FS作戦
FS作戦(FSさくせん)とは、日本軍の第二次世界大戦中における作戦構想の一つ。フィジーおよびサモア攻略作戦のことを示す。名称は両地区の頭文字からなる。
作戦計画及び全貌
太平洋戦争開戦後の日本軍は、連合国を打倒するために第二段作戦を検討し、その中で様々な作戦構想が出された。その中で海軍部において検討されたのが「FS作戦」である。これは、フィジー、サモアおよびニューカレドニアを占領することにより、南方戦線におけるオーストラリアの脅威を排除するとともに、アメリカ(ハワイ諸島)とオーストラリアの間のシーレーンを遮断することでオーストラリアを孤立させ、同国をイギリス連邦から脱落させる、という作戦構想である。
日本海軍が日本陸軍に対してオーストラリア北岸地域への進攻と占領を提案したところ、必要となる陸上兵力が増える可能性から必要性を認められながらも拒否され、FS作戦の場合は兵力が少なくてすむことから実施が決定された。しかし、連合艦隊司令部はこの作戦には、第一艦隊の補給限界能力を超える事と占領後の維持が困難である事から、終始反対であった。
1942年1月23日に日本軍はラバウルを占領し、5月3日にはソロモン諸島のツラギ島を攻略した(同年8月のフロリダ諸島の戦いで失陥するまで水上偵察機基地として使用された)。しかし、同時期に行われたポートモレスビー攻略(MO作戦)は、アメリカ軍の妨害にあい失敗(珊瑚海海戦)し、さらに6月のミッドウェー海戦の混乱により、6月7日にFS作戦の2ヶ月延期を決定した。その後、米豪分断作戦を機動部隊を使わずに進めるため基地航空部隊をガダルカナル島に進出させることとし、第4艦隊によるソロモン・ガダルカナル飛行場の建設の目処がついたことから、FS作戦は7月11日に中止が正式決定された。