小柳奈穂子
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小柳 奈穂子(こやなぎ なおこ、1976年9月17日 - [1])は、宝塚歌劇団所属の演出家。
目次
略歴
- 1998年、宝塚歌劇団の嘱託の演出助手となる[3]。
- 1999年、宝塚歌劇団入団[3]。
- 2002年、バウホール公演『SLAPSTICK』で演出家デビュー[3]。
- 2003年、『アメリカン・パイ』で原作の萩尾望都の繊細な作品世界を舞台上に再現する試みを行う。
- 2004年、『NAKED CITY』で主演・彩吹真央の趣味であるカメラを作品に取り入れた。
- 2011年、『めぐり会いは再び -My only shinin’ star-』で、大劇場デビュー。
人物・エピソード
長野県松本市で出生、東京で育ち、4歳から10歳まで大阪で暮らした[3]。
小学生の頃からインドア派で、童話、文豪もの、SF、少女漫画、ミステリーなど手当たり次第に本を読んでいた[1]。 小劇場系の芝居やMGMのミュージカル映画などを好んでいた[4]。
高校3年生のとき、先輩から借りた小池修一郎演出の『PUCK』のビデオを観て衝撃を受けた[2][4]。 男役という非日常の存在が、日本人が日本語で歌うミュージカルの違和感を取り払い、独特のリアリティーを実現する面白さに魅せられたという[3]。
小池修一郎の出身校である慶應義塾大学に進学し[2]、大学時代は小劇場でプロデューサーなど制作に3年間携わっていた[1]。
宝塚歌劇団演出部では植田景子、児玉明子に次ぐ3人目の女性採用だった[3]。
宝塚歌劇団での作品
脚本・演出
大劇場公演作品
- ロマンティック・ミュージカル『めぐり会いは再び -My only shinin’ star-』(2011年、星組) *宝塚大劇場デビュー作
- ロマンティック・ミュージカル『めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~』(2012年、星組)
- ミュージカル『Shall we ダンス?』(2013年、雪組)
- ミュージカル『ルパン三世』(2015年、雪組) *予定
その他の公演作品
- バウ・ミュージカル『SLAPSTICK』(2002年、月組・宝塚バウホール、日本青年館)
- バウ・ミュージカル『アメリカン・パイ』(2003年、雪組・宝塚バウホール、日本青年館)
- バウ・ミュージカル『NAKED CITY』(2004年、花組・宝塚バウホール、日本青年館)
- 『シルバー・ローズ・クロニクル』(2007年、雪組・シアタードラマシティ、日本青年館)
- バウ・ミュージカルプレイ『二人の貴公子』(2009年、月組・宝塚バウホール)
- ミュージカル『シャングリラ -水之城-』(2010年、宙組・シアタードラマシティ、日本青年館)
- バウ・ラブ・アドベンチャー『アリスの恋人 -Alice in Undergoround Wonderland-』(2011年、月組・宝塚バウホール、日本青年館)
- ミュージカル『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』(2013年、星組・台湾公演、中日劇場)
- バウ・ミュージカル『かもめ』(2014年、星組)*予定
ディナーショー
演出のみ
- バウ・ワークショップ『おーい春風さん』(2003年、宙組・宝塚バウホール)
- バウ・ワークショップ『恋天狗』(2003年、花組・宝塚バウホール)
- ミュージカル『フットルース』(2012年、雪組・梅田芸術劇場&博多座) *潤色・演出
新人公演の演出
- 1999年 花組『タンゴ・アルゼンチーノ』
- 2000年 月組『LUNA』、月組『ゼンダ城の虜』
- 2001年 月組『大海賊』
- 2002年 月組『長い春の果てに』
- 2003年 月組『薔薇の封印』
- 2005年 月組『エリザベート』、雪組『霧のミラノ』
- 2006年 宙組『NEVER SAY GOODBYE』、雪組『堕天使の涙』
- 2007年 雪組『エリザベート』
- 2009年 月組『エリザベート』、宙組『カサブランカ』
- 2010年 宙組『誰がために鐘は鳴る』
演出助手
()は主たる演出家
- 1999年 花組『夜明けの序曲(東京公演)』(植田紳爾)、宙組『Crossroad』(正塚晴彦)、宙組『ザ・レビュー'99』(岡田敬二)、花組『タンゴ・アルゼンチーノ』(小池修一郎)、花組『ザ・レビュー'99』(岡田敬二)
- 2000年 宙組『GLORIOUS!』(藤井大介)、月組『LUNA』(小池修一郎)、月組『BLUE・MOON・BLUE』(齋藤吉正)、雪組『ささら笹舟』(谷正純、バウホール)、月組『ゼンダ城の虜』(木村信司)、花組『Asian Sunrise』(岡田敬二)
- 2001年 星組『花の業平』(尾上菊之丞)、星組『夢は世界をかけめぐる』(草野旦)、月組『大海賊』(中村暁)、雪組『血と砂』(齋藤吉正、バウホール)
- 2002年 花組『琥珀色の雨にぬれて』(正塚晴彦)、専科・雪組・花組『風と共に去りぬ』(植田紳爾、日生劇場特別公演)、月組『長い春の果てに』(石田昌也)、雪組『ホップ スコッチ』(太田哲則)
- 2003年 花組『おーい春風さん』(川上正和、バウホール)、宙組『満天星大夜總会』(齋藤吉正)、月組『なみだ橋 えがお橋』(谷正純、バウホール)、月組『薔薇の封印』(小池修一郎)
- 2004年 花組『アプローズ・タカラヅカ!』(三木章雄・藤井大介・齋藤吉正)、星組『ロマンチカ宝塚'04』(荻田浩一)、雪組『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』(三木章雄・藤井大介・齋藤吉正)
- 2005年 月組『エリザベート』(小池修一郎)、雪組『霧のミラノ』(中村暁)、宙組『ネオ・ヴォヤージュ』(三木章雄)
- 2006年 宙組『NEVER SAY GOODBYE』(小池修一郎)、雪組『堕天使の涙』(植田景子)、雪組『タランテラ!(東京公演)』(荻田浩一)
- 2007年 花組『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』(木村信司)、雪組『エリザベート』(小池修一郎)
- 2008年 月組『ME AND MY GIRL』(三木章雄)、星組『THE SCARLET PIMPERNEL』(小池修一郎)
宝塚歌劇団以外での作品
映画
- 『赤線』(2004年)(脚本を担当)
参考文献
- 宝塚歌劇団『宝塚歌劇90年史 すみれ花歳月を重ねて』ISBN 4484046016