佐賀空港
テンプレート:Infobox 空港 佐賀空港(さがくうこう、テンプレート:Lang-en-short)は、佐賀県佐賀市にある地方管理空港である。愛称は有明佐賀空港(ありあけさがくうこう)。
目次
概要
佐賀県南部の有明海に面した干拓地に、1998年7月28日に開港[1]。
干拓地に近い立地のためバードストライクが多発しており、離島空港を除けば全国で最も発生率の高い空港の1つである[2]。そのため、当空港では対策として爆音機の導入や滑走路のパトロール、散弾銃での威嚇(いかく)射撃などを行っている。
開港以来、福岡空港の混雑を避けたチャーター便の発着が見られ、アジア圏への定期的チャータープログラムが組まれることもある。
年間利用客数は、国内323,414人、国際48,609人(2013年度)[3]。
開港当時から赤字が続いており[1]、2011年度の赤字は約2億200万円[4]。佐賀県は利用客を増やそうと、乗合タクシーにおいても佐賀市南部エリア発着を除き補助金を支出している。また、佐賀県の補助において、航空機の夜間滞泊(ナイトステイ)が東京/羽田便において行われている。東京発最終便が乗客を降ろした後、当空港で夜を明かし、翌朝早朝に東京に向けて出発する。これによって東京日帰り出張が可能と謳い、結果として東京便は開港当初の1日2往復から3往復となった(その後さらに増え、2014年7月現在は5往復[1])。県は乗務員の宿泊費用などの負担や、夜間の駐機料を免除するなどの補助を行い、2011年度までに総額約76億円を支出している[1]。
歴史
- 1998年(平成10年)7月28日:開港。
- 1999年(平成11年)4月1日:西鉄バスが定期路線を廃止。
- 1999年(平成11年)7月20日:昭和バスと西肥バスが定期路線を廃止。
- 1999年(平成11年)8月31日:祐徳バスが定期路線を廃止。
- 2000年(平成12年)7月:東京国際空港便の夜間駐機開始。
- 2001年(平成13年)9月1日:日本エアシステムの大阪国際空港便 運休。
- 2002年(平成14年)11月1日:大阪国際空港便 増便(1日2往復)。
- 2003年(平成15年)2月1日:名古屋空港便 運休。
- 2004年(平成16年)7月8日:東京国際空港との間で夜間貨物便が就航。
- 2005年(平成17年)10月1日:東京国際空港便 増便(1日3往復)。
- 2006年(平成18年)2月24日:中部国際空港との間に貨物専用機での貨物便就航。
- 2006年(平成18年)8月1日:中部国際空港路線を利用した国際貨物輸送開始。
- 2007年(平成19年)10月5日:チャイナエアラインのチャーター機が滑走路をオーバーラン。離陸には成功したが過走帯灯1灯を破壊。
- 2008年(平成20年)1月7日:関西国際空港との間の夜間貨物便 就航。(中部国際空港路線からの変更)
- 2008年(平成20年)7月1日:佐賀空港発東京国際空港行きと、関西国際空港発佐賀空港行きの夜間貨物便 運休。北部九州マルチエアポート制開始。
- 2008年(平成20年)11月1日:東京国際空港便 増便(1日4往復)。
- 2010年(平成22年)10月31日:羽田-佐賀、佐賀-関空間夜間貨物便減便(土日祝運休)
- 2011年(平成23年)1月5日:大阪国際空港便 運休。
- 2012年(平成24年)1月18日:春秋航空による上海浦東国際空港(上海)線(プログラムチャーター便)が就航。
- 2013年(平成25年)9月2日:有明佐賀空港 - 福岡直行高速バス路線(西鉄バス)が運行開始。
- 2013年(平成25年)12月:国際線ターミナルビル完成[5]。
- 2013年(平成25年)12月20日:ティーウェイ航空による仁川国際空港(ソウル)線 就航[5]。
- 2014年(平成26年)2月4日:夜間貨物便の運航ルートを関西-羽田-佐賀-関西の片道運航から羽田-佐賀間往復運航に変更。
- 2014年(平成26年)7月1日:全日本空輸による東京国際空港線 増便(1日5往復)[6][7]。
- 2014年(平成26年)7月:防衛省は2015年度から陸上自衛隊に導入される新型輸送機 MV-22オスプレイ の全17機を佐賀空港に配備を目指す意向を表明した。[8]。
- 2014年(平成26年)8月1日:春秋航空日本による成田国際空港(東京)線 就航[9][10][11]。
- 2014年(平成26年)8月10日:米軍普天間飛行場に配備されている新型輸送機オスプレイの佐賀空港への暫定移駐案を防衛省が当面見送る考えを示した。[12]。
