ぽっぽ焼き
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ファイル:Poppoyaki.jpg ぽっぽ焼き ファイル:Poppoyaki-Yatai.jpg ぽっぽ焼きの屋台 |
ぽっぽ焼きとは、新潟県下越地方で見られる長細いパンのような菓子。発祥元の新発田市を中心とし阿賀北以北では蒸気パンと呼ばれる。
薄力粉に黒砂糖と水、炭酸、ミョウバンを加え、専用の焼き器で焼き上げる。 茶褐色で細長く、やや扁平な形状をしている。暖かい状態で販売され、もちもちとした食感と黒砂糖の素朴な風味を味わえる。
焼き器から蒸気が出るため蒸し菓子と誤解される場合もあるが、蒸気は焼き器本体を炉熱からまもるラジエータから発生したものであり、蒸気で生地を蒸し焼きにしているわけではない。近年では蒸気の出ない焼き器を使用する業者も見られる。
名前の由来
名前の由来には諸説ある。以下に代表的な説を挙げる。
- 焼き器の蒸気口に笛をつけポーポーと鳴る音で客寄せをしたことから。
- 蒸気が上がる様子が蒸気機関車(ポッポ)に似ていることから、蒸気パンと呼ばれるようになった。
(新発田市以北は蒸気パンと呼ぶ) 1995年頃から、ポッポ焼きと呼ばれることが増え始め、現在では、ポッポ焼きが主流の呼び方になってきている。
- 焼き上がりが「蒲の穂」に似ていることから「穂っぽい焼き」が訛って「ぽっぽ焼き」となったとする説
- 沖縄の駄菓子である「ぽーぽー」が新潟に伝わったものだとする説(ただし、厳密には「ぽーぽー」には黒砂糖は入っていない。黒砂糖が入っているものは「ちんびん」と呼ぶ。)
作り方
ここでの作り方はフライパンでの作り方。屋台では2cmほどの溝になっている型で焼いている。
材料
- 黒砂糖(粉状) 大さじ2~2.5
- 薄力粉 大さじ4
- 重曹 小さじ1/4
- みょうばん 1/4
- 水 大さじ3~4
手順
- すべてボールに入れて混ぜる。粉っぽさがなくなり、ドロっとしたら水で調節してトロっとさせる。
- (黒砂糖は溶け難いので、あらかじめ水を加えて煮て溶かし、沸騰し泡状のものが沸きあがってきたところで火を止め、その後完全に冷ましたものを使用する。)
- 熱したフライパンにうすく油を塗り、フライパンをよく温める。
- フライパンがしっかり温まったら、弱火にし生地を流しいれて、蓋をする。
- まわりの色が変わったら、ひっくり返す。 裏面に焼き色を付ける。2枚目を焼くときも、フライパンに油を塗り、生地を流しいれる。2cm幅に切って完成。
販売地域
発祥元の新発田市周辺を皮切りに、新潟市周辺や三条市などで、主に祭りや縁日、花見、朝市の会場などの屋台で売られており、一般の小売店などで目にすることはまずないが、稀に平時でもスーパーの駐車場等に屋台が出店されている場合もある。これらの地域においては人気が高く、屋台の定番となっている。
3本あたり100円程度で、9本、15本、30本単位で売られている場合が多い。近年では上越地方での出店も多くなり、新潟県下共通の味となりつつある。新潟県内で放送される県内のお菓子などの特集番組では必ずと言っていい程、取り上げられる。
ぽっぽ焼きが販売されている主なイベント
- 水原祭り(阿賀野市)
- あやめ祭り(新発田市)
- 城下町新発田まつり(新発田市)
- 月岡どんど祭り(新発田市)
- 蒲原まつり(新潟市中央区)
- 山の下まつり(新潟市東区)
- 新潟まつり(新潟市中央区)
- 白山まつり(新潟市中央区)
- 亀田祭り(新潟市江南区)
- にいつ夏まつり(新潟市秋葉区)
- 白根大凧合戦(新潟市南区)
- 巻夏まつり(新潟市西蒲区)
- 葛塚まつり (新潟市北区)
- 三条まつり(三条市)
- 村上大祭(村上市)
- 瀬波大祭(村上市)
- 岩船大祭(村上市)
- 八幡祭礼(春.秋)(五泉市)
- 粟島祭り(五泉市)
- 五泉きなせやまつり(五泉市)
- 見附まつり(見附市)
- えんま市(柏崎市)
- 観桜会(上越市)
- 上越まつり(祇園祭)(上越市)
- 六日町まつり(南魚沼市)
- 裸押し合い祭り(南魚沼市)
- 燕市民祭(旧燕市)
- 吉田天満宮祭礼(燕市)
- 長岡市中之島・見附市今町大凧合戦(旧中之島町)
- 北海道大学祭で新潟県人会の露店(北海道札幌市北区)
- 中条大祭(胎内市)
- 乙寶寺おまんだら(胎内市乙)
- 乙寶寺大日祭り(胎内市乙)
関連項目
外部リンク
- 新潟グルメ-ぽっぽの秘密 焼いている風景が見られる
- ポポペロ ぽっぽ焼きのゆるキャラ