ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

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テンプレート:Infobox Filmゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(ゴジラたいメガギラス ジーしょうめつさくせん)は、2000年12月16日に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第24作である。

キャッチコピーは「地球最大の死闘(デスバトル)」。20世紀最後のゴジラシリーズ作品である。

興行収入は12億円、観客動員は135万人。

概要

第3期ゴジラシリーズの第2作。新たなシリーズ化に際し、シリアスなドラマ性よりも空想科学映画としての娯楽性を重視して製作されている[1]

本作のゴジラは過去に3度日本を襲った怪獣と設定される。1954年の東京襲撃時にオキシジェン・デストロイヤーで倒されておらず、その間の日本襲撃も含めて同じ個体である。1954年の東京襲撃時のシーンはシリーズ第1作『ゴジラ』のフィルム映像に新ゴジラや新撮映像を加えて映像化している。

登場怪獣はゴジラメガギラスメガヌロンメガニューラ。主要襲撃地点は東京(渋谷、お台場)。

手塚昌明の監督デビュー作である[2]。手塚は監督を引き受けるに当って「女性を主人公とすること」「超兵器を出すこと」を条件に挙げたという[2]

フルCGで描写された泳ぐゴジラやメガニューラの大群などコンピューターグラフィックスやデジタル合成が多用され、合成カット数は548カットに及んだ[2]

ストーリー

1954年、初めてのゴジラ東京襲撃によって大阪に首都が遷った。1966年、東海村に上陸したゴジラにより原子力発電所が破壊され、日本政府はゴジラの攻撃目標になるため原子力発電の永久放棄を決定した。1996年、原子力発電の代替を目標としてプラズマエネルギーの開発が行われていた大阪の「クリーンエネルギーファクトリー」がまたもゴジラに破壊されるのだった。奥村知治と共に生き残った辻森桐子は、1996年の13人の自衛隊員出動作戦で隊長の宮川卓也を亡くしており、復讐としてもゴジラ打倒に生命を懸けていた。

2001年、辻森桐子により秋葉原でスカウトされたマイクロマシンの天才・工藤元と物理学者・吉沢佳乃により対ゴジラ兵器として開発されたディメンション・タイド(ブラックホール砲)の試射によって時空の亀裂が発生、そこから太古の巨大昆虫メガヌロンが現れた。

巨大昆虫の卵からかえったメガヌロンが人間を襲い、さらにはメガヌロンにより渋谷の地下水脈が崩壊し水没してしまう。無数のメガヌロンは羽化して成虫メガニューラになると、群れをなして奇岩島でゴジラに襲いかかった。メガニューラの群れはゴジラとの戦い、さらにディメンション・タイドにより壊滅するが、生き残りは水没した渋谷に舞い戻り、水底で眠る巨大なメガギラスにエネルギーを与える。羽化したメガギラスは周囲を破壊すると姿を消した。

ゴジラはお台場に上陸するが、その前にメガギラスが飛来。G対策本部はディメンション・タイドにより両者の消滅を図るが、メガギラスの超高周波によりディメンション・タイドが故障してしまう。ディメンション・タイドの必死の復旧作業が続く中、死闘を繰り広げるゴジラとメガギラス。果たして人類はゴジラを倒せるのだろうか。

