熊本電気鉄道菊池線
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菊池線(きくちせん)は、熊本県熊本市西区の上熊本駅から熊本県合志市の御代志駅までを結ぶ熊本電気鉄道の鉄道路線である。
以前は、温泉地である菊池市の菊池駅まで路線が延びていたが、並行する国道387号を通るバスやマイカーに押され、1986年(昭和61年)に御代志 - 菊池間を廃止して現在の営業区間となった。その廃止区間についてもここで扱う。
目次
路線データ
現存区間(上熊本 - 御代志)
廃止区間(御代志 - 菊池)
廃止直前時
- 路線距離(営業キロ):13.5 km
- 軌間:1067 mm
- 駅数:9駅(御代志駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流600V)
- 閉塞方式:タブレット閉塞式
運行形態
路線名称上は上熊本駅が起点となっているが、運転系統は藤崎宮前 - 北熊本 - 御代志間、上熊本 - 北熊本間と分かれており、御代志方面への列車は藤崎線の藤崎宮前駅をターミナルとしている。藤崎宮前 - 御代志間は混雑時15分間隔、閑散時30分間隔、上熊本 - 北熊本間は終日30分間隔で運転されている。
廃止区間である御代志 - 菊池間については、廃止直前で混雑時おおむね30分間隔、閑散時おおむね1時間間隔の運転であった。
2001年2月改正時点の終電は、藤崎宮前 - 御代志間、上熊本 - 北熊本間とも20時台であったが、2009年4月1日から、藤崎宮前 - 御代志間の終電を22時台、上熊本 - 北熊本間の終電を21時台に繰り下げた(ただし休日はのぞく)。
使用車両
テンプレート:See also 藤崎線藤崎宮前に乗り入れる北熊本 - 御代志間では6000系が、上熊本方面の区間運転には5000系・200系が使用される。
歴史
- 1909年(明治42年)3月3日 軌道特許状下付[1]。
- 1913年(大正2年)
- 1919年(大正8年)12月13日 軌道特許状下付(菊池郡隈府町-鹿本郡山鹿町間)[2]。
- 1923年(大正12年)8月31日 室園 - 隈府間を1067mm軌間に改軌、電化。
- 1942年(昭和17年)5月1日 藤崎宮前 - 隈府間を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更[3][4]。
- 1948年(昭和23年)1月1日 現社名の熊本電気鉄道となる。
- 1949年(昭和24年)4月1日 藤崎宮前 - 亀井間を室園経由から北熊本経由に線路変更。
- 1950年(昭和25年)10月1日 上熊本 - 北熊本間が開業。上熊本 - 隈府間を菊池線、北熊本 - 藤崎宮前間を藤崎線とする。
- 1953年(昭和28年)3月15日 打越駅が開業。
- 1955年(昭和30年)
- 1958年(昭和33年)8月1日 菊池駅を富の原駅、隈府駅を菊池駅に改称。
- 1959年(昭和34年)10月1日 御代志 - 大池間の経路を変更。御代志駅・大池駅を移転。
- 1965年(昭和40年)10月16日 再春荘前駅が開業。
- 1984年(昭和59年)9月1日 新須屋駅が開業。
- 1986年(昭和61年)
- 1995年(平成7年)1月9日 坪井川公園駅、電波高専前駅(現在の熊本高専前駅)が開業。
- 2001年(平成13年)2月25日 並行する国道387号の拡幅工事に伴い須屋 - 電波高専前間の経路を変更。黒石駅を移転。須屋 - 黒石間に三ツ石駅開業。
- 2008年(平成20年)4月1日 新須屋駅を移転。
- 2013年(平成25年)3月31日 電波高専前駅を熊本高専前駅に改称。
駅一覧
全駅が熊本県に所在。
現存区間
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
上熊本駅 | - | 0.0 | 九州旅客鉄道:鹿児島本線 熊本市電:上熊本線(上熊本駅前電停) |
熊本市 | 西区 |
韓々坂駅 | 0.7 | 0.7 | |||
池田駅 | 0.7 | 1.4 | |||
打越駅 | 0.7 | 2.1 | 北区 | ||
坪井川公園駅 | 0.5 | 2.6 | 中央区 | ||
北熊本駅 | 0.8 | 3.4 | 熊本電気鉄道:藤崎線(御代志方面と直通) | 北区 | |
亀井駅 | 1.2 | 4.6 | |||
八景水谷駅 | 0.4 | 5.0 | |||
堀川駅 | 0.9 | 5.9 | |||
新須屋駅 | 1.0 | 6.9 | 合志市 | ||
須屋駅 | 0.5 | 7.4 | |||
三ツ石駅 | 0.8 | 8.2 | |||
黒石駅 | 0.8 | 9.0 | |||
熊本高専前駅 | 0.9 | 9.9 | |||
再春荘前駅 | 0.4 | 10.3 | |||
御代志駅 | 0.5 | 10.8 |
廃止区間
御代志駅 - 大池駅 - 辻久保駅 - 高江駅 - 泗水駅 - 富の原駅 - 広瀬駅 - 深川駅 - 菊池駅
廃止された駅
廃止区間で最後まで営業していた駅は前節参照。
- 富駅(高江 - 黒木間) - 1913年3月15日開業、1955年3月10日廃止(泗水駅に移転開業による)
- 黒木駅(富 - 菊池〔初代。現在の富の原〕間) - 1921年以前開業、1941年4月10日廃止
- 花房駅(菊池〔初代。現在の富の原〕 - 広瀬間) - 1913年3月15日開業、1955年以降廃止
廃止区間の廃線後の状況
合志市(旧・菊池郡西合志町)の御代志駅から、菊池市隈府の菊池駅までの13.5kmは、モータリゼーションの進展による乗客減などを背景に、1986年2月15日の運行をもって廃止された。運行最終日は全線で無料乗車が実施され、名残を惜しむ多くの乗客でにぎわった。
廃止区間各駅の状況は次の通り。
- 御代志駅:現在線の終点。かつては行き違い設備があったが、部分廃止前には撤去されていた。
- 大池駅:駅跡はバス待合所がある。この区間までは後述のように路線復活計画があり、今も熊本電鉄が敷地を所有している。
- 辻久保駅:駅跡付近に広大なバス車庫ができている。
- 高江駅:長く駅舎が残っていたが、近年撤去された。
- 泗水駅:行き違い可能駅であった。駅跡の店舗倉庫に駅名が残る。
- 富の原駅:バス停と駐輪場が残る。
- 広瀬駅:かつては行き違い設備があった。廃止時には撤去されていた。
- 深川駅:同名のバス停がかろうじて面影を残す。
- 菊池駅:廃止直前に建てられた駅舎が「菊池プラザ」として残る。
路線延長(復活)計画
熊本電気鉄道の項にあるように、同社では将来は菊池線を改軌・LRT化して熊本市電と乗り入れを行う構想を計画・提案している(これを受けて熊本県・熊本市・合志市は電鉄案のほか、市電の藤崎宮前までの延長と同一ホーム乗り換えという形も含め、検討委員会を設けて事業計画の策定を行うことを2007年3月に決定している)。
このLRT計画の中で熊本電鉄は、この計画が実現の際には、今も同社が保有している御代志 - 大池間の敷地を用い、車両基地の整備と、旧大池駅のそばにある熊本県農業公園(菊池までの区間が廃止された後の1991年に開設)までの路線を延長する計画を表明している。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 『地方鉄道及軌道一覧 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 「軌道特許状下付」『官報』1919年12月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「軌道ヲ地方鉄道ニ変更許可」『官報』1942年7月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1942年8月1日(国立国会図書館デジタルコレクション)