アカエゾマツ

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ファイル:Picea glehnii1.JPG
アカエゾマツの葉

アカエゾマツ(赤蝦夷松、学名テンプレート:Snamei)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉樹エゾマツと共に北海道の木に指定されている。

特徴

樹皮がエゾマツより赤みがかっているのでこの名がある。条件によって樹高は大きく異なるが、条件が良ければ40m以上の大木となる場合がある。葉は長さ6-12mm程度で、断面は菱形。エゾマツの葉の断面は扁平なので、この点からも両者は区別できる。球果は長さ4.5-8.5cm程度。

分布と生育環境

北海道に分布の中心があり、その他には国後島色丹島サハリン最南端・岩手県早池峰山に分布する。北海道ではエゾマツと分布域が重なるが、湿地や蛇紋岩地、土壌の薄い溶岩上や火山灰土上などの、より条件の厳しい場所で優先する。このような場所ではエゾマツ・トドマツの生育は困難なため、しばしば純林を形成する。

現在は北海道以外にはわずかしか分布しないが、最終氷期には、東北地方にも広く分布していたことが化石資料から知られている。しかし最終氷期が終わると、気温の上昇と降雪量の増大のため、ほとんどが姿を消した。早池峰山にごくわずかに分布するアカエゾマツは、その最後の生き残りである。

利用

材は他のトウヒ属一般と同様に、建築材や土木用材としても使用可能だが、近年は資源の枯渇によって伐採量が減っており、弦楽器の表面板など比較的高価な用途に使われることが多い。北海道では植林も行われる。

天然記念物

岩手県宮古市の「早池峰山のアカエゾマツ自生南限地」が日本の国の天然記念物に指定されている。

アカエゾマツをシンボルとする地方自治体

脚注

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関連項目


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