恐るべきさぬきうどん
『恐るべきさぬきうどん』(おそるべきさぬきうどん)は、ゲリラうどん通ごっこ軍団(通称:麺通団)による香川県下の讃岐うどん店のガイドブック。なお本項目では、その後継シリーズとして麺通団団長である田尾和俊の名義で出された『超麺通団シリーズ』についても記載する。
概要
テンプレート:出典の明記 ホットカプセル刊のタウン情報誌『TJ Kagawa(月刊タウン情報かがわ)』に連載されたコラム『ゲリラうどん通ごっこ』をまとめて単行本化した書籍。副題は『誰も書かなかった さぬきうどん 針の穴場探訪記』である。全5巻。
副題に恥じぬ、地元民(特に一町一地区まで絞り込まれた限られた人間)しか知り得ないディープな店の情報と、ローカル雑誌ならではの方言(讃岐弁)だらけで軽妙なユーモアを交えた語り口で、香川県内においてブームを招く。
その後、山陽放送の地域密着情報番組『VOICE21』がこの書籍に掲載されたうどん店を取り上げて紹介したことで、香川県から岡山県周辺域へと知名度が高まる。このことにより岡山周辺から京阪神周辺の香川県出身者やうどん愛好家にその存在が知れ渡るようになった。
以降京阪神周辺より香川県へ讃岐うどん目当ての人間がやって来るようになり、後は口コミと関東・関西圏の各種キー局による製作番組などでその存在が全国に知れ渡る。全国的な認知が高まりだした頃、新潮社によって文庫版(当時は『新潮OH!文庫』レーベルによる)が発売される。この文庫版はその後『新潮文庫』に引き継がれた(現在は絶版)。
これらの経緯により、1990年代以降における『讃岐うどんブーム』並びに『讃岐うどん店の観光地化』の火付け役を果たした。
2006年には、この書籍をモチーフとした映画「UDON」が公開された。
現在、『TJかがわ』を含め、「恐るべきさぬきうどん」に関する書籍の発行元が徳島県徳島市に本社を置くあわわとなっているため、徳島ラーメンと抱き合わせで書籍が発売され、香川・徳島両県で販売されることも多くなっている。
超麺通団シリーズ
『超麺通団』シリーズは、麺通団団長田尾和俊が『恐るべきさぬきうどん』シリーズの後継作として執筆した作品。『恐るべきさぬきうどん』シリーズとは異なり、西日本出版社より出されている。
これは団長である田尾が『恐るべきさぬきうどん』シリーズの商標名義の帰属を田尾個人ないしは麺通団にせず、記事連載元であったホットカプセル社にしていたため[1][2]である。これを原因として田尾がホットカプセルから退職した後は、シリーズの実質的な著者である田尾といえども『恐るべきさぬきうどん』の書籍名義を使えなくなってしまい[3]続編[4]を別シリーズとして出さざるをえなくなったものである。[5]
とはいえ「超麺通団」シリーズは『恐るべきさぬきうどん』のようなガイドブックとは異なり、基本的には田尾の実践より得られたマスコミ論の解説書的な書物である。ある意味では『恐るべきさぬきうどん』の舞台裏を綴ったメイキングエッセイとも言える作品であり、うどん店の紹介はあまり無い。とはいえ2巻目にはホットカプセルの「協力」という形で『恐るべきさぬきうどんANNEX』が収録されている。
シリーズ リスト
- 恐るべきさぬきうどん ハードカバー版(出版:ホットカプセル)1~5 巻
- 恐るべきさぬきうどん 文庫版(出版:新潮社・新潮文庫)
- 『麺地創造の旅』編(ハードカバー版 1~2巻の内容に加筆修正を加えたもの)
- 『麺地巡礼の旅』編(ハードカバー版 3~4巻の内容に加筆修正を加えたもの)
- 恐るべきさぬきうどん スーパーコンテンツ『さぬきうどん全店制覇攻略本』(出版:ホットカプセル→あわわ(2007年度版から))
- 特別版 恐るべきさぬきうどん(出版:あわわ)
- 映画『UDON』の公開にあわせて出版されたムック。中身は映画出演者らのインタビュー記事と、うどん店の紹介記事がメインとなっている。『恐るべき~』と銘打ってはいるが、テイストはオリジナルのそれとは異なり、通常のガイドブックと同様である。
超麺通団
- 超麺通団 団長田尾和俊と12人の麺徒たち(出版:西日本出版社)
- 超麺通団2 ~団長の事件簿~(出版:西日本出版社)
- 超麺通団3 麺通団のさぬきうどんのめぐり方(出版:西日本出版社)
- 超麺通団4 麺通団の最新讃岐うどんの巡り方&讃岐うどんの基礎知識(出版:西日本出版社)
脚注
関連項目
- ゲリラうどん通ごっこ軍団 - 麺通団はこの団体の通称である。
- 田尾和俊 - 麺通団の団長。四国学院大学カルチュラル・マネジメント学科教授。讃岐うどんで遊ぶ人(本人談)。
- ホットカプセル - 田尾が社長を務めていた出版社。元は広告代理店の一部門で、田尾はそこの社員だった。