ババール
ババール (Babar) はフランス人絵本作家ジャン・ド・ブリュノフによって1931年に発表された絵本『ぞうのババール』の主人公であり、架空のゾウ。
英語版は"The Story of Babar"といい、1933年にイギリスとアメリカで発表された。
この絵本はブリュノフの妻・セシルが自らの子供たちのために創作した物語を基にしている。
擬人化されたゾウで、服を着て2足歩行をする。腕には指がないが、長い鼻が代わりにものを持つ役割を果たす。
アニメーションのテレビシリーズは、以下の2シリーズが制作された。
- 『ぞうのババール』…ネルバナ社とクリフォード・ロス社により1989年1月3日から1991年6月5日まで65話製作され、2000年に13話が追加された。
- 『ぞうのババール ~バドゥのだいぼうけん~』…2010年度にネルバナ社とチームTOが中心となって制作された。
目次
[非表示]物語の概要
ババールは最愛の母をハンターにより虐殺され、ジャングルから逃げてパリへ行き、老婦人と友達になる。その老婦人はババールに服を買い与え、彼を学校に通わせる。だが、平和に暮らしていくうちにババールは故郷を思い出すようになる。
ババールが象の国に戻ると、象の国王が毒キノコにより死亡していた。象の評議会はババールがフランスの教育を受け、新しい国王になるために適当であると認める。ババールは象の国王になり、いとこのセレステと結婚し、セレステ村を起こす。
明るい緑のスーツを着るのが好きなババールは西洋文明(まさにフランスの形式)を仲間の象たちにもたらし、象たちはすぐに西洋の服装を着るようになる。
家族は妻のセレステと彼らの三つ子の子供たち(ポム、フローラ、アレキサンダー)。後に次女(イザベル)が登場。
ババールの他の仲間は、セレステの弟・アルチュール、年寄り象でカウンセラーのコーネリアス、ポンパドゥール(テレビシリーズのために作られた)、猿のゼフィール。
後にババールの世話をした老婦人は国賓として象の国に受け入れられる。
カウンセラーたちの存在がありながら、ババールは王として組織から独立し、独裁的であるが、彼の『穏やかな権威主義』の形のリーダーシップは国民にとって全体的に利益をもたらす。
ババールは象の国の西洋化の他、Rataxes卿により好戦的なサイの国と戦うこととなる。
批評
一部の作家、特にハーバートR.コールとビビアン・ペーリーは、表面的に楽しいけれども物語が政治的に、そして道徳的に不快で、植民地主義を正当化する話と捉えることができると主張した。
他には初期の本で記述されるフランスの文明が第一次世界大戦によってすでに崩壊し、そして本は当初1914年より前のフランスに対するノスタルジアであるとの主張もあった。
音楽物語
フランシス・プーランクが1945年にピアノと語り手のための音楽物語として作曲している。 詳しくは『小象ババールの物語』参照。
アニメ
- 『ぞうのババール』
- 以下『ババール』と略。カートゥーンネットワークで放映されている。
- 『ぞうのババール ~バドゥのだいぼうけん~』
- 以下『バドゥ』と略。
- 『ババール』の続編であり、ババールの孫のバドゥが主人公である。なお、本作品は3D風になっている。ディズニー・チャンネルで放映後、専門チャンネルのディズニージュニアで2014年7月21日から放送中。
- 『ぞうのババール・ザ・ムービー』
- 映画版。前述『物語の概要』最終行の『好戦的なサイの国と戦う』というのが主なあらすじ。
- 絵柄は『ババール』と同じ2D風だが、キャラクター名は(『バドゥ』同様に)『ババール』のTVシリーズからは変更されている。
『ババール』キャラクター
名前が2つ書かれているキャラクターは、TVシリーズ/映画版の順。
- ババール王
- 声 - 有本欽隆
- 主人公で、ゾウの国の国王。
- ババール(子供時代)
- 声 - 三田ゆう子
- ババールが子供たちに過去の出来事を語りかけるうちに現れる回想シーンでのみ登場(一部のエピソードを除く)。
