えひめ飲料

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テンプレート:Infobox 株式会社えひめ飲料(えひめいんりょう)は愛媛県松山市に本社を置く飲料メーカーである。清涼飲料製造販売を事業とする。

概要

後述の「ポンジュース」で知られる企業である。

もとは農協自体で製造から販売まで手掛けていたが、当該農協が全国組織と統合したのと前後して、組合・公益法人による営利事業に対する規制が強化され、営利事業は一般企業を作ってそこに移管させる必要が生じたことから設立されたものである。従って、全国組織のJA全農が株主となっている。

この会社と同じ位置付けにあるのが、“サンレイ”のブランドで知られる佐賀県農業協同組合(JAさが)の子会社「JAビバレッジ佐賀」である。

沿革

  • 1948年(昭和23年) - 母体である愛媛県青果販売農業協同組合連合会が発足
  • 1952年(昭和27年) - ポンジュース発売開始
  • 1998年(平成10年) - 愛媛県農業協同組合連合会が発足
  • 2003年(平成15年) - ジュース事業を農協組織から分離し、会社設立

事業所

製造工場

ポンジュース

ポンジュースとは1952年(昭和27年)に発売された果汁飲料である。「えひめのまじめなジュース」をキャッチコピーに販売されている。姉妹品としてポン(POM)の名を冠したグレープやりんごの果汁飲料も存在する。

発売当時の愛媛県青果農業協同組合連合会会長であった桐野忠兵衛が発売前年アメリカで柑橘類の加工工場を視察し、愛媛のみかん産業発展のためにみかんジュースの製造販売を発案したことで商品化された。発売当初は果汁100%ではなかったが[1]1969年(昭和44年)果汁100%に変更された。現在はこの時をポンジュースの誕生としており2009年(平成21年)に「40周年」を迎えたとして盛大にキャンペーンを打った。

名称の由来は当時の愛媛県知事久松定武が日本一(ニッポンイチ)のジュースになるようにという意味をこめて名付けたことによる。ただし、愛媛(特に中予地方)の方言で「ポン」は「くだらないもの」、「糞」という意味もあり、発売当時は「糞のジュースか?」と揶揄されたこともある。オランダ語で柑橘果汁を指すponsや文旦を指すpomelo、果樹栽培法pomology(英語)などの言葉との関わりも考慮されている[2]。当初ローマ字表記はPONであったが、前述の柑橘と関係の深い言葉とのつながりを重視し1953年(昭和28年)に現在のPOM表記に変更された。

当初は農協組織が直接販売まで手掛け、一時明治乳業宝酒造から委託販売されていた時期もあったが、組合の営利活動規制により現在はえひめ飲料が製造から販売までを一貫して行う。愛媛県青果農業協同組合連合会時代のCMソング『愛媛みかんの歌』『ポンジュースの歌』は、藍美代子が歌い、作詞は伊藤アキラ、作曲は平尾昌晃。非売品のソノシートのジャケットには東君平のイラストがある。

ポンジュースの出る蛇口
「愛媛県では、水道の蛇口のひねるところが3つあり、青い蛇口は水、赤い蛇口はお湯、オレンジの蛇口はポンジュースが出る」というネタがある。えひめ飲料自身が販売促進キャンペーン用の賞品として利用する。また、今治市のJAおちいまばり直売所「さいさいきて屋」や松山空港のロビーに期間限定で「ポンジュースの出る蛇口」を設置する。
みかんのうた
SEX MACHINEGUNSが愛媛のみかんへの「愛」を歌う曲であり、歌詞にはポンジュースが含まれている。またえひめ飲料は、SEX MACHINEGUNSが愛媛でライブを行う際に大量のポンジュースや花を贈る。同曲中ではみかんを「オレンジに負けない黄金色の果実」と呼ぶが、ポンジュースはみかんとオレンジ両方の果汁を使用する。
みかんごはん
愛媛県の学校給食で、ダシの代わりにポンジュースを入れた炊き込みご飯である。「あけぼのめし」「オレンジピラフ」ともいう。
みかんパン
愛媛県の学校給食で、見た目は普通のコッペパンと同じだが、中はオレンジ色で、酸味がある。
ジュースの日
ジュース給食ともいい、愛媛県のすべての公立の小中学校で夏場に週に1度ポンジュースが配られる。
コラボ商品
ポンジュースコロン(江崎グリコ):ポンジュースで作ったクリームを使ったコロン。四国限定。
チロルチョコ ポンジュース(チロルチョコ):オレンジ色のチョコの中にポンジュースのゼリーが入っている。
ポンジュースグミ2(サクマ製菓):ポンジュースで作ったグミ。すっぱいパウダー付きで名前に「2」が付いた。
ポンジュースとヨーグルト(四国乳業):ポンジュースで作ったフルーツソース入りヨーグルト
ポンジュースシャーベット(栄屋乳業):ポンジュース入りのシャーベット
ハイチュウポンジュース(森永製菓):ポンジュース味のハイチュウ。一度製造終了したが、2014年5月から同年8月まで「ポンジュースハイチュウアソート」として期間限定で復活。
チューハイ果実の瞬間 贅沢みかんテイスト(アサヒ飲料):ポンジュース味のチューハイ
ポンジュースもち (国分 (商社)(日本橋菓房):ポンジュース入りのもち。2012年11月末から2013年5月末までの期間限定販売。
ポン 果実スパークリング(日本たばこ産業) :ポンジュースを使った炭酸飲料。2013年3月11日から自動販売機限定[3]

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. 発売当時は低果汁飲料であってもジュースという呼称が使用できた。
  2. えひめ飲料ホームページQ&A「ポン」の名前の由来
  3. テンプレート:Cite news