施設
国内線ターミナル
テンプレート:節stub 国際線ターミナルビル完成までは、国内線の空き時間に国際線を受け入れ、そのたびに税関や出入国管理、検疫に必要な審査台を運び入れるなどしていた。
- 1F:出入口 搭乗カウンター 自動販売機コーナー 到着ロビー
- 2F:むっぴースカイショップ(土産物売場) 出発ロビー 搭乗待合室(制限区域内) スナック「CRUISE」(制限区域内)
- 3F:スカイギャラリー レストランCAMPHOR 有料待合室
- RF:展望・送迎デッキ(有料)
国際線ターミナル
コストを抑え、国際線に欠かせない機能だけを配置した設計で、搭乗ブリッジやチェックインカウンターなどは国内線ターミナルと共用である。
- 1F:税関 手荷物受取所 動植物検疫所
- 2F:入国審査 免税店 搭乗待合室
- 3F:保安検査場 出国審査
その他
敷地内には、現役引退後のYS-11機(JA8733)が保存されていた。この機体は、「空港に駐機する航空機が少なくて寂しい」として佐賀県がエアーニッポンに譲渡を要望、開港時の1998年7月に寄贈を受けたものである[13]。2005年までは一般に公開され、その後は貨物ターミナルの増設と管理区域への立ち入り規制の厳格化に伴って非公開とされた。屋外に設置されていることによる損傷が目立っており、2009年12月に隣接する佐賀空港公園へ移動。再塗装などの整備を受けた上で2010年3月28日から一般公開されている。
就航路線
国内便
国際便
貨物便
- 全日本空輸 (ANA)
- 東京国際空港(羽田空港)
深夜に羽田と佐賀の間を1往復、週5便(火、水、木、金、土曜日)運行。機材はボーイング787-8で787の佐賀就航は初めて。
2004年の就航当初は旅客機により1日2往復が運行されていたが、2006年の路線変更(中部国際便1往復を新設、羽田を1往復に減便)時にボーイング767-300F貨物専用機に変更された(中部国際空港便は2008年1月に関西国際空港便に変更)。その後2008年7月より、東京国際空港の新滑走路建設工事に伴い同空港の滑走路使用可能時間帯が制限されるため、工事が終了する2010年(平成22年)10月末までの予定で佐賀空港発東京国際空港行が運休、さらに機材繰りの関係で関西国際空港発佐賀空港行が運休となった(羽田-佐賀-関西の1便)。しかし土日・祝日の貨物量が平日の半分にとどまるため、佐賀発東京行きは復活どころか採算改善のため2010年10月31日より土日・祝日の便を運休させることになった[14]。2014年に羽田往復が再開されたが(同日関西国際空港便0.5往復は廃止)、機材は貨物専用機から旅客機の貨物スペース利用に再度戻されている。
廃止された路線
- 全日本空輸 (ANA)
- 日本エアシステム (JAS)
- 大阪国際空港(伊丹空港)
空港へのアクセス
自動車
- 長崎自動車道 佐賀大和ICから車で40分。
- 空港での貸出しで、2名以上、利用時間24時間以内なら料金1,000円(消費税込)のレンタカーが利用できる。
- 駐車場は利用時間・利用日数にかかわらず無料。収容台数は約750台。
バス
以下の事業者が佐賀空港への連絡バスを運行している。国際線接続便は国際線運航日のみ運行する。
- 佐賀市交通局 - 佐賀空港発着の航空各便に接続して佐賀駅バスセンターと佐賀空港を結ぶ路線を運行する。東京線接続便は途中の主要停留所に停車し、所要時間35分。国際線接続便は途中ノンストップで直行し、所要時間30分。国際線接続便はハイデッカーで運行する。
- 西日本鉄道(西鉄バス)・福岡-佐賀空港線 - 国際線に接続して福岡市と佐賀空港を結ぶ路線を運行する[15]。福岡市内の西鉄天神バスセンター・TVQ前バス停・博多バスターミナルおよび佐賀県基山町の基山パーキングエリアに停車する。所要時間約2時間。
開港当初は佐賀市内のほかに佐賀県北部、佐賀県西部、福岡県南部方面向けにバス路線が設定されていたが、これらは利用客数の低迷によりわずか1年程度で相次いで廃止されている。
リムジンタクシー
完全予約制の乗合タクシー(1人でも利用可)で、空港から概ね30km以内の佐賀県南部・南西部や福岡県南西部の各地に設定されている。運行会社・乗降場所・運賃などの詳細は佐賀空港ホームページ等を参照。佐賀県の強い要請によって運行が行われている経緯から、発着地を佐賀市内とする便を除いて佐賀県が支出する補助金によって運行されている。利用客数については、こちらも低迷しているとの報道がある[16]。
その他
マルチエアポート制