登場怪獣

登場兵器・メカニック

特殊戦闘機グリフォン
Gグラスパー所属の万能戦闘機。ホバリングや瞬間的な音速への到達を行うことができる。乗員数は3名。形式番号は「GX-810」からで、元々は「FX(=次期戦闘機)」として開発されていたが、1996年、首都・大阪へのゴジラ襲来で発足したGグラスパーに配備されている。現場でのゴジラ捜索に備えて、SGS(後述)やゴムボートも搭載している。劇中で登場した機体は4機目の「GX-813」。
  • 全長:18メートル
  • 重量:15トン
  • 飛行速度:マッハ3
  • 武装
ディメンション・タイド(ブラックホール砲)
特G対がプラズマ・エネルギーの原理を応用して開発した、マイクロブラックホール生成機。物理学者・吉沢佳乃が設計した。超マイクロ加速器で人工ブラックホールを生成し、大気圏外からゴジラを攻撃、その完全消滅をはかる。起動からブラックホール弾発射まで5分を要し、使用後1時間の冷却を要するため連続使用はできない。ただし、一撃の威力は半端でなく、地表では直径100メートル四方が吸収、消滅する。
廃校となった山梨県の町立白州小学校校舎での試射実験後、マイクロマシンの若き天才、工藤元によって小型化に成功、種子島宇宙センターから人工衛星に搭載され宇宙へ打ち上げられた。ディメンション・タイドという名は「次元の潮流」という意味で、工藤によって名付けられた。工藤は頭文字の「DT」を本体表面に書き込んでいる。
SGS(Search Godzilla System)
特G対が開発したゴジラ自動追尾装置。航空機に似た姿である。「S1 (Search)」に用いられる。ゴジラの音や熱を感知し、人工衛星を通じて、特G対にそのデータと映像を送信する。日本周辺海域で、常時ゴジラ警戒をしている以外にも、グリフォンにも搭載されている。工藤元はミニSGSも2機開発し、水没した渋谷の水中探査に使用された。
  • 全長:2メートル(オリジナル)
  • 速度:40ノット
B-10弾(ホウ素弾)
5年前のゴジラ大阪襲撃の際に対ゴジラ特殊部隊がゴジラ攻撃に使用した特殊砲弾。ロケットランチャーに装填して多くの弾数をゴジラに命中させたが、効果は全く無かった。
ドラゴンアロー
航空自衛隊のF-15に装備された架空の航空魚雷。「G消滅作戦」の支援で参加したF-15編隊が、奇岩島への誘導のため、周辺の海中を航行するゴジラに向けて発射した。

設定

特別G対策本部
略称・「特G対」。
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Gグラスパー
英語表記はG-GRASPER
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対ゴジラ特殊部隊
5年前のゴジラ大阪襲撃時に出動した、自衛隊のゴジラ専門チーム。隊長の宮川を筆頭に、辻森班・武居班・大石班の3班に分かれてゴジラに戦いを挑んだが返り討ちに遭い、桐子と奥村以外の隊員は殉職した。
プラズマエネルギー
永久放棄された原子力発電の代替・増加する電力需要に対処するために、1996年に科学技術庁が中心となり、大阪に建設されたクリーンエネルギーファクトリーで研究開発された重水素を原料とするクリーンエネルギー。このエネルギーによる発電は人々の期待を担った。
ゴジラを引き寄せないことを念頭に研究開発されたがそれは叶わず、ゴジラはこのエネルギーに誘引されて大阪に出現。これを受けて日本政府は本エネルギーの研究開発を停止させた。
1966年からの30年間に科学技術庁は水力火力太陽光(ソーラー)・風力などの発電にも注力したが、原子力発電の域には達しなかった。
架空の建造物
大阪国会議事堂
1954年のゴジラ初襲来により、大阪に遷都した。大阪城公園内に建てられている。それ以後「大阪府→大阪都」「東京都→東京府」になっている。建物の外観は、実在する国会議事堂と同じ。
大阪プラズマ発電研究所(クリーンエネルギーファクトリー)
1996年に建設された原子力発電に代用するプラズマエネルギーの開発研究が行われていた施設。しかし設立直後ゴジラによって破壊される。
お台場空中庭園ビル
FCGビルに隣接して建っている。メガギラスとの戦いで破壊されてしまう。建物のデザインはFCGビルに似ている。
パレットタウン空中展望台
パレットタウンの手前に建っている。上空シーンからは、先述の空中庭園ビルと共にCGで合成されている。
渋谷国立科学技術研究所
渋谷に建てられている施設。杉浦の指示で密かにプラズマエネルギーを開発しており、最終的にゴジラに破壊されてしまう。

