クサウラベニタケ
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クサウラベニタケ(臭裏紅茸、Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kummer f. rhodopolium)は、ハラタケ目イッポンシメジ科イッポンシメジ属イッポンシメジ亜属のキノコ。アシボソシメジ(埼玉)、ウススミ(秋田)、サクラッコ(秋田)、ニタリ(大分)、メイジンナカセなどの地方名をもつ。
特徴
夏から秋にかけて、アカマツ混生林下や広葉樹林下に単独~群生する。傘は3〜10cmで吸水性があり、湿ったとき灰色っぽく、乾くと黄土色っぽくなる。乾いたときは絹糸状の光沢がある。ひだはやや密で、若いときは白いが、古くなるにつれ淡紅色になる。肉は白色で少し粉臭があり、無味。柄は白色で中空が多いが詰まった物もある。胞子は五角形あるいは六角形。
有毒種
有毒。食用種のウラベニホテイシメジやカクミノシメジ、シメジモドキ(ハルシメジ)、ホンシメジとよく似ており、中毒例が多い。毒成分は、溶血性タンパク、コリン、ムスカリン、ムスカリジン(Muscaridine)など[1]。
自己採集したきのこによる食中毒の他に、路上販売[2]や卸売り市場を経由した流通販売されたきのこでも中毒例が報告されている[3]。
中毒症状
摂食後10分から数時間で症状が現れ、神経系および消化器系の食中毒を起こし、死亡例もある。
年 | 発生件数 | 摂食者総数 | 患者数 |
2000年 | 9件 | 46人 | 41人 |
2001年 | 3件 | 11人 | 11人 |
2002年 | 13件 | 43人 | 42人 |
2003年 | 6件 | 76人 | 53人 |
2004年 | 18件 | 51人 | 50人 |
2005年 | 6件 | 21人 | 17人 |
2006年 | 6件 | 15人 | 15人 |
2007年 | 11件 | 41人 | 36人 |
2008年 | 6件 | 25人 | 22人 |
2009年 | 2件 | 13人 | 11人 |
参考画像
- Entoloma.rhodopolium2.-.lindsey.jpg
カサの内側
脚注
- ↑ クサウラベニタケ 千葉県立中央博物館
- ↑ 江口 裕:路上販売キノコによる食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.31 (1990) No.5 P437
- ↑ クサウラベニタケによる食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.40 (1999) No.5 PJ382-J383
参考文献
- 池田良幸『北陸のきのこ図鑑』ISBN 4893790927
- 長沢栄史『日本の毒きのこ』 ISBN 4054018823
- 自然毒のリスクプロファイル:クサウラベニタケ 厚生労働省
外部リンク
- クサウラベニタケ - きのこデータベース
- テンプレート:PDFlink
- クサウラベニタケの毒性成分の研究(第2報) : 溶血素の精製と溶血条件の検討 藥學雜誌 Vol.108 (1988) No.3 P221-225, テンプレート:JOIテンプレート:Fungi-stub