ケムラー

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テンプレート:Pathnav ケムラーは、特撮テレビ番組『ウルトラマン』を始めとする「ウルトラシリーズ」に登場する、架空の怪獣。別名「毒ガス怪獣」。

『ウルトラマン』に登場するケムラー

ウルトラマン』第21話「噴煙突破せよ」に登場。

  • 身長:35メートル
  • 体重:1万トン
  • スーツアクター:鈴木邦夫[1]

死火山だと思われていた大武山より火山活動の再開により突如出現する怪獣。爬虫類的な外観を持ち、同様の外耳がない耳を持つ。背面の甲羅は威嚇時に展開し、内側の極彩色の部分を盾のように見せる。最大の武器は口から発光とともに吐き出す猛毒ガス(通称:ダークセント)。その成分は火山ガスと同じ濃度の高い亜硫酸ガスである。また、サソリのような尻尾から二条の破壊光線を発射する。見た目以上に強敵で、スペシウム光線が効かないほどの強靭な皮膚を持つ。

当初は山頂付近の鳥を死滅させ、やがて観光客を襲い、さらに麓の街に出現し毒ガスをまき散らしたため、防衛軍が出動するも撤退に追い込まれる。

弱点は展開する甲羅に隠れた心臓で、最期はここをイデ隊員が開発したマッド・バズーカで攻撃され、自ら火山の中へと落下し爆死する。

第35話では怪獣墓場を漂っている姿が描かれている。

  • 成田亨のデザイン画では、下顎が左右二つに分かれて開くように描かれており[2]、デザイン画どおりに造型された。着ぐるみの下顎にある割れ目はその名残[3]テンプレート:Sfn
  • 高山良策の日記には当初ガマクジラの着ぐるみを改造する予定だったが改造怪獣は手間がかかるので新造することにしたと記してある。ケムラーの体の型自体はガマクジラと同じものを使用しているテンプレート:Sfn
  • 脚本の時点では背中の甲羅が開く描写はなく尾をクジャクの羽のように広げると書かれていたテンプレート:Sfn
  • デザイン画の時点では甲羅は顔の部分まで覆っていたが高山によってアレンジされた。ケムラーの弱点は、台本では口の中の発光器官だったが、造形の時点で背中に変更された。ガスをはくときに口の中が光るのはその名残である。この変更のため口の中が光るのを見たホシノが口の中が弱点だと気づく流れがカットされ、本編では特に理由のないまま背中が弱点だと気づくという、不自然な展開になっているテンプレート:Sfn
  • 甲羅は最終話に登場するゼットンの甲羅へ組み合わせられたと言われており、この説は『ウルトラマンベストブック』(竹書房・1993年)のコラムにも記述されている。
  • ウルトラファイト』ではウルトラマンに無理な体勢に持ちあげられ、急所である瘤(こぶ)を破壊され倒される。
  • 名前の由来はから[4]

『ウルトラマンパワード』に登場するケムラー

ウルトラマンパワード』第2話「その名はウルトラマン」(米国版サブタイトル:CATCH A KEMURA BY THTAIL)に登場。玩具などではパワードケムラーの名称が用いられている。

  • 体長:85メートル
  • 体重:3万トン

山中に出現した毒ガス怪獣。データベースを検索したベック隊員によると「27年前にアジアで大暴れした」とされる[5]。尾の先から高濃度の亜硫酸ガスを噴射し、長い舌で獲物を捕獲する。外観は初代よりも爬虫類に近く(カイ曰く「おばけイグアナ」)、展開する甲羅に隠されているが弱点。四足歩行の怪獣だが、後ろ足は膝を地面に付かない。パワードと戦い、背中の殻を無理やり開かれたところをストライクビートルに攻撃されて倒される。

その他の作品に登場するケムラー

過去の映像を流用しての登場

新世紀ウルトラマン伝説
パワードケムラーが登場。
甦れ!ウルトラマン』、『大決戦!超ウルトラ8兄弟
ハヤタの回想シーンに登場。

その他

  • 前作『ウルトラQ』の未使用シナリオには「ケムラーの逆襲」というタイトルがあり名前は同じだが、こちらのケムラーは毛虫の怪獣。

脚注

  1. 『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社、2012年、ISBN 978-4-06-218128-0)
  2. 『成田亨画集 ウルトラ怪獣デザイン編』(朝日ソノラマ・1983年)p.48
  3. 『ファンタスティックコレクションNo.35 ウルトラマングラフィティ』(朝日ソノラマ・1983年)
  4. ケイブンシャ『ウルトラマン特撮の秘密百科』114頁
  5. 画面には1976年の中国と表示されているので、『ウルトラマン』に出現した個体のことではない。
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite book

関連項目

テンプレート:ウルトラ怪獣