が見られる。北海道東部ではでも観察される。

生態

越冬期には、主に内湾など波の静かな海に大群で生息する。ただし少数の群れで海や海に近い湖沼等にも分布する。多くの場合、カモ類は同じ場所に生息するため、本種を含めた色々な群が見られる。

主に潜水して採食する。頭から水中に1分近く潜ることもある[3][4]アサリを始めとする貝類などを食べるが、水草を食べることも希にある。昼間のみならず、夜間も採食する。貝類を採食する時は、貝殻ごと丸呑みにし砂嚢(砂肝)で消化する[2]。このため、体内に強力で大きな砂嚢を持っている[4]

繁殖地は湿地である。巣は水辺の草むらや藪の中、岩の間に作り、しばしばコロニー状に営巣する。また、カモメアジサシ類のコロニー内に営巣することもある。1腹8-10個の卵を産む。抱卵期間は24-28日である。

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スズガモのメス 近縁種のキンクロハジロのメス 東京湾で越冬するスズガモ

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリスト軽度懸念(LC)の指定を受けている[5]

日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[6]

旭山動物園が1995年に日本国内で初めて人工孵化に成功して繁殖賞を受賞した。

亜種

以下の2亜種に分類される。

  • Aythya marila marila オオスズガモ
  • Aythya marila mariloides スズガモ[6]

Sibley分類体系上の位置

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脚注

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参考文献

関連項目

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 ひと目でわかる野鳥 (2010)、47頁
  2. 2.0 2.1 里山の野鳥ハンドブック (2011)、187頁
  3. 3.0 3.1 3.2 色と大きさでわかる野鳥観察図鑑 (2002)、206-207頁
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 散歩で楽しむ野鳥の本 (2008)、34-35頁
  5. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「IUCN」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite web - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web