ダウ平均株価
ダウ平均株価(ダウへいきんかぶか)は経済ニュース通信社であるダウ・ジョーンズ社(米)が算出するアメリカ合衆国の代表的な株価指数である。
概要
ダウ・ジョーンズ社がアメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄を選出し、平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数である。これらの銘柄は全てがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているわけではなく、シスコシステムズ・インテル・マイクロソフトの3社はNASDAQに上場している。
ダウ平均株価には、「ダウ工業株30種平均」、「ダウ輸送株20種平均」、「公共株15種平均」の3種類と、これらをあわせた「ダウ総合65種平均」がある。
- ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average - DJIA)
- 最も有名で、日本では「ダウ工業株30種平均(ダウ平均)」、「ニューヨーク・ダウ」、「ニューヨーク平均株価」などと呼ばれる。本名称では1896年に農業、鉱工業、輸送などの12銘柄でスタート。1928年に、30銘柄となった。その後、情報通信業や医療などのサービス業を取り込みながら、現在に至る[1]。
- 輸送株20種
- 公共株15種
ダウ平均株価以外の代表的な株価指数として、ナスダック総合指数やS&P 500などがある。「ダウ平均株価」に関する所有権のうち90%は2010年にダウジョーンズ社からCMEグループに対して6億750万ドルで譲渡された。「ダウ」を冠する投資ファンドは世界に約13万あるとされ、それらに対するライセンス権なども含まれるとされる[2]。
銘柄入れ替え
「工業株30種平均株価」の構成銘柄は時代に合わせて入れ替えが行われている。算出が始まって以来、現在まで継続して構成銘柄に残っている会社はゼネラル・エレクトリック社のみである。
- 2013年9月20日:ゴールドマン・サックス、ビザ、ナイキが加わり、アルコア、バンク・オブ・アメリカ、ヒューレット・パッカードが外れる。
- 2012年9月21日:ユナイテッド・ヘルスが加わり、クラフトフーズが外れる。
- 2009年6月8日:シスコシステムズ、トラベラーズが加わり、ゼネラル・モーターズ、シティグループが外れる。
算出方法
原則的には各銘柄の株価を足して銘柄数で割った単純平均だが、新株の発行などの理由により連続性が損なわれないように、除数は調整される。
株価の変遷
「ダウ工業株30種平均」の株価の変遷はClosing milestones of the Dow Jones Industrial Average(英語版Wikipedia)を参照。
日経ダウ平均株価
1975年から1985年まで日本経済新聞社が東京証券取引所の平均株価について、ダウ・ジョーンズ社と提携し日経ダウ平均株価の名称で発表していたが、日経ダウ平均を指標とする株価指数先物取引実施の動きに対し、当時デリバティブに否定的な立場だったダウ・ジョーンズ社が難色を示したため、1985年5月1日に日経平均株価と名称が変更された。
現在の工業株30種採用銘柄
各種記録(終値ベース)
2014年7月3日に米国雇用統計が発表され雇用者数が市場予想を大幅に越えるプラス幅で28.8万人と大幅増加となり、失業率も6.3→6.1%と横ばいを見込んでいた市場にとり大きなサプライズとなった。また、3日は翌日に祝日を控えまた週末までの3連休ということもありNY市場は短縮取引であった為引けにかけて利益確定が流れ込むかという観測が多数あったが、それに反して引けにかけても上値を伸ばした。また、この日はダウ平均が史上初めて17000ドルを突破した記録に残る日となった。 終値ベースの史上最高値は好指標と若干のリスク回避傾向の緩和により2014年7月16日に更新された。 2014年7月17日にリスク志向加速がみられたがウクライナ東部上空でマレーシア航空機が撃墜された様だとの速報が流れるとリスク回避の動きが顕著になり一気に17000ドルわれまで引けにかけて下げる結果となった。
- 史上最安値
- 1896年8月8日 28.48ドル -0.18ドル
- 最大の上昇幅
- 2008年10月13日 9,387.61ドル +936.42ドル (+11.08%)
- 前週に1週間で4割以上株価が下落していた反動に加え、取引開始前までに相次いで発表されたG7各国の金融危機回避策が好感されたため。
- 最大の上昇率
- 1933年3月15日 62.10ドル +8.26ドル (+15.34%)
- フランクリン・ルーズベルト大統領が炉辺談話を初めて発表し、世界恐慌で混乱する国民の不安をなだめた3日後。ニューディール政策が始動しはじめた直後でアメリカが世界恐慌を克服する第一歩となった。
- 最大の下落幅
- 2008年9月30日 10,365.45ドル -777.68ドル(-6.98%)
- アメリカ合衆国議会下院で緊急経済安定化法案が否決されたのを受け、可決されることを予想していた市場に失望感が広がったため。
- 最大の下落率
- 1987年10月19日 1,738.74ドル -507.99ドル(-22.61%)
- ブラックマンデー。
脚注
関連項目
- ナスダック
- List of largest daily changes in the Dow Jones Industrial Averageテンプレート:En icon
- Closing milestones of the Dow Jones Industrial Averageテンプレート:En icon
外部リンク
- Dow Jonesテンプレート:En icon
- ダウ・ジョーンズ・ジャパンテンプレート:Ja icon
- Ten Greatest DJIA Gains Of All Time & Greatest DJIA Losses Of All Time
- ↑ 水野博泰「「GM後」こそオバマの試練 米産業絵巻、見えぬ新章への筋書き」『日経ビジネス』2009年6月15日号、株式会社日経BP
- ↑ TheStreet Staff (February 11, 2010). "CME Buys 90% of Dow Jones Indexes". TheStreet.com. Retrieved February 11, 2010.