ちくわぶ

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ちくわぶ竹輪麩は、小麦粉を加えてこねた物を素材とし、成形して蒸しあげた食材である。
元々は関東独特のもので、全国的には「ちくわぶ」という存在すら知らない人が多かった。しかし近年はコンビニチェーン店でのおでん種の一つとして全国的に出まわるようになったことや、大手スーパーで真空パックの製品が取り扱われるようにもなったため、関東地域以外でも認知度は高まりつつある。

歴史

おでん種(タネ)として利用される事が多く、1937年(昭和12年)発行『軍隊調理法』では、おでんの種としてがんもどき・こんにゃく・大根・里芋・竹輪麩が上げられている。
だが近年まで、東京を中心とした埼玉と神奈川、千葉の一部でしか見られず、全国的には殆ど知られていなかった。

落語の「時そば」の噺の中で、そば屋を褒めちぎる一節の中に「他のところではちくわぶを使っているのに、ここのそばはちゃんとちくわを使っているねぇ」という行があり、庶民の食材として使用されていた様子がうかがえる。

関東大震災の直後に、関西人によって、炊き出しが行われた際、作られたものと思われるテンプレート:要出典

詳細

グルテンを多く含んだ強力粉を原材料として使用する。これに水と少量の塩を加え何度も練り上げ、コシを出す。これを切り分け更に何度も引き延ばす。延ばしを繰り返すことでグルテンがまんべんなく結合される。延ばした生地はしばらく寝かされ、生地の組織を安定させる。その後「巻き付け」の工程に入る。巻きつけては引き伸ばす工程を行うことにより、断面は何層にもなった構造になっている。これを型に入れ25分ほど高温で茹でる。そして高温のうちに型抜し、水に浸すことによって「延ばし」の工程となる。製造工場で直接売られる場合はこの状態のままで売られるが、店舗へと出荷される場合は、さらに真空パックの処理が施される[1]

これによりだんごすいとんを煮詰めたようでありながら、強いコシのあるモチっとした食感となり、外側に歯車のようなギザギザが付き、竹輪のようにが空いた形状となる。途中までの製造工程はうどんに似る。

少量の塩以外の調味料が使用されておらず、煮込み料理やおでんなど、煮込んで味を付けて食べる。おでん種の他はすき焼きに入れたり、きな粉をまぶしたり、しるこなどの具として用いられることもある。

おでん種としては珍しく小麦粉で作られているため、おでんを食べる時の「主食」代わりとして口にする人もいる。 軟らかく煮込まれてさまざまな素材の味が出た「つゆ」を吸ったものが好まれており、クタクタになるまで煮込んだものを好む人もいるが、煮込み過ぎるとちくわぶが溶け出して「つゆ」が濁ってしまうため、好みと頃合いを計って煮られる。また吸い込むつゆも十分にうま味がないと味気ないものとなってしまう。

デンプンを洗い流さない小麦粉で作られている事から、の種類ではなくグルテンのみから作られる生麩とも異なるが、漢字表記では「竹輪麩」ともされており別説もある[2]

最近はちくわぶを食材としてコース料理を提供するイベント「ちくわぶナイト」が開催されて、ちくわぶ好きの人たちから注目を集めている。

脚注

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関連項目

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外部リンク

  • 有限会社川口屋「ちくわぶ」製造工程
  • 紀文では「京生麩が原型である事が考えられ、精進料理の麩を元に関東で作られた説がある」と、別の説を論じている。