- セレステ王妃/セレスト王妃
- 声 - 芝夏美
- ババールのいとこで妻。
- セレステ(子供時代)/セレスト(子供時代)
- 声 - 池本小百合
- ババールが子供たちに過去の出来事を語りかけるうちに現れる回想シーンで、時々登場する。
- ポム
- 声 - 柴田由美子
- ババールの子供たち(3つ子)のうちの1人(長男)。
- 『バドゥ』では、主人公バドゥの父親になっている。
- フローラ
- 声 - 荒木香恵
- ババールの子供たち(3つ子)のうちの1人(長女)。ポムの妹。
- アレクサンダー
- 声 - 南央美
- ババールの子供たち(3つ子)のうちの1人(次男)。ポム&フローラの弟。
- イザベル
- 声 - 三浦雅子
- ババールの子供たちのうちの1人(次女)で、3つ子の共通の妹。
- コーネリアス/コルネリウス
- 声 - 藤本譲
- ババールの友達兼側近。
- キバがあり(ババールのそれよりずっと長い)、髪の毛はない。
- 先代王の急逝後に、ババールはコーネリアスが王に最もふさわしいと考えていたが、ポンパドゥールの呼びかけで、全会一致でババールが王に選ばれた。
- ポンパドゥール
- 声 - 峰恵研
- ババールの友達兼側近。
- アニメ版オリジナルキャラクターで、原作には登場しない。
- 髪の毛があり(ロールケーキまたは巻物を巻いてる途中のような髪型)、キバはない。
- コーネリアス&ポンパドゥールの2人とも、第1~3話ではババールに対して敬語は使っておらず、第4話からババールに対する呼称が「ババール」または「お前」から「陛下」になった。
- ババールの父親
- 先代のゾウ一族の王。本名不詳。
- ババールが生まれて間もないときに、ハンターに急襲され、住んでいたジャングルから一族総出で逃亡した。
- その途中にババールは群れとはぐれてしまい、第3話で再会するも先代王はハンターからの逃亡先で誤って毒キノコを食べ、急逝する。
- ババールの母親
- 先代のゾウ一族の王妃。本名不詳。
- 夫などとともに逃亡する途中で、ハンターからババールをかばいつつ銃殺されてしまう。
- ゼファー/ゼフィール
- ババールの友達でサル。『バドゥ』ではチクの父親。
- ラタックス王/ラタクセス王
- 声 - 青森伸
- サイの国の国王。
- ラタックス王妃/ラタクセス王妃
- 声 - 片岡富枝
- 老婦人
- ババールの育ての親ともいえる女性で、彼女のことをババール夫妻は『おばさま』と呼んでいる。
- この作品で数少ない人間のキャラクター。
『ババール』サブタイトル一覧
- ババールの たびだち
- ババール まちへいく
- おうさま ババール!
- まちを つくろう!
- ハンターを やっつけろ!
- どっちを えらぶ?
- つきまで きょうそう!
- かぞくといっしょが いいね
- ともだち レジナルド
- わがままな バレリーナ
- デュエット できるかな?
- きえた おうかん
- おんがくホールの ひみつ
- すてきな プレゼント
- がっこうへ いこう!
- どっちの みかた?
- みずうみを まもれ!
- ぞうと さいの てつどう
- ほんとうの ともだち
- じてんしゃ きょうそう
- がまんは だいじ
- ゆうかいはんは だれ?
- いたずら ゼフィール
- ポムの かいぶつたいじ
- かいぶつ コンガのしま
- あらしの おもいで
- フローラの いえで
- しんぶんを つくろう
- イザベルの かくれんぼ
- まほうの くすり
- すてきな おとうさん
- アルチュールおじさんと かいぞく
- ひみつの トンネル
- コインのやくそく
- おうさま ラタックス
- かわいい いもうと
- あおうみへびの おやこ
- のんびり いこう!
- みんなの たからもの
- こどもたちの しゅくだい
- なんでも しょうじきに
- UFOが せめてくる!?