主な登場人物

辻森 桐子
本作の主人公。冷静沈着で気丈なGグラスパーの隊長。階級は3佐。5年前は自衛隊の「対G特殊部隊」出身で、大阪でのゴジラとの戦いで上官の宮川を殺され、その遺志を受け継いで、残された認識票を肌身離さず所持している。ゴジラ打倒に闘志を燃やして勇猛果敢に挑み、男顔負けの活躍を見せる。その反面、子ども相手には優しく接する一面も持つ。
工藤 元
秋葉原でジャンク屋を営んでいるマイクロマシンの天才エンジニア。軟派な性格で軽い態度が目立つが、メカニックに対しての熱意と愛情は誰にも負けないほど強い。最初は特G対への協力を断ったが、ディメンション・タイドの開発計画に感銘を受け参加を決意する。
特G対に協力していく中で、徐々に桐子に気がある素振りを見せ、自ら開発した超小型発信機付きの信号弾やミニSGSを提供したり、自らのPCのオリジナルOSに搭載したチェックプログラムのキャラクターに「キリコ」と名付けたりしている。渋谷の水中探査活動支援に出向いた際に、出現したメガギラスの攻撃で負傷して右腕を骨折するが、渋谷へのゴジラ攻撃の際には桐子と連携してディメンション・タイドを発射し、作戦を成功させた。
新倉 誠
Gグラスパーの広報官。特G対の窓口として外部との接触を取り仕切る。階級は准尉。仲間内では人当たりが良く、報道陣にも国民を案じた催促を投げかけるなど基本的には良心的な人物である。
美馬 和男
Gグラスパーのオペレーター。元潜水艦のソナー担当で、無精髭と乱れた髪形が印象的な情報収集のプロ。階級は1曹。ディメンション・タイドの発射管制も担当する。
工藤に対しては余り快く思っていなかったのか、中盤までやや素っ気なく接していたが、渋谷へのディメンション・タイド発射時には発射を志願する彼に後事を託し、作戦成功後には共に喜び合うほど打ち解けていた。
早坂 淳
小学生の少年。山梨県白州からの引越し前に偶然ディメンション・タイドの実験を目撃し、後に時空の歪みから出現したメガヌロンの卵を拾い持ち帰るが、その不気味さに恐怖を感じ、引越し先の排水溝に捨てて渋谷水没のきっかけを作ってしまう。そのことを隠さずに桐子に打ち明けたり、引越し前に目撃した実験を秘密にすると約束するなど、根は素直な少年である。
大の虫好きで、桐子から「昆虫博士」と呼ばれる。
本編のラストで、転校先の小学校の理科室で再び出現したゴジラを目撃する。
細野 精一
Gグラスパーのパイロット。階級は1尉。グリフォンを操縦し、最前線に立つ。他の隊員ほど口数は多くないが、グリフォンの操縦テクニックに優れ、ゴジラの熱線を全て回避させている。
奥村 知治
Gグラスパーのクルー。桐子と同じ対G特殊部隊出身者。階級は3尉。少々荒っぽい口調が特徴だが、桐子の理解者であり、対ゴジラ作戦時だけなく工藤のスカウトの際にも同行しているなど、彼女の補佐的な隊員である。
宮川 卓也
対ゴジラ特殊部隊隊長で、かつての桐子と奥村の上官。5年前のゴジラとの戦いの直前、緊張する部下たちを激励した。その後戦場へ赴き部下たちと共にゴジラを攻撃するが、その進行を止められず ゴジラが破壊したクリーンファクトリーの瓦礫から桐子をかばい、自身がその下敷きとなって殉職した。
山口 剛
特別G対策本部所属の生物学者。回収された巨大トンボをメガニューラと断定し、それに加えメガヌロン、メガギラスに関する生態を解説した。
早坂 薫
淳の母親。山梨から東京への引越しに満足気な様子だった。ゴジラ東京上陸前の避難時には、連絡が取れなくなった夫に対する不満を漏らしながら淳と共に避難していた。
杉浦 基彦
特G対本部長。5年前には、クリーンエネルギーとしてのプラズマエネルギー開発を指揮していた。
チェスが趣味のようで、自室やメインルームの自身の机の上にチェス盤とコマを置いている。表向きは特G対の面々を信頼し、外部の人間にも腰を低くしているが、本性は利己的で傲慢。裏では浜田総理からの指示で日本の国益と自身の地位と名誉のために、国立科学技術研究所でプラズマエネルギー開発研究を密かに続行させていた。ゴジラ作戦が失敗しそうになると躍起になって取り乱し、秘密が露見した挙句の果てには暴言を吐いたため桐子に殴り飛ばされてしまった。
吉沢 佳乃
特G対科学班第一研究室責任者の物理学者。工藤の大学時代の恩師でもある。5年前は大阪のクリーンエネルギーファクトリーでプラズマエネルギーの開発に携わっていたがゴジラ襲撃で多くの同僚を失い、ゴジラによる被害者をこれ以上出さないためとディメンション・タイド開発に全力を注ぐ。 口論の場面で熱くなりやすい桐子を制止するなど穏やかな人柄である。

キャスト

声の出演

スタッフ

映像ソフト化

いずれも東宝ビデオより発売。

  • VHSは2001年12月に発売[2]。レンタルは2001年7月より開始[2]
  • DVDは2001年8月21日発売。
    • トールケース版DVDは2002年11月21日発売。
    • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
  • Blu-ray Discは2010年3月19日発売。

関連グッズ

どこでもゴジラ
入場者プレゼントとして配布された、様々なポージングをしたゴジラのキーホルダーフィギュア。
Vサイン、考える、サッカー、野球の計4種類。

脚注

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外部リンク

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