2008年7月1日より、福岡空港・北九州空港・佐賀空港の3空港発着の航空券にて、変更可能な航空券であれば乗降地を変更できるマルチエアポート制を実施している(ただし航空会社は就航している全日本空輸 (ANA) に限定される)。
九州国際空港案
都心部に近い福岡空港は、市街地における騒音問題から早朝深夜に運用できず、空港の拡張も難しい等の制約を抱えている。このことから、既存の佐賀空港を拡張し、成田、関西、中部に次ぐ九州国際空港を整備する案を佐賀商工会議所などが提唱している[17]。
福岡市、熊本市、長崎市などへも周辺の道路や鉄道を利用する事で1時間前後でアクセスすることができ、北部九州における経済効果が見込まれる。しかしコストや需要の問題などから、現在まで実現の目途が立っていない。また、福岡空港の混雑解決策を検討した、国土交通省、福岡県、福岡市による「福岡空港調査連絡調整会議」は、近隣空港との連携は福岡空港の混雑の抜本的な解決策にはなり得ないと判断したため、実現の可能性は低くなっている。
夜間貨物便の就航
「空港から半径2キロ以内に民家がなく、空港周辺の騒音被害の心配がない」という触れ込みで、2004年に夜間貨物便の誘致に成功した[1][18]。重量のある貨物機の運航により着陸料が増え、旅客便に比べ1便当たりの収入が3倍になっている[19]。
しかし、空港周辺は佐賀市沿岸部の人口希薄地帯であるため騒音被害は発生していないが、飛行経路下には福岡県柳川市の[20]人口密度の高い地域も位置しているため、福岡県の自治体で騒音被害が問題となった。協議の末、住宅密集地域の上空を避けて飛行するなどの妥協案をとることとなり、深夜の空港付近での飛行ルートは昼間とは違うルートを採用している。
一般航空
佐賀空港内に本社を置くエス・ジー・シー佐賀航空が空中写真撮影や宣伝飛行、農薬散布、飛行訓練などの航空機使用事業や、不定期航空運送事業である遊覧飛行を行っており、ゼネラル・アビエーションの利用も行われている。
ギャラリー
- SagaAirPortA320toHanedaANA456.jpg
佐賀空港より飛び立った羽田行きANA456便
- 佐賀空港エアステア.JPG
大阪便はボーディングブリッジでなくエアステアにて乗降
- SagaAirPortA320.jpg
A320が羽田への出発の準備中
脚注
外部リンク
- 有明佐賀空港 – 佐賀県
- 有明佐賀空港 – 佐賀ターミナル
- ニコニコ動画 佐賀空港・さよなら大阪便 (佐賀新聞社提供、2011年1月)
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 5.0 5.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 2014年サマーダイヤ 国内線路便計画の一部変更について 〜7月より羽田=佐賀線を増便いたします!〜 〜夏休み期間に羽田=沖縄線をはじめとするリゾート路線の増便を行います!〜 全日本空輸 2014年4月23日付
- ↑ 佐賀-羽田線増便(5便化)記念セレモニーを実施します 佐賀県 2014年6月26日付
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 春秋航空日本、東京/成田〜高松・広島・佐賀線に2014年6月27日就航! ダイヤを発表! Traicy 2014年3月25日付
- ↑ 中国系LCCの「春秋航空日本」も就航延期 パイロット不足で8月まで Sankei Biz 2014年6月6日付
- ↑ 国内3路線に中国系格安航空=成田拠点の「春秋日本」 時事ドットコム 2014年8月1日付
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 佐賀空港に野ざらしYS-11 化粧直し後に公開へテンプレート:リンク切れ 『読売新聞』 2009年12月14日
- ↑ 佐賀空港の貨物便ダイヤ変更 土日祝運休へ - 佐賀新聞2010年9月1日
- ↑ 高速バス「佐賀空港~福岡線」時刻表(2013年12月20日~) 佐賀県、2013年12月20日(2013年12月22日閲覧)
- ↑ 「空港乗り合いタクシー」利用低迷 - 佐賀新聞2008年6月3日
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 夜間貨物便についてテンプレート:リンク切れ
- ↑ テンプレート:Cite episode
- ↑ テンプレート:Cite news