- ババール、パリへむかう
- じぶんで きめよう
『バドゥ』キャラクター
以下の5名は『ババール』TVシリーズと名前が少し違う。
- セレスト王妃=『ババール』セレステ王妃
- コルネリウス=『ババール』コーネリアス
- ゼフィール=『ババール』ゼファー
- ラタクセス王=『ババール』ラタックス王
- ラタクセス王妃=『ババール』ラタックス王妃
- バドゥ
- 声 - 芹亜希子
- 主人公で、ゾウの国(=セレストビル)の王子。
- チク
- 声 - 下釜千昌
- バドゥの友達で、サルの女の子。
- ジェイク
- 声 - 中上育実
- キツネの男の子。
- 各地を放浪しているうちにバドゥと出会い、友達になるとともにゾウの国に定住する。
- ザワディ
- 声 - 上田茜
- バドゥの友達で、シマウマの女の子。
- マンロー
- 声 - 沖田愛
- バドゥの友達で、ヤマアラシの男の子。
- ババール王
- 声 - 石井隆夫
- ゾウの国の国王で、バドゥの祖父。
- セレスト王妃
- 声 - 華村りこ
- ババール王の妻で、バドゥの祖母。
- ポム
- 声 - IKKAN
- バドゥの父親にしてババールの長男。しかし、なぜか普通のゾウ(建築家)で、作品中にほとんど出てこない。
- 彼の弟と2人の妹(バドゥからみて叔父・叔母たち)であるフローラ、アレクサンダー、イザベルも同様。
- ペリウィンクル
- ポムの妻で、バドゥの母親。しかし、夫以上に登場回数が少ない。
- コルネリウス
- 声 - 永井寛孝
- 『ババール』では黒縁メガネをかけていたが、今作では赤縁に変更されている。
- ポンパドゥール
- ゼフィール
- チクの父親。幼少のときから引き続いて赤いベレー帽をかぶっている。
- クロコディルス
- 声 - IKKAN
- ワニの大使。非常に腹黒い性格ゆえに、マンローにはとても嫌われている。
- ディラシュ
- 声 - 加藤拓二
- クロコディルスの甥で、ターシュのいとこ。
- ターシュ
- 声 - 落合佑介
- クロコディルスの甥。叔父と違って優しい性格で、バドゥたちと時々遊んでいる。
- ストリッチ先生
- 声 - 雨蘭咲木子
- バドゥたちの先生でダチョウ(但し現実世界での学校教師よりは家庭教師または私塾に近いようである)。
- ダンスが得意。
- ラタクセス王
- 声 - 永井寛孝
- サイの国の国王。
- ラタクセス王妃
- 声 - 雨蘭咲木子
- ラタクセス王の妻。本名不詳。
- 『ババール』より言動が少々荒っぽくなっているようである。
- ルーディー
- 声 - 中上育実
- ラタクセス王夫妻の孫。バドゥとはあまり仲が良くない。
- ダンディ・アンディ
- 声 - IKKAN
- セレストビル郊外のサバンナに住むライオン一族の長。
- スリーク
- 声 - RICO
- 雌の黒豹。この作品中で最も凶暴で、しばしばセレストビルの住人を襲撃する。
- プロスペロ
- 声 - 永井寛孝
- 水牛の山賊。以前ババールによって追放処分にされたが、最近またセレストビルに戻ってきた。
『バドゥ』サブタイトル一覧
- なぞのスパイ / くしゃみびょう
- バドゥのダンス / ひみつの にわ
- おもいでパーティー / クサーイ!
- はなのラッパ / セレストビルのおんがくたい
- ききゅうの ぼうけん / あめふりキャンプ
- まねっこ / カバヒーロー
- いとこのルル / チョコレートとバナナのスープ
- ハリネーター / トリュフのかおり
- チクの はつめい / ひこうせんダービー
- しぜんの なかで / スーツケースだいさくせん
- かいぞくの たからばこ / みんなの あそびば
- ジェイクと おうさまのほん / くろはなと まほうのいし
- モンキー・キャンプ / ゆうじょうのメダル
- ほんとうのゆうき / せんせいのミュージカル
- ボブ / ジャングルのわるもの
- はなのちから / シマウマのたたかい
- きえたルビー / ダンディ・アンディ
- シャトルボンたいかい / バナナぶとうかい
- ゆうこうのひ / あたらしい ともだち
- おもちゃのひこうせん / ボールとしょうぞうが
- きえたココナツ / ぼうけんか
- きょうりゅうのたまご / かぜのたに
- スニーカーをさがして / ジャングルのたからさがし
- ジェイクのたんじょうび / マンローのゆめ
- たそがれをさがせ! / イタズラはだれ?
- つきとほしとたいよう / ガックスのきんこう
- レスキューせんし ゴーゴーゴー! / くろはなの たからもの
- ひみつのトンネル / コルネリウスのぼうけん
- そらのワニ ターシュ / ワニのわるだくみ
- おとなの しるし / うたの つえ
- ビュンビュンマシン / みんなが しゅやく
- レスキューせんし だいかつやく! / うたうコガネムシ
- うたの たからさがし / モンスターの もり
- においパトロール / くろはなの かくれが
外部リンク
- 公式サイト(英語、仏語、日本語)(日本語サイトは、2006年3月31日を以って閉鎖されたが、復活?)
- ぞうのババール(カートゥーン ネットワーク)
- ぞうのババール 〜バドゥのだいぼうけん〜|テレビ番組|ディズニー・チャンネル