行殺・新選組

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テンプレート:Ambox-mini テンプレート:Infobox行殺♥新選組』(ぎょうさつ しんせんぐみ)は2000年(平成12年)4月28日ライアーソフトから発売されたアダルトゲーム

2002年(平成14年)に音声と新規シナリオが追加されたリメイク版である行殺♥新選組FRESHが発売された。

概要

ゲーム内容は、幕末に活躍した新選組をモチーフとしたコメディ物。いわゆる立ち絵を廃し、話に合わせて登場人物のフェイスウィンドウが画面上を動き回るという独特の表現方法を用いている。分岐型のシナリオとなっており、多くは主人公の新選組入隊から池田屋事件頃までを取り上げたものとなっている。ただし主要な登場人物の多くが女性化され、その人物像にもデフォルメが加えられている。

一方で、ゲーム内で発生するイベントのほとんどが史実に基づいているという点には特筆すべきものがあり、コミカルなビジュアルや後述する主題歌の強烈なインパクトとの落差が新選組の悲劇性をかえって引き立たせているため、実際にはシリアスな印象の方が強い。ただし、“不条理”というパラメータが存在しており、これの度合いによっては非常に不条理かつシュールなストーリー展開と化す。

史実や新選組や幕末を題材とした各種小説・漫画などのエピソードを巧みにパロディの題材として取り上げていて、中にはかなりマニアックなものもある。また、ミニゲームのクイズがあるが、その出題内容は本編をも凌ぐマニアックさで、難易度が異様に高い。

表記について

パソコンの環境によっては「♥」の文字が出力できない場合があるため行殺(はぁと)新選組行殺・新選組などと表記する場合も多い。

ストーリー

時は幕末。主人公の島田誠は剣術で身を立てるため京都へ上る。しかし坂本龍馬率いるキンノーに絡まれ袋だたきにされてしまう。窮地を救ったのは新選組だった。島田は新選組のかっこよさにあこがれ、入隊する事になる。

主要登場人物

原則的に行殺♥新選組FRESH版に基づいて執筆。括弧内には読みと、モデルとなった人物名を記載。また、音声は行殺♥新選組FRESHのみ。

メンバーの服は基本的に制服である(一部を除く)。

島田誠(しまだ まこと/島田魁) (声優:なし)
本作の主人公。容貌は普通、何事もそつなくこなすという成人向けゲームの主人公にありがちな設定。縁あって新選組に入隊する。
なお、モデルは島田魁だと思われるが、一部に藤堂平助などのエピソードが織り込まれている。
近藤勇子(こんどう ゆうこ/近藤勇) (声優:歌織
新選組局長。見た目はおっとりしているが、銃剣・虎徹を愛用する剣術の達人。
あまり自己主張をするタイプではなく、個性の強い隊士達をさりげなくまとめる調整型のリーダー。特に芹沢と土方の喧嘩を仲裁できるのは彼女だけであり、隊士からの信頼も極めて厚いが、性癖はM。
かつては坂本龍馬と恋仲だったが、現在は敵対関係にある。
土方歳江(ひじかた としえ/土方歳三) (声優:かわしまりの
新選組副長。美人だが冷酷。武器は日本刀。規律を犯した隊士にしばしば切腹を命じるため鬼の副長と呼ばれ怖れられている。その一方で、俳句や恥ずかしいポエムが趣味という意外な一面もある。やたらと餅をくれる。性癖はSでツンデレ気味。。
彼女のみ、ある条件を満たす事で更なるシナリオに進み(本編は池田屋事件までのため)、真のEDへと到達する。
カモミール芹沢(かもみーる せりざわ/芹沢鴨) (声優:長崎みなみ
もう一人の新選組局長。水戸藩出身ではあるが、異人の血を引くため金髪碧眼。武器は鉄扇と88mm砲(通称、カモちゃん砲)。大トラで酒を飲むと大暴れする。規律より隊士同志の和を重視すべきが持論のため、反対に規律を何よりも重んじる土方とは何かと折り合いが悪い。通称は「カモちゃん」だが、一部のユーザーからは「かーもさん」とも。
沖田鈴音(おきた すずね/沖田総司) (声優:YUKI
新選組最強の剣士だが、病弱な眼鏡っ娘でしばしば吐血する。武器は日本刀。そーじというあだ名で呼ばれているがその理由には諸説あり、結局島田には真相がわからずじまいである。さりげなくトゲのある発言をするが、都合が悪くなると吐血しごまかすという、少々腹黒い面がある。
原田沙乃(はらだ さの/原田左之助) (声優:綾瀬まゆ
新選組隊士。武器は身長よりも長い十文字槍。見た目が小学生なのと、かつて切腹に失敗したときの古傷に劣等感を抱いている。隊士の中では一番の頭脳派だが、負けず嫌いで口が悪く、島田に対して先輩風を吹かせたがるあたり、性格は子供っぽい。
永倉新(ながくら あらた/永倉新八) (声優:金田まひる
新選組隊士。直情径行型で男勝りな女傑。基本的に能天気で、食べることと強さにしか興味がない。色恋沙汰が大の苦手。武器は永倉ハンマーと名付けられた大木槌。
藤堂平(とうどう たいら/藤堂平助) (声優:草柳順子
新選組隊士。FRESHより新登場。近藤達とは江戸からのつきあいだが、影が薄く、フェイスウィンドウで自己主張を繰り返す。武器は錆びた斬馬刀、もしくは「北辰二刀流、無手、棍棒」(本人談)。北辰一刀流の結束によって運命を弄ばれ、自分の気持ちというものを失ってしまっている。その諦めきった性格からか「仕方ないよね」が口癖。。
スタッフによると「(前作で)何故出ていないのか」と問い合わせが殺到した、とのこと。
伊東甲子(いとう かんこ/伊東甲子太郎) (声優:歌織
新撰組参謀。池田屋事件の後に入隊。北辰一刀流。近藤に色々吹き込んだり不穏な言動を見せたりしているため、土方は特に嫌っている。かなりのドS。
斎藤はじめ(さいとう はじめ/斎藤一) (声優:草柳順子
新選組隊士で島田と同期。剣の腕は島田より上。性別は男だが、何故か島田とくっつきたがる。ショタ担当。
山南敬助(やまなみ けいすけ/山南敬助) (声優:なし)
新選組副長。くたびれた中年男性。北辰一刀流の使い手だが、いざという時に姿をくらますので剣の腕は未知数。沖田をかわいがっている。
井上源三郎(いのうえ げんざぶろう/井上源三郎) (声優:なし)
白髪白髭白眉毛の老隊士。時折現れては歳相応の落ち着いた発言をするが、時折ボケているような素振りも見せる。
松平けーこ(まつだいら けーこ/松平容保) (声優:なし)
京都守護職。新選組の上司で会津藩藩主。通称「けーこちゃん」。カモミール芹沢とは昔なじみのツレ。ちなみに眼鏡っ娘であるが、常に後ろを向いている。
おまちちゃん(おまちちゃん/モデルなし) (声優:長崎みなみ
新撰組びいきの町娘。ひょんなことから島田に惚れ込み、強引過ぎるほどのアタックを仕掛けてくる。なぜか巫女姿。
受け入れると拒むとに関わらず、島田と新選組を振り回すお騒がせキャラ。
古高俊子(ふるたか としこ/古高俊太郎) (声優:綾瀬まゆ)
表向きは枡屋の女主人だが、正体はキンノーのスパイ。新選組に捕縛され、あんなことこんなことをされてしまう。
坂本龍馬(さかもと りょうま/坂本龍馬) (声優:なし)
殺しから立ち小便まで、悪事の限りをつくすキンノーの大物。歪んだ欲望を満たすために倒幕を目論む極度のS。近藤勇子の元彼であり、彼女をMに覚醒させ、奴隷として調教した張本人。
桂小五郎(かつら こごろう/桂小五郎) (声優:なし)
キンノーの大物その2。「逃げの小五郎」の異名をとり、逃げるために悪事を働く逃げフェチ。FRESHより三枝師匠似の顔絵となる。
キンノーたち
幕府転覆を企む不貞な浪士だが、その多くが何らかの意味で奇人・変人。なおゲーム内には100名近いキンノーが登場するが、それぞれ個別に設定が存在する。

