劇団
欧米では劇場の付属団体であり、専属の演出家、劇作家、製作部門、劇団員がいるのが一般的である。そのため、例えば英語では劇団も劇場もTheaterと表記される場合が多い。(劇団はTheatreと表記される場合が多くなる趨勢にはある。) 日本では劇場に付属する劇団は極めて限られた存在である。劇団員が固定化していない劇団もあり、主演者などを外部から招いて興行をする形も多く見受けられる。 更には、一つの演目のために国内外からスタッフや俳優が集合し上演が終了すると解散するプロジェクトの様な場合もある。
劇団の種類
劇団は規模や上演内容によって様々な種類に分類できる。
大規模劇団
専属団員や製作部門を擁し、団長や劇団主宰を中心にその活動は組織化されており、法人の形態となっている。
大都市圏や、政令指定都市を中心とした地方の主要都市に専用劇場をもっている場合が多く、専用劇場がない都市においてもその地における主要劇場やホールを借り切る形で上演を行う。上演内容も音楽劇からストレートプレイまで多岐にわたり、古典演劇から劇団専属の脚本家によるオリジナル脚本まで、様々なレパートリーを保持している。
日本では一般的には文学座、俳優座、青年座などが大規模劇団に分類される。 また、劇団ひまわりや劇団東俳など養成機関の方が著名な団体も製作部門や小規模の劇場は保有している。 また、ミュージカル公演が多い宝塚歌劇団、劇団四季やわらび座などもある。 劇場を保有していないが、劇団形態を取っている著名な劇団にはこまつ座、劇団☆新感線などが挙げられる。
中小規模劇団
日本の大半の劇団がこの部類に入る。大都市圏や地方の主要都市を中心に様々な劇団が存在し組織もサークル的なものから、法人になっているものまで多種多様である。活動範囲は劇団が本拠を置く都市が中心ではあるが、中には演目や所属団員、スタッフの活動により全国に活動範囲を広げている劇団も多い。その活動内容は、本格的な作品の上演を行なう団体から、児童劇団や芸能事務所が運営している劇団のように所属団員の育成を活動の中心にそえるものまで様々である。上演場所も演劇専用劇場から学校や公民館までいろんな場所で上演されている。
所属団員やスタッフが少ないために劇団の運営から脚本の執筆舞台の演出から設営、出演まで複数の仕事を一人でかかえていることも多い。劇団の規模も様々で、自前の劇場や稽古場を有するところもあれば、公演収入だけでは、劇団の運営や団員の生活を支えられないために多くの場合副業をもっている場合や本業の合間に演劇活動を行うところもある。