カザルス三重奏団

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テンプレート:Portal クラシック音楽 カザルス三重奏団は、アルフレッド・コルトーピアノ)、ジャック・ティボーヴァイオリン)、パブロ・カザルスチェロ)によって結成された、20世紀前半を代表するピアノ三重奏団(ピアノ・トリオ)。カザルス・トリオCasals trio)。

コルトーの多彩で詩的なピアノ、ティボーの繊細で高雅なヴァイオリン、カザルスの精神的で雄弁なチェロと、3人の個性はそれぞれであったが、これらが渾然一体となった演奏は、音楽史上のひとつの奇跡ともいわれる。

結成は1905年第二次世界大戦直前まで約30年間にわたり、演奏活動がつづけられた。例えば、ブラームス二重協奏曲では、ティボーとカザルスがソリスト、コルトーが指揮をするなど、ピアノ三重奏団の枠を超えた結びつきがあった。最終的には、コルトーがナチス・ドイツに協力的であったことから、これに反発したカザルスが袂を分かったといわれる。カザルスが抜けた後、ピエール・フルニエが加わった。

EMIレーベルにハイドンベートーヴェンシューベルトメンデルスゾーンシューマンらのピアノ三重奏曲SP録音が残されており、いまだにこれらの曲の代表盤として不滅の評価を保っている。