スタッフ

行殺♥新選組

  • 企画・シナリオ:岩清水新一
  • キャラクター・原画:八雲剣豪
  • シナリオ:睦月たたら
  • 音楽:九十九百太郎
    • 主題歌:見つめて☆新選組
      作詞:鰯水新三、睦月たたら
      作曲:九十九百太郎(ノーブランドサウンズ)
      編曲:長崎繁
      歌:翠川優樹

行殺♥新選組FRESH

  • シナリオ:睦月たたら、天野佑一
  • キャラクター・原画:八雲剣豪
  • 音楽:ノーブランドサウンズ
    • 主題歌:見つめて☆新選組(フルコーラスVer.)
      作詞:鰯水新三、睦月たたら
      作・編曲:九十九百太郎(ノーブランドサウンズ)
      歌:長崎みなみ

この主題歌は子母沢寛の小説『新選組始末記』で広く知られている新選組の“局中法度”をモチーフにしたもので、そのサビの部分の歌詞の強烈なインパクトから「切腹ソング」という異名を持つ。それ以外にも、妙な前口上があったり曲終了後にもコントのようなやりとりが入っていることから、一種の電波ソングとしても知られる。

なお、2005年12月にDAMの「アキバ系萌えソング特集」の一環としてこの曲が一時期(10日ほど)だけ入ったが、現在は選曲ができない状態になっている。

その他

メディアミックス

  • 電撃大王にて八雲剣豪による漫画化
  • 行殺新選組をテーマにした3D格闘ゲーム「行殺!スピリッツ」が「GPSC(ゲームプログラム勉強会)」より発売。

『行殺』の意味

本作タイトルにも付けられている『行殺』という言葉は、元々はプレイバイメールのプレイヤーたちの間で使われていたスラングで、プレイバイメールで発表される行動結果文章において「プレイヤーキャラクターが僅か一行以下の文章しか登場せず、それが死亡シーンである」ことを意味する。ニュアンスとしては「瞬殺」「無意味な死」などの要素が含まれる。

これはライアーソフトの母体となった遊演体の“マスター”の1人であった甲斐甲賀が多用した処理で、選択を少しでも誤ったプレイヤー、自己中心的な行動を取るプレイヤーに対し、甲斐は行動結果文章の中で当該プレイヤーが所持するキャラクターを本当にたった一行の文章で何の意味もなくただ死亡の結果だけを示す『行殺』を躊躇無く行った。顧客であるプレイヤーのキャラクターの死であるにも関わらず、ストーリー的なカタルシスやドラマ性のある描写などといった死に様を一切描かない『行殺』は、多くのプレイヤーから嫌悪された。

本作においては、キンノーたちの多くが『行殺』されている。

外部リンク